2020/01/15
No. 152 「1 円玉の年間製造量が50万枚くらいになっている …」
思いつきラボ
2019/05/15
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2019年5月15日時点の内容です。
令和元年となって最初の思いつきラボとなりますが、大雨災害の話になります。
筆者が防災・安全評価グループに所属していることもあり、大きな災害や特異な気象災害と感じたときにはコラムで取り上げることが多いのですが、今回はタイトル通り 5月にしかも梅雨入り前の時期に 50年に1度の記録的な大雨と報道されるほどの事態になりました。
ちょっとこの時期の大雨は記憶にありません・・・と思ったので調べてみました。
5月 13日に沖縄県与那国島地方で午前中に 3回も「記録的短時間大雨情報」が発令されたのです。「記録的短時間大雨情報」とは 大雨警報発表中に数年に1度しか起こらないような、1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が観測された場合に気象台から発表される情報で、“3回も”という表現は数時間にわたって継続して降り続けたことを意味しています。新聞やテレビニュースでの降水量に数値の差がでますが、これは観測地点や取材時間によって異なるからなのですが、数日後に整理された報道では15日16時50分までの 24時間降水量は、与那国空港で459.0ミリ、与那国町祖納(そない)で459.5ミリで、5月の観測史上で最大数値を記録したとなっています。もちろん沖縄県の記録だけでなく全国の観測所での記録となりました。
気象庁のホームページには1日ごとの降水量が記載されていきますが 与那国町の記録としては 5月13日1日が 437.5ミリ、1時間が 98.5ミリ、10分間で 19.5ミリとなってます。日付ごとの 1日単位と 24時間単位とは別の物ということになります。13日の午前中に気象庁からアナウンスされた「大雨警報(土砂災害・浸水害)危険度分布」では、与那国島の広い地域で一時災害発生リスクが最も高い「極めて危険」に区分されました。これが昨年もあったような夏の季節や台風時期であれば、これほど驚くこともありませんが、この5月にこの記録となれば、しかも梅雨入り前ということを考えると、夏から台風シーズンにさらに記録的な降水量を経験しないことを願うしかありません・・・今年だけの現象であればいいのですが・・・。
梅雨入りのニュースが翌日の 14日のテレビで流れてきたので、やはり沖縄はそのまま梅雨入りしたんだと思いきや・・・梅雨入りは鹿児島県奄美地方とのことで・・・沖縄より鹿児島の方が先に梅雨入りとは・・・これも不思議な現象ではと思っていたらテレビから昨年も沖縄より鹿児島奄美地方が梅雨入りは早かったと報道されていました。やはりこの数年、気象関係はちょっとイレギュラーなことが起っているようです。この原稿は15日の夜に書いていますが、まだ他の地域の梅雨入り報道は耳に入ってきていません。今回の大雨は気圧の谷に湿った空気が連続的に流れ込んだために雨雲を発生し続けたことによると気象解説されていました。最初に5月の大雨は珍しいと記したので、気象庁が示している過去の災害をもたらした気象事例をチェックしたいと思います。
“令和”になったので“平成”の間に起こったものを記憶の新しい昨年の平成 30年から遡(さかのぼ)って拾いだしていきます。
平成 30年(2018年)
台風第 24号による暴風・高潮等 9月28日~10月 1日
台風第 21号による暴風・高潮等 9月 3日~ 9月 5日
平成 30年豪雨 6月 28日~ 7月 8日
平成 29年(2017年)
台風第 21号及び前線による大雨・暴風等 10月21日~10月23日
台風第 18号及び前線による大雨・暴風等 9月13日~9月18日
平成 29年7月九州北部豪雨 7月5日~7月6日
平成 28年(2016年)
台風第 7・11・9・10号及び前線による大雨・暴風 8月16日~8月31日
梅雨前線による大雨 6月19日~6月30日
平成 27年(2015年)
平成 27年9月関東・東北豪雨 9月9日~9月11日
梅雨前線及び台風9・11・12号による大雨 6月2日~7月26日
平成 26年(2014年)
台風第 18号による大雨と暴風 10月4日~10月6日
平成 26号8月豪雨 7月30日~8月26日
台風第 8号及び梅雨前線による大雨と暴風 7月6日~7月11日
平成 25年(2013年)
台風第 26号による暴風・大雨 10月14日~10月16日
台風第 18号による大雨 9月15日~9月16日
8月23日から25日にかけての大雨 8月23日~8月25日
大気不安定による大雨 8月9日~8月10日
梅雨前線及び大気不安定による大雨 7月22日~8月1日
平成 24年(2012年)
台風第 16号及び大気不安定による大雨・暴風等 9月15日~9月19日
前線による大雨 8月13日~8月14日
平成 24年7月九州北部豪雨 7月11日~7月14日
平成 23年(2011年)
台風第 15号による暴風・大雨 9月15日~9月22日
台風第 12号による大雨と暴風 8月30日~9月5日
平成 23年7月新潟・福島豪雨 7月27日~7月30日
平成 22年(2010年)
前線による大雨 10月18日~10月21日
梅雨前線による大雨 7月10日~7月16日
平成 21年(2009年)
台風第 18号による暴風・大雨 10月6日~10月9日
熱帯低気圧・台風第9号による大雨 8月8日~8月11日
平成 21年7月中国・九州北部豪雨 7月19日~7月26日
過去10年ほど遡ってみましたが、7月~10月に大雨に関する災害事例になっています。記載はしませんが平成元年(1989年)までの記録をみても5月に大雨の記録は残っていません。今回の沖縄与那国島地方の豪雨が特異な現象であることがわかります。やはり地球のご機嫌は悪いようです。
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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp
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