アパレル散歩道

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第49回 : ケーススタディ⑤形態変化

2023/02/01

品質事故を分析して原因と対策を考えようアパレル散歩道 品質事故を分析して原因と対策を考えよう

2023.2.1

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 今回の第49回「アパレル散歩道」は、アパレル製品の品質事故として⑤形態変化を取り上げます(表1参照)。



表1 品質事故の分類
大分類中分類
1損傷① 生地の損傷
② 縫い目の損傷
③ 副資材の損傷
2外観変化④ 外観変化
3形態変化⑤ 形態変化
4風合い変化⑥ 風合い変化
5色の変化⑦ 変退色
⑧ 汚染・色泣き
⑨ 白化
⑩ 黄変
6機能低下⑪ 機能性低下
7安全性不適切⑫ 安全性不適切
8表示不適正⑬ 表示不適正

《はじめに》
 アパレル製品は、着用や洗濯などによって大きく製品の形態が変化するものがあります。具体的には、収縮、伸び切り、斜行、カーリングなどがあります。今回は、これらの形態変化に関する品質事故を取り上げ、原因と対策について理解を深めます。



  1. 収縮
     衣料品の収縮は、主に素材の収縮に起因します。衣料品は、洗濯や水に濡れることにより収縮することが多いのですが、原因には緩和収縮膨潤収縮があります。また、ウール製品ではウール素材特有のフェルト収縮もあります。
     緩和収縮・膨潤収縮のいずれも、綿やレーヨンなどの熱セット性の少ないセルロース系製品で品質事故が多く発生しています。表2に、家庭洗濯や着用による収縮の事故事例を紹介します。

    表2 家庭洗濯や着用による収縮の事故事例
    発生の事例収縮の種類
    1綿100%(鹿の子)ニットポロシャツを初めて家庭洗濯し吊り干ししたら、丈方向に大きく縮んだ。緩和収縮
    2レーヨン100%織物製ジャケットを家庭洗濯し吊り干ししたら、ポリエステルの裏地が裾からはみ出していた。膨潤収縮
    3ウール製シャツを着てリュックを背負ってハイキングをしていたら、シャツの背中部が汗と擦れで毛羽立ち、フェルト化が生じ、その部分だけ縮んだ。フェルト
    収縮


    1. 緩和収縮
       綿やレーヨンなどのセルロース系生地では、染色加工中の引っ張りによって歪みが生じ、糸や生地組織内部に残留することがあります。この内部歪みが、製品完成後に家庭洗濯など水の作用でリラックスすることにより、除かれて安定した状態に復元する結果、収縮が起こります。これが緩和収縮です。緩和収縮は、もともと伸びやすいセルロース系ニット素材で特に発生しやすいと言えます。
       編機や織機で作られたばたは、染色加工工程で適正な目付(g/m²)や密度(本/インチ)に仕上げることが求められますが、生産工程の何らかのトラブルにより、適正条件より幅出しし過ぎたり、長さ方向に大きく引っ張られて仕上げられると、大きな内部歪みが残留することになります。


    2. 膨潤収縮
       膨潤収縮も、主にセルロース系など親水性織物で発生します。繊維が吸水して膨潤すると繊維の直径が太くなりますが、長さ方向にはほとんど変化しません。このため、特に織物では糸が太くなり長さが変化しないならば、糸の曲がり構造が大きくなり、織物構造が変化して収縮が発生します。これが膨潤収縮です。図1のA-Bが膨潤収縮の大きさに相当します。

      図1 膨潤収縮のメカニズム
      図1 膨潤収縮のメカニズム1)



    3. フェルト収縮
       ウール素材に水分と熱を与えて機械的な摩擦を繰り返すと、図2のウール繊維外観のスケールの特徴もあり、ウール繊維同士が絡まりあって、より緻密な構造に変化することがあります。この現象をフェルト化といい、長さ方向と幅方向ともに収縮が発生します。このフェルト化による収縮は、回復させることは基本的にはできません。冒頭に挙げた表2の事故事例3は、ウール織物シャツの、①汗による湿潤と、②リュック背面との摩擦の複合作用による現象です。

      図2 ウール繊維外観の例
      図2 ウール繊維外観の例2)



