赤木 教義・田部井 康視
ニッセンケンの第一線で活躍する先輩社員たちが、仕事にかける情熱ややりがいについて、現場の声で語ります。
同期として海外を舞台に切磋琢磨
田部井 康視(写真左)・赤木 教義(写真右)
赤木:無錫事業所 1995年入社
田部井:上海事業所 1995年入社
ニッセンケンに入社したきっかけは?
赤木:高校で繊維関係の学科に所属していたので、自然と就職先も繊維関係の企業に目が向きました。父親が繊維系商社に勤めていたことも影響していたかもしれません。当時は超がつくほどの就職氷河期時代だったので、ニッセンケン(当時は財団法人日本染色検査協会)に入社できてよかったです。
田部井:僕も高校で繊維を専攻していたので、その知識を活かした職業につきたいと思っていました。代々先輩方もニッセンケンに就職しており、当時面接官を務めた方もOBだったので、安心感がありました。あとは都会への憧れですね(笑)兄弟たちは全員実家を出ていましたが、両親も大いに賛成してくれました。
入社後はどんな経験を?
赤木:東京事業所(当時は東京検査所)の検査課に配属され、検反業務を担当しました。海外から輸入された生地を国内の縫製工場などに出荷する前に、検反機を使って外観(織キズや汚れ)や色のチェックをして、検査した内容を証明書に記載していきます。その後、納入先の基準に基づいて合否判定を行い、依頼者に報告していました。女性の先輩が多く、恐る恐る質問しては情報を同期と共有していました。
田部井:大阪事業所(当時は大阪検査所)で検反業務を担当しました。こちらは父親世代の方が多くて親子で仕事をしているような気分でした。3年目に東京検査所へ異動した後も検反業務を担当しましたが、担当するお客様や勤務場所の違いから赤木君とは納涼会や忘年会などで顔を合わせるくらいしか面識はなかったです。実は赤木君の送別会をしたことがあるんですよ。
異動がターニングポイントに
赤木:25歳のとき、検反だけではなくて他の仕事も経験したいと思って退職するつもりだったんです。送別会まで開いてもらったのですが、当時の理事長に引き留められて…結局退職を取り消しました。それから試験課に異動となり、試験だけではなく試料準備や受付、判定業務に携わりました。会社に残る決断をしたことがターニングポイントでしたね。試験業務に携わる中で今でも記憶に残っているのは、某ジーンズメーカーの認定取得のために香港に研修に行ったことです。同じ試験でも他社ではどんなやり方や工夫をしているのかを目にして、視野が広がりました。もちろん社内でもジョブローテーションで様々な業務を経験しますが、仕事の横のつながりが見えてくるので、後々に役立ちます。自分の前後にどんな業務があるのかが分かれば、ミスを防ぐこともできますし。
田部井:送別会で先輩が寂しがって泣いているのに「辞めるのをやめます」って言ったときはびっくりしたよ(笑)。
僕のターニングポイントは、開発課に異動になって営業に携わるようになったことです。それまでは社内のコミュニケーションがほとんどでしたが、お客様対応がメインとなり、最初は緊張とストレスで苦労しました。担当していたのは大手町から両国にかけてのエリアで、毎日10件ほど自転車でまわっていました。商社からメーカーまでお客様は様々でしたが、上海に異動してからも連絡をいただいたりします。プレッシャーはありましたが、自分の努力次第で結果が出ますし、お客様から感謝された時の達成感は何とも言えません。上司の方針は「お客様をより深く知ることで自分たちに何ができるかを考える」というもので、甘えさせてくれませんでしたが、このときの経験は自分を大きく成長させてくれたと思っています。
ともに海外事業所へ赴任
赤木:田部井君が営業にまい進する一方、僕は一足早く海外へ転勤になりました。2013年から4年間、煙台事業所に勤務しましたが、最初は言葉の壁に苦労しました。帰国して2年半後、2019年に2度目の海外赴任が決まり、新たに設立された無錫事業所に所長として着任しました。
