2023/05/01
第52回 : ケーススタディ⑧色の変化~変退色その2~
アパレル散歩道
2024/04/01
2024.4.1
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単語 | 説明 |
---|---|
寸法安定性 (dimensional stability) | 着用や洗濯で形崩れや寸法変化が少ない性質 |
寸法変化率 (dimensional change ratio) | 家庭洗濯やドライクリーニング、プレスなどで生じる縮みや伸びを百分率(%)で示したもの |
寸法安定加工 (dimensional stability finish) | 寸法安定性を実現するための染色仕上げ時の加工 |
項目 | 計算式 | 備考 |
---|---|---|
収縮率 | 収縮率 =(処理前の寸法-処理後の寸法) / 処理前の寸法 ×100 | マイナスは伸び、 プラスは縮みを示す |
寸法変化率 | 寸法変化率 =(処理後の寸法-処理前の寸法) / 処理前の寸法 ×100 | マイナスは縮み、 プラスは伸びを示す |
織物の例 | ニットの例 | |
---|---|---|
寸法変化率 (%) | タンブル乾燥 ±3%以内 | タンブル乾燥 -6~0% |
吊干し ±2%以内 | 吊干し -4~2% |
図1 膨潤収縮のメカニズム1)
図2 ウール繊維の外観
事例 | 製品 | 事故例 | 要因 |
---|---|---|---|
1 | 毛織物 シャツ | 汗によって湿潤したシャツとリュック背面との摩擦の複合作用によって、背中部がフェルト収縮した | 着用時のリュックとの擦れ |
2 | ウール セータ | 家庭洗濯で丸洗いしたら、全体がフェルト収縮した 中性洗剤も使用しなかった | 洗濯方法、洗剤液性 |
3 | ウール 背広 | クリーニング店でドライクリーニングされたが、溶剤の水分管理の要因で、水分が多かったため、フェルト収縮した | クリーニング条件 |
分類 | 対象となる繊維 | a.潜在要因 | b.付加要因 | 防止策例 |
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緩和収縮 | 天然繊維 (綿・麻・ウールなど) | 糸や生地の内部の応力緩和 |
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合成繊維 (ナイロン・ポリエステルなど) |
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膨潤収縮 | 綿・麻 | 吸水による膨潤 |
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フェルト収縮 | ウール | 繊維表面のスケールによる摩擦や揉み |
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繊維の種類 | 軟化点 | 融点 |
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ナイロン6 | 180℃ | 215~220℃ |
ポリエステル | 238~240℃ | 255~260℃ |
綿 | なし | なし |
JIS L 0001 番号 | 500 | 510 | 520 | 530 |
記号 | ||||
意味 | アイロン仕上げはできない | 110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる | 150℃を限度としてアイロン仕上げができる | 200℃を限度としてアイロン仕上げができる |
図3 家庭用アイロンの一例
(スチームのON/OFFが切り替えられる)
分類 | 方法 | 試験名 | 備考 |
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浸漬処理 | A法 | 常温水浸せき法 | 25℃±2℃の水/30分浸漬 |
B法 | 沸騰水浸せき法 | 沸騰水/30分浸漬 | |
C法 | 浸透浸せき法 | 25℃±2℃の非イオン系界面活性剤/30分浸漬 | |
D法 | 石けん液浸せき法 | 50℃±2℃の石けん液/20分浸漬 | |
家庭洗濯やクリーニングのランドリー処理 | E法 | 洗濯試験機法 | 50℃±2℃の石けん液 |
F法 | ワッシャ法 | シリンダー形洗濯機 石けん液 F-1(低温法) 40℃⇒すすぎ40℃ F-2(中温法) 60℃⇒すすぎ40℃ F-3(高温法) 100℃⇒すすぎ60℃ | |
G法 | 家庭電気洗濯機法 | パルセーター形家庭用電気洗濯機 |
乾燥方法 | 概要 | |
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ライン乾燥 (吊干し) | ライン乾燥 | 脱水後に吊干し |
ドリップ・ライン乾燥 | 脱水せずに吊干し | |
スクリーン 乾燥(平干し) | スクリーン乾燥 | 脱水後に平干し |
ドリップスクリーン乾燥 | 脱水せずに平干し | |
タンブル乾燥 | 低温タンブル乾燥 | 60℃を超えない温度で乾燥 |
高温タンブル乾燥 | 80℃を超えない温度で乾燥 |
図4 プレス機の例
分類 | 方法 | 試験名 | 試験の種類 | 備考 |
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熱処理 | H法 | プレス法 | H-1法(乾熱加圧法) | 20秒間乾熱プレス⇒20秒間吸引 |
H-2法(蒸熱オープン法) | 15秒間蒸気ふかし⇒15秒間吸引 | |||
H-3法(蓄熱加圧法) | 20秒間蒸気ふかし⇒H-1法通りの圧力で20秒間プレス⇒20秒間吸引 | |||
H-4法(蒸熱ロック法) | H-1通りの圧力で20秒間蒸気をふかしながらプレス、20秒間吸引 |
分類 | 方法 | 試験名 | 備考 |
---|---|---|---|
ドライクリーニング (溶剤)処理 | J法 | ドライクリーニング法 | J-1法(パークロロエチレン法) J-2法(石油系法) |
著者Profile : 清嶋 展弘 (きよしま のぶひろ)
43年間株式会社デサントに勤務し、各種スポーツウェアの企画開発、機能性評価、品質基準作成、品質管理などを担当。退職後は、技術士(繊維)事務所を開業。
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