    4. 試験方法について
       生地収縮、生地伸び切りなど生地の寸法変化率は、JIS L 1096内の「織物及び編物の寸法変化率試験」で規定され、基本的には図3の計算式で求められます。寸法変化率が+の数値なら「伸び」で、-なら「縮み」を示しています。なお、試験方法の種類と試料サイズの例は、次の(1)各種の寸法変化率試験に示します。

      寸法変化率 = (処理後の寸法) – (処理前の寸法) (処理前の寸法) × 100

      図3 寸法変化率の計算式



      (1)各種の寸法変化率試験
       JIS L 1096の寸法変化率試験は、表3のようにA法~G法が規定され、試験の目的に応じて使い分けられています。A法~D法は、基本的に静かに試験試料を浸漬し、その後平干しして寸法変化率を算出します。E法・F法は、特殊な試験専用撹拌機を利用したシミュレーション試験です。
       G法は、一般のタテ型家庭洗濯機を利用した実用試験と言えます。もちろん衣料品の用途にもよりますが、筆者も現役当時は、D法やG法を品質管理に活用していました。合成繊維が主体のスポーツウエア・作業服などは家庭洗濯の頻度が高く、家庭用洗濯機を使用するG法による品質管理が適していると考えます。なお、一般的なG法の衣料品管理基準では、(織物)±3%以内、(編物) +3~-6%などがあります。試験方法の詳細などは、ニッセンケン品質評価センターにお問い合わせください。

      表3 JIS L 1096で規定される各試験法
      処理の概要試験法備考
      浸漬処理A法常温水浸漬法
      B法沸騰水浸漬法
      C法浸透浸漬法 一般に毛製品に使用
      D法石鹸液浸漬法 一般に綿、化合繊製品に使用
      家庭洗濯や商業クリーニングのランドリー処理E法洗濯堅牢度用洗濯試験機使用(JIS L 0844)
      F法ワッシャー法 F-1(低温) F-2(中温)  F-3(高温)
      G法パルセーター形家庭用電気洗濯機(図4参照)


      図4  試料形状の例 (G法の場合)
      図4  試料形状の例 (G法の場合)



      (2)見掛寸法変化率と正味寸法変化率について
       特に、綿などのニット製品では、洗濯や乾燥時の強い揉み効果で、思わぬ大きな収縮が生じることがあります。これを除くためには、試験片に一定の張力を加えて回復操作することがあります。回復操作をしないで測定した収縮率を見掛けの寸法変化率、回復操作を行なった後に測定した収縮率を正味の寸法変化率と分けて呼んでいます。品質管理上、どちらを採用するかは、基準を運用するアパレルメーカー等の判断となるでしょう。また、洗濯後の乾燥方法を平干しにするか、タンブル乾燥を必要とするかも同様です。

      1. JIS L 1096の寸法変化率試験には多くの試験法があるため、素材メーカーや商社から提出された試験データを読む場合は、必ず試験法や乾燥方法を確認することが大切である。
      2. 品質基準でG法を指定しているのにD法のデータが提出されたり、タンブル乾燥を指定しているのに吊り干しデータが提出されると、寸法変化率の数値が小さくなり、誤った判断につながるので注意すること。


      (3)収縮対策について
       1の冒頭に挙げた品質事故の対策例を表4に示します。

      表4 収縮事故例の対策
      発生の事例対策例
      1綿100%(鹿の子)ニットポロシャツ
      丈方向の縮み(緩和収縮)
      • 染色加工工程での適正管理の徹底とロット管理を実施する
      • 洗濯寸法変化率が過度に大きい生地は採用しない、または改善する
      • パターン設計時に特に丈方向の縮みを考慮する
      • 消費者に対して、洗濯後の乾燥時に丈方向に引っ張って補正するなどの情報を発信する
      2レーヨン100%織物製ジャケット
      裏地の裾からはみ出し(膨潤収縮)
      • 事前に生地の収縮特性を把握し、パターンに反映させる
      • 必要に応じて、スチームアイロンを使用するよう消費者に情報発信する
      3ウール織物シャツ
      リュックとの摩擦による縮み
      (フェルト化)
      • 消費者にウールの素材特性を提供する
      • 場合により、合繊ベストなどの併用を勧める


