2014/12/30
No. 31 「ISO 20471 高視認性衣服の試験が全て可能に…」
思いつきラボ
2015/09/15
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2015年9月15日時点の内容です。
9月防災月間という意識が高まっている中で、9月10日から11日にかけて襲った台風18号による記録的大雨が鬼怒川堤防・渋井川堤防決壊を引き起こし、大洪水による大きな被害が出てしまいました。12日には東京湾を震源地とする震度5弱の地震が関東で発生し、14日には熊本県 阿蘇山が噴煙2,000mに達する噴火によって警戒レベル3(入山規制)に引き上げられました。
自然災害が立て続けに起きてしまってしまいましたが、避難指示発令の難しさが浮き彫りになりました。
と言いながらも“勧告 指示” のタイミングや基準については災害が起きると必ずといっていいほど発令の不適正さが指摘を受けます。発令時が適正であったとしても、伝達方法や伝達にかかる時間の見込み違いなどが結果的に不適切となることが多いためで、ましてや観測開始以来はじめてのことや50年に1度の規模の災害と言われても、これほどの経験をした者などほぼいないので、適正を見極めることはまず困難なことになります。
平成 17年 3月 に「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」という指標が内閣府から示されて、これを基に各自治体に見合うガイドラインが作られています。
中身までは紹介できませんので目次だけ記しますと
避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン 目次
とあるように、勧告指示の発令に関しては、場所も判断基準も伝達方法も記載されてはいます。ただ判断基準はあっても判断するのは自治体の責任者となりますので、ある意味個人判断となります。さらに、伝達時間のズレによる判断も考えると適正な指示が出せるほうが不思議なことになります。ということなので、自治体の判断を待ちながらも、最終的には自己判断が必要であるということも意識しておかなければなりません。
ちょっと不謹慎な言い方になりますが、災害に関する情報は平穏なときには頭に入りにくいことなのですが、大きな災害に接すると急に関心度が高まります。
ということで、この機会に避難勧告等の情報を1度整理しておきたいと思います。避難勧告等発令に関しても内閣府が指針をだしていて、現在は三類型として 次のような区分になっています。
注釈として
自然現象のため不測の事態等も想定されることから、避難行動は計画された避難場所等に避難することが必ずしも適切ではなく、事態の切迫した状況等に応じて、自宅や隣接建物の 2階等に避難することもある。
となっています。
注釈まで読めば自己判断も必要ですよという文章になっています。自治体の指示だけ待っていてもダメですよということなのですが、かといって自治体の避難指示に対して行動をとらないことも問題になっています。
過去、避難指示がでても対象者が100人以上の場合は実際の避難率は 20%以下がほとんどで、対象者1,000人以上になると10%以下も珍しくありません。
“避難指示伝達を聞いていない”・“緊急放送が聞こえない”・“音は聞こえても内容が聞き取れない”などが理由ではあるのですがほとんどが、“ここは大丈夫”という過信からきています。
いままで起こってないことに対する人間の本能的判断ということになるようです。
今回の思いつきラボはいつもと違うちょっと堅苦しい内容になってしまいましたが、防災月間ということで、身近に起きた災害ですのでこんな情報も知っておいていただきたいと思います。
まだしばらくは台風シーズンです。集中豪雨・暴風・落雷にもご注意ください。それにしても 50年に1度の災害が多すぎます・・・。
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防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
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