田部井:僕の海外転勤は遅い方ですね。17年も開発課にいて、赤木君をはじめ海外赴任経験者は多かったので、上海事業所・所長の辞令が出た時も「とうとう来たか」という気持ちでした。繊維業界にいる以上、中国なしには考えられないほど重要な国なので、もともと興味は持っていました。東京事業所内の中国人スタッフに簡単な会話を教えてもらうなど準備をし、日本での20年のキャリアを引っ提げて、満を持して中国に乗りこみました。でも最初はそれがほとんど通用せず、ショックを受けました。今振り返ると「自分のキャリア」というものが慢心を生んでいたのだと思います。現地スタッフと共に、上海事業所の一員として一緒に盛り上げようと初心にかえりました。
事業所の立ち上げ、移転
事業所でお客様と商談(田部井)
赤木:無錫事業所はニッセンケンの在中国事業所の中では最も広いラボを有しているのですが、着任当時はまだフロアの工事が真っ最中の状態でした。東京から中国人スタッフに応援に来てもらっていましたが、工事の進捗確認のほか、試験機材の注文、スタッフの採用など毎日忙しかったですね。当然のことですが、責任者は僕一人です。「これはどうしますか?」「あれはどうしますか?」と次々に聞かれる質問に判断を下さなければならず、プレッシャーも感じました。採用したスタッフたちは、日本語の勉強に励むとともに実務にも一生懸命取り組んでくれています。退勤時間になると一瞬で帰るところは見習いたいなと思っています(笑)
田部井:僕が着任したとき、上海事業所は移転の直前で、朝から晩まで荷物をまとめたりしていました。今となっては笑い話ですが、業務用エレベーターが人用のものより小さく、試験機を外でいったん解体してから運び入れ、ラボ内で再度組み立てました。あの時は「いつ終わるんだろう…」と気が遠くなりましたね。移転の手続きがお終わってからは営業活動にいそしむ日々が始まりました。1年ほど経って、不完全燃焼というか、気持ちだけが焦るような時期を乗り越えて、やっと自分の中でサイクルとして落ち着いてきたな、と感じています。日系企業の駐在の方々と食事に行くこともありますが、情報交換や人脈作りなどコミュニケーションの場としてとても重要です。お話をしながら気づきがあることもありますし、どこで芽が出てくるかわからないので喜んで参加しています。
ご家族の反応
赤木:最初の赴任のときは、子どもがまだ小さかったこともあり、泣いていましたね。2回目は「行ってらっしゃい」とあっさりしていました。奥さんはまさか2回目の赴任がこんなに早く来るとは思っていなかったようで、驚いていました。
田部井:17年間同じ部署(開発課)にいたので、奥さんは「とうとう来たか」という反応でした。日本にいたときも子どもたちが起きる前に家を出て、寝た後に帰宅していたので、あまり寂しがらないかなと思っていましたが、「日曜日に帰ってくるよね?」と聞いてきたので、返す言葉がなかったです。中国の連休のときに帰国して数日一緒に過ごしたときは、見送りに来た成田空港で下の子が大泣きして、上の子は我慢していて…寂しい思いをさせているんだろうなと思いました。
海外のビジネスにおいて大切なことは?
無錫事業所のスタッフの皆さんと(赤木)
田部井:スタッフに対して心掛けているのは、上から目線にならないことです。人それぞれ得意不得意な分野がありますが、適材適所で一人ひとりが役割を果たし、全員で一つの事を成し遂げる。こちらでは中国の企業様からオーダーをいただくので、意図を汲み取るのに苦労することもあり、日本人だけでは何もできません。もちろんこちらの現地スタッフだけでも難しい。お互いフェアであるという意識をもって全員で取り組むことが大事だと思います。
赤木:僕も同意見です。2回中国に赴任していますが、バックグラウンドの異なるスタッフが力を合わせることで、事業所・会社としての一体感が出ると思います。
日々の仕事の中で心がけていること、大切にしていることは?