  2. 伸び切り
     衣料品の伸び切りには、1.自重による伸び、2.ニット組織の伸び切りと3.弾性低下が考えられます。伸び切りの品質事故事例を表5に紹介します(第38回アパレル散歩道「ニット(編み物)」参照のこと)。

    表5 伸び切りの品質事故例
    発生の事例原因
    1ざっくりしたウール100%セーターをハンガーにかけて保管していたら、首回りや丈が伸び切っていた。自重による伸び
    2綿100%スウェットシャツの襟(リブ編)が繰り返しの着用で伸び切った。ニット組織の
    伸び切り
    3綿95%ポリウレタン5%のニット肌着(天竺)で着用を繰り返していたら、全体に巾・丈とも伸びきった。弾性の低下


    1. 自重による伸び切り
       織物がたて糸とよこ糸の絡みで作られるのに対して、ニットはループのつながりによって作られます。このため、ニット生地はタテとヨコ方向ともに伸びやすい性質があります。このことは、身体に密着する衣料品は比較的ニット製が多く、ジャケットなどの外衣は織物製が多いことからもお分かりと思います。
       特に、セーターなどゲージが粗く目付の大きい重衣料では、自重によって丈方向に伸び切って変形することがあります。また、編地をヨコ使いしたニット製品では、さらにより伸びやすく変形しやすくなるでしょう。セーターなどは畳んで平置きして保管することが望まれます。


    2. ニット組織の伸び切り

      (1)ゴム編の特性
       よこ編生地には平編(天竺)、ゴム編(リブ編やフライス編とも言う)、両面編(スムース)などがあります。第38回アパレル散歩道「ニット(編み物)」でも紹介しましたが、ゴム編みはコース目が表目と裏目が交互になり、編地の断面がジグザグのイメージになっているため、特に幅方向によく伸びやすく、肌着、セーター、スウェット、シャツ、手袋などの袖口や首回りなどに幅広く使われています。しかし、よく伸びる分だけ、時として回復性が低下し、幅方向の伸び切りが発生することになります。

      表6 平編とゴム編の構造の比較3)
      平編(天竺編)ゴム編(1×1)
      外観平編(天竺編)ゴム編(1×1)
      表目/裏目
      断面のイメージ
      (よこ方向に伸びやすい)


      図5 ゴム編の用途例
      図5 ゴム編の用途例



      (2)伸び切りの発生要因
       冒頭に挙げた表5の 品質事故例2は、スウェットシャツの首回りのリブ編生地が、繰り返しの着脱や洗濯で伸び切ったものと思われます。では、全てのリブ編生地が伸びやすいのかと言うとそうではなく、比較的伸び切りやすい要因として次のことが考えられます。

      表7 伸び切り発生の要因例
      分類要因
      1編地
      • 糸番手と編みゲージのバランスが悪い
      • 編み密度が粗い
      2設計
      • 首回りや手口まわりのゆとりが少ない
      3取扱い
      • ハンガー掛けなどで過度に伸ばされた(首回り)


      (3)伸び切りの対策
       これまでの説明のように、ゴム編地は伸長性には優れていますが、回復性は完全ではないということになります。回復性を高める手法として、①糸番手と編みゲージのバランス改善②伸縮弾性の大きいポリウレタン糸などの交編が実用化されています。②については、ベアヤーン(裸のポリウレタン糸)、カバードヤーン、コアスパンヤーン、合繊加工糸などを交編することにより、回復性が向上します。

      本体
      首回り
      綿100%
      綿90%
      ポリウレタン10%

      図6 ポリウレタンを交編したゴム編衣料の品質表示の例



    3. 弾性低下
       最近のアパレル製品では、タイトシルエット化が進み、ポリウレタン糸を混用したストレッチ素材の採用が進んでいます。もちろん、シルエットや外観だけでなく、活動しやすいなど運動機能性の向上に大きく寄与していることは間違いありません。

