2013/11/30
No. 5 「E/CとT/Cは何が違うのでしょう…」
思いつきラボ
2019/12/30
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2019年12月30日時点の内容です。
時の経つのははやいもので・・・と毎年同じことを言ってますが 思いつきラボも2019年最後の原稿となります。そして こちらもここ数年同じことを言ってますが・・・今年も災害の多い年になりました。平成から令和に時代が移れども自然環境はますます異常な方向に向かっているようです。もちろん自然災害がなくなるわけではないのですが 災害への対応の意識をいつも持ち合わせておかなくてはならなくなってきました。2019年の災害を今一度整理しておきたいと思います。
2019年 1月 3日 熊本県熊本地方 震度 6弱
2019年 1月26日 熊本県熊本地方 震度 5弱
2019年 2月21日 北海道胆振地方中東部 震度 6弱
2019年 5月10日 宮崎県日向灘 震度 5弱
2019年 5月25日 千葉県北東部 震度 5弱
2019年 6月18日 山形県沖 震度 6強
2019年 8月 4日 福島県沖 震度 5弱
2019年12月12日 北海道宗谷地方北部 震度 5弱
2019年12月26日 青森県東方沖 震度 5弱
地震災害がかすむほど今年は台風や大雨が大きな被害をもたらしました。5月13日の沖縄 与那国島で午前中に 3回も「記録的短時間大雨情報」が発令されたのです。 1時間に 100ミリ前後の猛烈な雨が観測された場合に気象台から発表される情報で 午前中だけで 3回というのはほぼ継続的に降りつづけてるということになります。筆者の記憶でも衝撃的なニュースとなりました。同じ地域で大量の雨が増えています。集中豪雨やゲリラ豪雨はよく耳にしますが 長時間継続型ということになります。被害が大きくなったのは 8月26日からの前線に伴う大雨で“令和元年九州豪雨”と名称がついた大雨となりました。
さらに被害が大きかったのが 10月25日からの低気圧の影響による大雨で千葉県 茨城県 福島県中心の東日本太平洋側に被害をもたらしました。その数日前の 12日から13日にかけての台風 19号も大きな災害となり地盤がゆるんでた影響もあり 河川の決壊 氾濫が広い範囲で起こってしまいました。雨量もさることながら大雨の地域が広範囲にわたったことが特徴となった災害でした。さきほど集中豪雨やゲリラ豪雨という表現をしましたが いままでには想像もできなかった広い範囲での大雨災害ということになりました。
台風 19号と25日からの前線による大雨の被害状況が 12月12日に消防庁災害対策本部から報告が発表されてましたが それによると
人的被害 死者・行方不明者 102
負傷者(重傷・軽傷) 484
住家被害 全壊 3,081
半壊 24,998
一部損壊 26,284
床上浸水 12,817
床下浸水 24,474
その他非住家被害 9,016
という数字になっています。やはり異常な数字なので紹介しておきます。
台風災害では台風15号も大きな被害をもたらせました。こちらは典型的な風台風で ゴルフ練習場の鉄塔や電信柱が風圧で倒れて近隣の家屋を押しつぶしたり こちらもあまり見ることのない被害光景になりました。千葉県で風速57.5m/sを記録しました。電信柱の耐風圧の風速基準は風速40.0m/s なのでこちらも想像できなかった災害となりました。風速が40m/s のアナウンスがあったときは電柱や鉄塔の倒壊も意識しなければならないということを知らしめた災害になりました。
もうひとつ被害の大きかった台風が 台風 10号で“超大型台風”として日本に接近してきたということも記憶にとどめておく必要があります。台風 15号も 19号も“大型台風”で“超大型台風”ではないのでこの規模のものがそのまま上陸すると考えたら・・・考えたくもない被害を及ぼすことになります。気象予報で“超大型台風”も非常に危険なキーワードになります。
地震 台風 大雨だけでもこれだけの災害があったのですが 地球温暖化の影響と思われる現象が 5月に記録された北海道 佐呂間町(さろまちょう)の気温 39.5℃という数字です。この数字は気象観測史上で全国での5月の最高記録となりました。5月26日 サロマ湖のある気温の低いとされている北海道が記録保持地域になったとは・・・筆者にとっても想像できない気象現象のつづいた年になりました。災害は毎年起こりますが 対応可能な範囲に収まってほしいと願うしかありません。災害は記憶にとどめ 災害対応のイメージ訓練も必要に感じます。
2019年もこの思いつきラボにお付き合いいただきましてありがとうございます。2020年は異常気象があっても災害の少ない年であることを願っております。みなさまも良い年をお迎えください。
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防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
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