2016/03/30
No. 61 「プラスチック製品についている “SPIコード”って…」
思いつきラボ
2019/02/28
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2019年2月28日時点の内容です。
思いつきラボでまた地震災害を取りあげることになりました。
筆者が防災・安全評価グループに所属していることもあり、大きな地震についてはこのコラムでも掲載しておこうという考えからなのですが、2018年6月に大阪北部地震で震度 6弱が発生し、2018年 9月にはあの震度 7を記録した北海道胆振(いぶり)大地震がありました。そしてまた 2019年 2月21日に北海道胆振地方中東部で震度6弱の地震が発生してしまいました。
地震が起きるとその後の解説で「本震と同等の余震が発生するおそれがありますので充分な注意をしてください。」というアナウンスを耳にしますが・・・今回はその規模の余震となってしまいました。
大地震の後では震源地の近くで引き続いて地震が発生します。本震よりも小さいものを余震と呼ぶのですが、今回のように震度 7の後の余震なので、本震よりも確かに小さい規模の地震ですが、震度 6弱は大きな被害になる可能性をもった強い地震なのです。地震の規模を表すマグニチュードはM 5.8で、震源の深さは33kmと発表されていました。
とくに大きな規模という数字ではないのですが、震源地が浅めだったのと地盤が弱くなっていたのか揺れは大きなものになってしまいました。東日本大地震も熊本大地震もまだ余震は発生しています。規模はだんだん小さくなってはいきますが 今回のこともありますので引き続き注意は必要ということです。崖くずれや建造物への被害は報告されていますが、人的被害がなかったのは本当によかったです。
地震の 5日後の 2月26日に、政府の地震調査委員会が東北から関東の日本海溝沿いの海域で今後 30年間にマグニチュード M 7 ~ M 8の大地震が発生する可能性についての予測を発表したのです・・・北海道の余震のあとでタイミングとして良かったのか悪かったのか・・・どちらにせよ意識が高まっている時なので注目度は高かったと思います。この発表は2011年 3月11日に起きた東日本大震災のあと、2011年11月に東北から関東地方沖の大地震の発生確率を出しているのですが、その後の調査を加えて発生確率の値を再改定して発表したものなのです。
地震調査委員会は今回の予測の公表に際して「東北地方の太平洋側の皆さんは(巨大地震が あったので)しばらく地震がないと思わず再び強い揺れや高い津波が来るということを充分考慮して、大きな被害が出ないようにしていただきたい」と警戒を呼び掛けています。北海道の余震がいい例になっています。
内容を確認しておきますと、東日本大震災と同じ場所を震源とする マグニチュード 9 程度の巨大地震が発生する確率は「ほぼ 0 %」で宮城沖で起きる、マグニチュード 7.9程度の大地震については前回発表の「ほぼ 0 %」から「 20 % 程度」に、福島県沖のマグニチュード 7.0 ~ 7.5 程度の地震は「 10 % 程度」から「 50 % 程度」になったと予測していました。
今回 ニュースで注目していたのが マグニチュード 7.0 ~ 7.5 の規模で青森県東方沖及び岩手県沖北部と宮城県沖では「 90 % 以上」という確率が提示されたことにあります。地震調査委員会では 地震発生確率値が
26 % 以上 ・・・ 地震が起きる可能性が“高い”
3% ~ 26 % 未満 ・・・ 地震が起きる可能性が“やや高い”
評価できない場合 ・・・ “不明”
と分類しているので、かなりの確率で高いということになります。マグニチュードM 9程度の巨大地震は起こらないけれど、M 7 ~ M 8 程度の大地震はかなりの確率で起こりますよということです。規模はともかく大きな地震はくるという意識はもって、いまは備えることしかできませんので、地震があった時のシミュレーションはしておいてくださいということです。
今回の発表で地震の評価対象領域の名称も変更になっていました。関係者以外あまり気にならなかったかもしれませんが
いままでの呼び名 あらたな呼び名 三陸沖北部 ⇒ 青森県東方沖及び岩手県沖北部 三陸沖中部 ⇒ 岩手県沖南部 宮城県沖及び三陸沖南部海溝寄り ⇒ 宮城県沖 福島県沖 ⇒ 福島県沖 茨城県沖 ⇒ 茨城県沖 房総沖 ⇒ 房総沖 |
となりました。
過去の地震名が変更になることはありませんが、過去に起こった地震名ではたびたび出てくる“三陸沖”という呼称はこれからの震災報道では使われなくなります。県名がそのまま使われているの判りやすくなったと思います。
思いつきラボで大きな地震発生の原稿が多くならないことを願います。
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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp
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