      (1)ポリウレタン糸の特性
       一方、ポリウレタン繊維は第11回アパレル散歩道「技術限界の事例」でも述べましたが、多くの合成繊維の中でも特殊な存在です。糸自身約6倍も伸びる伸張性が最大の長所ですが、弱点も多く、
      1. 引張り強度が弱い
      2. 紫外線、高温多湿、酸化窒素ガス、塩素、汗の影響、繰り返し引張りなどで劣化しやすい
      3. 熱に弱く劣化しやすい
      ことなどが知られています。長所と短所がともに顕著で、ある意味「なま物感覚」の繊維とも言われています。
       冒頭の表5の伸び切りの品質事故例3は、長期間の使用でポリウレタン繊維が各種の環境要因によって加水分解して、弾性が低下し伸び切ったものと推定されます。

      (2)弾性低下の対策
       ポリウレタン糸には、前述のように紫外線、高温多湿、酸化窒素ガス、塩素などによって脆化しやすいなど、程度の差はあれ基本的に避けられない技術的な限界があります。対策には、表8が考えられます。

      表8 弾性低下の対策
      分類対策
      糸種やタイプ
      • 加水分解による劣化が生じにくいタイプのポリウレタンを検討する
      • 水着用途などでは、耐塩素性ポリウレタンがある
      • ポリウレタン糸を使用しないPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)高捲縮糸なども検討する
      消費者への
      情報提供
      • 消費者がポリウレタンの特性を理解し、最大限、長期間快適に使用できるように、取扱いに関する情報を見やすく製品に表示したり、店頭POPやSNSなどで情報提供する
      • 具体的には、「濡れたまま長時間放置しない」、「タンブル乾燥はしない」、「陰干しをする」、「車のトランクなど高温になる場所に放置しない」、「アイロン掛けは避ける」などがある


      (3)評価方法
       一般に、弾性低下の評価試験として、表9などがあります。2や3の劣化促進試験を実施し、その試料で1の伸長弾性率試験を実施することで、弾性率の変化率を評価し検討します。

      表9 弾性低下の評価試験
      分類試験法
      1伸長弾性率試験
      • JIS L 1096「織物及び編物の生地試験方法」B-1法(定荷重法)で、伸長弾性率を評価する
      2高温多湿促進試験
      • ジャングル試験(劣化促進試験、70℃×95%RH×一定時間)
      • 汗ジャングル試験(人工汗液を使用した劣化促進試験)などがある
      3塩素による促進試験
      (水着など)
      • ポリウレタン混用水着では、JIS L 0884「塩素処理水に対する染色堅ろう度試験方法」B法(20ppm)、C法(50ppm)を準用して、試料を一定の条件で前処理し、引張り試験などが行われる


  3. 斜行
     斜行とは、綿ニットシャツなどで洗濯後に外観がねじれる現象で、着用上はもちろん、洗濯後にたたんだ時も大いに気になる現象です。

    表10 斜行の品質事故事例
    発生の事例斜行の原因
    1綿100%のTシャツを初めて洗濯したら、脇目が大きく曲がっていた
    • 繊維の種類
    • 糸使い
    • 染色仕上げ加工
    • 裁断
    2綿100%の裏毛パイルのスウェットパンツを初めて洗濯したら、左足、右足ともに同一方向に大きく曲がっていた
    図7 綿ニットシャツの脇部斜行の例
    図7 綿ニットシャツの脇部斜行の例


    1. 斜行の要因
       衣料品の斜行の要因には、繊維の種類、糸種、編み組織、染色仕上げ加工、縫製準備工程などが関係します。

      表11 斜行発生の要素
      要因説明
      1繊維の種類綿などの親水性繊維を使用したニット製品は、洗濯や雨で水に濡れるともともと内在していた歪みが緩み、斜行や縮みの要因となる
      2糸種単糸は、撚り戻りのトルクにより編地がねじれることがある。Z撚りとS撚りを合糸した双糸は、撚り戻りの方向が相殺され、ねじれるリスクは低くなる
      3編み組織リブ編みはコースが表目-裏目-表目-裏目・・・と並んでいるのでループの歪みが相殺されるのに対して、平編(天竺)はコースが表目-表目-表目-表目・・・と並んでいるためループの歪みが相殺されずに斜行が顕在化しやすくなる
      4染色仕上げ加工染色仕上げ時に、無理に編地の地の目(たて目)を通す修正をすることによって、裁断縫製後にねじれが発生することがある
      5裁断縫製準備工程で、正確に裁断ができず、パーツが変形していた可能性がある


