2015/01/30
No. 33 「製品プリントにもいろいろな手法があります…」
思いつきラボ
2014/07/15
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2014年7月15日時点の内容です。
2014年 FIFA ワールドカップの決勝はドイツの優勝で幕を降ろしました。ユニフォームの方は準決勝終了の段階で優勝ブランドはadidas(アディダス)となりました。決勝の組み合わせがドイツーアルゼンチンと、いずれもadidasを使用していたために決まってしまいました。また3位決定戦のブラジルーオランダもどちらもNIKE(ナイキ)なので、こちらも試合前に3位チームのユニフォームが決まってしまい、今大会のユニフォームの番狂わせもありませんでした。
ワールドカップの出場ブランドともなれば世界中で認知度が高まることになるので、メーカーサイドが力を入れるのも納得できます。さらに決勝まで勝ち進めば注目度はさらに高くなり、人気ブランドとなる図式がイメージできます。ユニフォームはともかく今大会も充分楽しませてもらいました。日本チームも決勝トーナメントへは進めませんでしたが、試合を見ていると、出場するだけでも大変な大会であることが再認識させられます。次回の2018年ロシア大会も出場できることを願いましょう。
今回のコラムは防災・安全関係者への情報となるのですが、蓄光誘導標識の屋外用にJIS規格が進められているという報告になります。蓄光商品は光るとはいっても当然電球ほどの明るさにはならないので、いままでは屋内での使用規格しか考えられてきませんでした。しかしながら関係者が物づくりの技を重ねあげていくうちに蓄光性能も加工技術もレベルアップしてきており、屋外でも効果が見られるとの判断になったということなのです。
新しい規格は「 JIS Z 9097 津波避難誘導標識システム 」というもので、6月20日付けで日本工業標準調査会で原案がパブリックコメントとして公告されました。期間は60日間ですので8月18日までとなりますが、原案については日本工業標準調査会ホームページ意見受付公告から閲覧できます。大きな修正がなければ、今年の秋頃には正式に発行されることになると思います。この規格は2011年の東日本大震災の津波災害の経験から津波避難システムについて3年間の期間を目安に検討することを要請されて、(一財)日本標識工業会が中心となって原案作成作業を行ったものなのです。
原案が2014年6月上旬に承認され、20日にパブリックコメント公告となり、秋頃の正式制定という流れは異例のことなのです。それだけ津波から安全に避難できるシステムを作り上げるという作業が必要と考えられているということなのです。6月12日早朝に福島沖でマグニチュード6.8 (推定)という地震が発生し、一時的に津波注意報が発令されました。2011年の東日本大震災の余震とみられていて、3年以上の時間が経過したにもかかわらずマグニチュード6.8レベルの地震が発生することが実感できたわけです。震度 4 ということでしたが、まだまだ余震や津波の危険性は残っているということなので、今回の津波避難誘導システム制定も急ぐ必要があるわけです。
JIS Z 9097 津波避難誘導システム に掲載されている蓄光の性能については、720分後のりん光輝度が定められています。性能区分が2種類掲載されているのですが、720分後に最低でも 3mcd/㎡以上の 性能が必要となります。12時間後でもちゃんと光るものを使いなさいということになっています。これは日没と同時に災害が発生したという想定で、明け方までの12時間光っているものという考え方から決められています。試験方法は。キセノンランプを用いて紫外線強度(測定波長域360nm ~ 480nm)400μW/c㎡ で60分照射となっています。屋内用の試験がD65光源 200Lx 20分 もしくはキセノンランプ 1000Lx 5分という条件なので、屋内用試験よりも紫外線量は多く照射していることになります。この 400μW/c㎡ という数字は日没30分~60分前の紫外線量ということで決められています。
正式に制定となった時にこの津波避難誘導システムについては取り上げたいと思っていますが、規格だけできても実際に設置が進まないと意味がありませんので、防災・安全評価グループとしても普及に協力していきたいと思っております。なかなか一般の人たちが津波標識について知識を得る機会もないと思いますので、津波標識の紹介をしておきます。
この図記号3点とも、日本発信で国際規格(ISO規格)になったものです。非常口誘導標識も日本発ですので、防災・安全に関する図記号も日本の貢献度は高いのです。ともあれ蓄光式の標識が屋外でも使用されるということと、津波に関する図記号の図柄を覚えておいてください。いざという時のために、物品だけでなく知識の準備も必要なことです。
おまけの情報ですが、JIS規格に蓄光式標識の基準が初めてできたのが 1987年(昭和62年)で 20分後 3mcd/㎡ という基準でした。照射条件が同じではありませんが、JIS Z 9097 での基準が 720分後 3mcd/㎡ 以上ということなので、この 27年の期間で残光性能が36倍にもなっているのです。屋外で使われても有効なわけです。
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防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
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