2016/02/29
No. 59 「カンデラという単位はロウソクの灯りから…」
思いつきラボ
2017/02/28
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2017年2月28日時点の内容です。
はっきりした記憶ではないのですが、5 ~ 6年ほど前に新聞記事で「セーターストーンなる天然石の軽石でセーターなどの毛玉を取る優れものの道具がアメリカで人気になっている」という掲載がありました。当時見てみたいと思い購入を試みたものの、結果手に入れることができませんでした。
すっかり忘れていたのですが、今年の正月にテレビ情報番組でその“セーターストーン”の紹介をしていました。今度はネットですぐに注文したのですが、テレビの影響か 2週間ほど待たないと手に入らないとありました。テレビの影響はやはりすごいものだと感じながらも、ピリングに困っているかたも多いということが判りました。
商品が届いたらどれくらい取れるか実証してみたいという話をしたら、“面白そうだからやりたい”という仲間がすぐに集まって“あれやこれや”と話が進んで、気が付けば筆者抜きで自由研究がスタートしてしまいました。
ということで今回のテーマは毛玉取りのお話しです。
天然軽石を使用した毛玉取り「セーターストーン」
セーターストーンとは、1986年、アメリカ・ワシントンにて開発された天然石を使用した「毛玉取り」。刃物や化学成分を使用せず、安全かつ環境にやさしい、アメリカの家庭で最もポピュラーな製品の1つです。
使用方法も簡単で、セーターストーン(軽石)をセーター、フリース、布ソファなどに優しくなでることで、石の表面の小さな穴に絡みつき、生地を傷めることなく毛玉を取ることができます。
また、軽石が少しずつ削り落ちることでエッジ(石の摩擦)が保持され、摩耗して無くなるまで繰り返し使用することが可能です。ドライクリーニングに代る環境に優しいお手入れ方法としても考案され、費用の節約ができるとも言われています。
このように「生地・環境に優しい!」「ドライクリーニングの費用が節約できる!」とアメリカで大人気のセーターストーンですが、一体どれほどの効果があるのか他の道具と比べてみました!
1.比較検証する道具
2.試料準備!
まず、新品の製品に人工的に毛玉をつけ、比較するための生地を作ります。
3.検証開始!!
それぞれの道具でピリングをとっていきます。
4.結果
検証前後の生地の見た目と毛玉が取れた時の回数
原布を1としたときの試験後布の重量比較
5.セーターストーンの魅力★
今回の検証でわかったセーターストーンの魅力は、生地が薄くなりにくい‼ピリングをとりきるのに時間がかからない‼手動の道具の中で一番見た目がきれい‼ ということです。
表1をみてもらうとわかる通り、ピリングストーンは10回削っただけでピリングをきれいにすることができました。同じく電動の毛玉取り器も10回できれいにすることができ、見た目もきれいに仕上がったのですが、表2を見るとピリングを削った後の生地の重さがかなり減ってしまっているのがわかると思います。
ちなみに、これを使えばピリングがよく取れる‼という噂を聞きつけて検証道具として使用した剃刀、ナップカット、スポンジ達は 、
検証した結果セーターストーンはピリングを取る様々な道具の中では、とても魅力的だということがわかりました。一個1300 円しますが、皆さん是非買ってみて下さい( ^ _- )- ☆
とても面白いレポートになりました。商品の生地表面のきれいさだけでなく、重さまで計って比較したことに感心します。
このセーターストーンは天然のものなので、年間の採石量も制限をくわえているそうです。
楽しい実験となりました・・・またなにか面白そうなテーマや気になることがあれば教えてください。一緒に自由研究で取り上げてみましょう。
自由研究協力者:大阪事業所 段林 恵美・ 青木 麻衣・池田 早苗・石﨑 加奈・工藤 小矢華
監修: 竹中 直(チョク)
PDF版はこちらから
お問い合わせ
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp
思いつきラボ
各種お問い合わせCONTACT
サービス全般についてのお問い合わせ
各種試験・検査に関するお問い合わせ、ご依頼はこちらから承ります。
エコテックス®に対するお問い合わせ
エコテックス®認証に関するお問い合わせ、ご依頼はこちらから承ります。
技術資料ダウンロード
各種試験・検査に関する技術資料が、こちらからダウンロードいただけます。
よくあるご質問
試験・検査などで、皆さまからよくいただく質問と回答をまとめています。
お電話からのお問い合わせはこちら