      1. ねじれが発生しやすい商品とは
        綿素材、②単糸使い、③平編(天竺)であることが大きな要因である。さらに、④染色仕上げ工程でコース目を修正したり、⑤裁断ミスなどが重なると、よりねじれが発生しやすくなる。


    2. 斜行の評価方法
       ニット製品の斜行度は、図8の計算式で求められます。
       該当する衣料品の商品企画では、事前に製品による実用洗濯試験を実施し、斜行の程度を確認することが大切です。一般的な衣料品の斜行の品質基準は、5%以内とされています。5%を上回っている場合は、表11の斜行発生要素に立ち戻って、適切な対策を取ってください。
      図8 斜行の計算式
      斜行度(%)=
      (BCの長さ/ABの長さ)×100

      図8 斜行の計算式4)



  4. カーリング
     カーリングは、ジャケット裾部、ポケットフラップ部などが、着用や洗濯によってねじれたりカールする現象です。衣料品のカーリングの要因には、素材特性、接着芯地との相性、裁断不良などがあります。

    表12 カーリング発生の要因
    要因説明
    1素材特性熱セット性の低い綿、麻、毛など天然繊維系、強撚糸使いの織物製品で、カーリングは発生しやすい
    2接着芯地の相性生地と接着芯地の収縮差によってカーリングが発生する
    3裁断不良裁断不良によるパーツの変形によりカーリングが発生する


    図9 綿織物ジャケットの前身端ポケットフラップのカーリングの例
    図9 綿織物ジャケットの前身端
    ポケットフラップのカーリングの例



    1. カーリングの対策
       カーリングについては特殊な専用の試験機はありません。実用的には、事前の洗濯試験などでカーリング現象の有無を確認することが大切です。洗濯試験でカーリング現象が確認された場合は、要因を絞り込み、表13に示す対策を検討することをおすすめします。

      表13 カーリングの対策
      要因説明
      1素材特性
      • 熱セット性の低い天然繊維系の強撚糸使いの織物製品では、事前に製品サンプルなどで洗濯試験などを実施し、外観のカーリングなどの有無を確認する。その上で、材料変更などを検討のこと
      • 素材に樹脂加工することでカーリングは改善する可能性はあるが、風合いは変化するので注意のこと
      2接着芯地の相性
      • 生地と接着芯地の熱収縮や洗濯収縮の実力を個別に把握する
      • 収縮差の大きい組み合わせは要注意であり、場合により、接着芯地のタイプを変更する
      3裁断不良
      • 縫製現場に適切な裁断を徹底させる。またその確認ルールを構築する


(参考資料)
1)「改訂被服材料学」:北田總雄 コロナ社 p228
2)「アパレルの素材と製品」:文化服装学院・編 文化出版局 p17引用
3)「繊維製品の基礎知識(第一部)」: 日本衣料管理協会 p68 図3-22 引用と加筆
4)「繊維製品の苦情処理技術ガイド(損傷、形態変化、外観変化、機能性低下等)」:日本衣料管理協会 p116

(次回のアパレル散歩道 / 3月1日発行)

次回は、「ケーススタディ ⑥風合い変化」を取り上げます。

コラム : アパレル散歩道50
~品質事故を分析して原因と対策を考えよう~
テーマ : ケーススタディ⑥ ~風合い変化~


発行元:一般財団法人ニッセンケン品質評価センター 事業推進室 マーケティンググループ
E-mail: pr-contact@nissenken.or.jp     URL:https://nissenken.or.jp

※当コラムの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Profile : 清嶋 展弘 (きよしま のぶひろ)

清嶋 展弘 (きよしま のぶひろ)

43年間株式会社デサントに勤務し、各種スポーツウェアの企画開発、機能性評価、品質基準作成、品質管理などを担当。退職後は、技術士(繊維)事務所を開業。趣味は27年間続けているマラソンで、これまで296回の大会に参加。



社外経歴
(一社)日本繊維技術士センター理事 技術士(繊維)
(一社)日本衣料管理協会理事 TES会西日本支部幹事
大学非常勤講師
(一社)日本繊維製品消費科学会 元副会長

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