上海事業所のスタッフの皆さんと(田部井)
赤木:ニッセンケンの仕事では、お客様から依頼をいただいた試験の正しい結果を納期通りに報告できるように段取りをすることが大切です。とくに試料準備に携わっていたときは、その後に控えている試験担当者からのプレッシャーも相当感じていました。また、流れ作業になってしまいがちなところを、サービスの質を落とさずにどれだけ効率よく進められるかも重要です。朝は早めに出勤して、すぐに仕事に取りかかれるようにしています。ちょっと余談になりますが、高校3年間は皆勤賞、無遅刻無欠席だったんですよ。
田部井:皆勤賞はなかなかできるものじゃないけど、確かに時間は大切だよね。僕の場合は開発課の課長になった頃から、目の前の仕事だけにとらわれず、常に先のことを考えてプランを立てるようにしています。プレイングマネージャーが陥りがちなことですが、僕も「自分でやった方が早い」と思ってしまったり、早く問題を解決したくて部下に答えを出してしまったりしていました。でも、若いスタッフの成長を考えると、もっと物事を任せることで頭を使うように誘導しないといけません。今は、部長・チーフクラスのスタッフに大まかな考えを伝えた後は彼らにその他のスタッフの考えをまとめてもらい、課題に取り組んでいます。「まだかな?」と聞きたくなる気持ちをおさえて、待つことを学んでいます。それが結果的に組織力の強化につながっていくと思います。
今後の目標は?
赤木:無錫事業所が開所してからまだ1年経っていません。当面は、スタッフの試験業務の教育と営業活動による依頼受注件数の増加に力を入れていきます。現在10名程の中国人スタッフがおりまして、中には品質試験の実務経験者もいます。スタッフ同士で教えあうこともあり、良好なコミュニケーションを保っています。ここは2200㎡とニッセンケンの中でも随一の広さを誇るラボなので、今後は中国内販向けの試験のほか、他の事業所にはない試験も始めたいと思っています。受付スタッフが顧客との関係強化の要になっていることもあり、こちらのスタッフの力をいかに伸ばしていくかがカギですね。
田部井:どの業界も大差は無いと思いますが、今は昔と違って日本の市場は依然として厳しく、そして将来を見据えても残念ながら期待は難しいと思います。しかし世界に目を向ければ話は違います。まだ上海へ赴任して一年あまりですが、日系企業が中国向けビジネスに取り組む場面や、街を歩けば洋服、食品、車など日本企業を見ない日はありません。多くの日系企業が世界での活躍を実際に目の当たりにして、すごく刺激を受けました。ニッセンケンもそういう世界で渡り合える企業にして行きたいです。ただ、その目的はニッセンケンの全職員が安心して暮らして行けるハッピーな会社にすることです。
仕事上のマストアイテムは?
マストアイテム
赤木「お弁当を毎日自分で作っています」
田部井「営業担当らしく、携帯電話・ペン・ノートです」
赤木:あまりモノに対してこだわりを持つ方ではないのですが、お弁当は毎日自分で作るようにしています。前回の赴任時は、日本から持ってきたインスタントラーメンと外食でほとんど過ごしていましたが、今回は基本的に自炊なんです。見た目もおいしそうにして、栄養バランスも考えて作っています。レシピサイトもよくチェックしています。
田部井:すごいなぁ。僕は中華料理、それも辛い物を食べる機会が増えました。火鍋とかザリガニ料理とか…近くの公園を走ったりして気をつけているけど、その後のビールがたまらない。マストアイテムは営業担当らしく、携帯電話・ペン・ノートですね。こちらでは買い物をするにも、同僚やお客様とのコミュニケーションにも携帯電話のアプリが欠かせませんし、出退勤管理などもアプリで行っています。ペンケースは壮行会で餞別としていただいたものです。小さいので、最初は「小さくて何も入らん!」と思ったのですが、スマートに見えて周囲から好評です。ノートは上海事業所の総経理からいただきました。モンブラン社のもので、持っているだけでもサマになります(笑)。
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