2013/10/18
No. 1 「防風と透湿の矛盾について考えてみましょう…」
思いつきラボ
2016/11/30
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2016年11月30日時点の内容です。
2016年も残すところあと1か月になってしまいました。恒例になっている“年末ジャンボ宝くじ”の賞金額がなんと“10億円”の文字が目に入り・・・いずれはと思いつつも、とうとうそんな時代が来てしまいました。
筆者が高校時代に初めて“一等賞金 1000万円”の宝くじが発売されたときも驚きの数字で、1000万円もあれば一生楽に生活していけるような気がしたのですが、現実を見れば大きな勘違いでした。この頃の初任給が 3万円/月だったので、27~28年分という計算にはなったので、そんな気になっていました。当たってから計算しろという話ですが、当時も夢の宝くじだったのです。
今回のテーマは新たに正式名となった元素「ニホニウム」のお話です。2015年12月に理化学研究所のチームが合成に成功した新元素が113番目の元素として認められて、アジアで初めての命名権を得る快挙をなしとげたのがことの始まりです。
元素に関しては「国際純正・応用化学連合 IUPAC(英:International Union of Pure and Applied Chemistry)という組織が元素や化合物の命名を管理していて、この11月30日に正式に日本の提案通り「ニホニウム(nihonium)」に決定したと発表がありました。
アルファベット表記を見てもらうと、nihon+iumとなっていて日本+金属元素を表すイウムの造語になっています。日本という名の入った元素が誕生したのです。アジアではもちろんのこと欧米以外の国で初めてのことです。
新元素のお話をしておきますと、元素記号の94番のプルトニウムまでは自然界に存在しているのですが、95番目からは人工的に作り出されたものなのです。
今回の113番元素「ニホニウム」と同時に、115番元素 「モスコビウム(moscovium)」、117番元素「テネシン(tennessine)」、118番元素「オガネソン(oganesson)」も正式名が決定しています。これで現在では118番目の元素周期表が完成されています。人工的に作られるということはこの先まだ119番 120番・・・と続くのかというと、これからも発見はされていくというアナウンスになっていました。どこまでかは判りませんが、あと50~60は可能性があると断言している学者もいるとのことでした。
《参考》元素周期表
文部科学省 発行「一家に1枚」ポスターシリーズ
113番元素「ニホニウム」、115番、117番、118番の名前はまだ記載されていませんが、分かりやすいので是非「一家に1枚」、プリントアウトしてください
113番元素は日本が命名権を与えられましたが、115番元素「モスコビウム」は研究機関の場所がロシアの首都モスクワにあったことから名づけられたとのことで、117番元素「テネシン」も研究拠点となったアメリカ テネシー州の地名から命名されたとのことです。118番元素「オガネソン」は発見の中心となったロシアの科学者ユーリ・ツォラコヴィチ・オガネシアン氏の名前から付けられたとのことです。今回の115番・117番・118番はいづれもロシアとアメリカの共同研究で発見されたものとのことです。
新元素の発見とはいうものの、人工的に作られると書きましたがどのような実験をしたかというと、「ニホニウム」の名付け親でもある研究グループ代表の九州大学 森田浩介(もりたこうすけ)教授の説明によると、埼玉県にある理化学研究所の仁科加速器センターで全長約70メートルの装置で亜鉛(Zn)のビームを標的であるビスマス(Bi)という金属に当てて作るとのことですが、言葉では何気ない説明ですが、実際のところは9年間で3回のみの的中だったとのことです。ビームの発射回数はなんと1兆の1億倍のレベルでのことだそうです。お話の中に基礎研究の大切さをとくに強調されていました。
元素番号は原子核の中の陽子の数を表してますが、亜鉛(Zn)は 元素番号が30番で、ビスマス(Bi)は元素番号83番です。30個の陽子を持っている元素を83個の陽子を持っている元素に勢いよくぶつけて、30+83=113個の陽子を持つ元素を作ったということなのです。
ノーベル賞だけでなく日本の科学者の 評価が国際的にも高まっています。なんとも誇らしい話になっていますが、子どもたちが興味を持ち、次世代の科学者が育つことを期待しているというまとめになっていました。
ともあれ元素に日本由来の名前がついたことは 快挙というしかありません。とても嬉しいニュースになりました。
ビームの的中回数を知ってしまうと、宝くじの当選確率は高いもののように感じてしまいます。夢を見るのもいいですが、当選した人が金銭感覚を失い人生がメチャクチャになった話もあります。やはり地道な積み重ねがだいじなのかもしれません。筆者のように10億円宝くじのような一発は狙わずに、毎週毎週こつこつと”JRA”へ・・・(その考え方おかしいです!!)
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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
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