2021/04/01
第16回 : アパレル製品の機能性の考え方
アパレル散歩道
2024/03/01
2024.3.1
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図1 しわの外観例
図2 繊維の伸長弾性と織物の防しわ性1)
繊維の種類 | 伸長弾性率 (3%伸長時) |
---|---|
ポリエステル | 95-100 |
ポリプロピレン | 90-100 |
アクリル | 90-95 |
ナイロン | 98-100 |
ポリウレタン | 95-99* |
毛(ウール) | 90 |
綿 | 74* |
レーヨン | 55-80 |
麻 | 48* |
絹 | 54-55 |
*伸長率 (ポリウレタン55% 綿2% 亜麻2%) の値を示す
図3 ニットと織物の外観比較例
図4 織物の密度の違い(イメージ)
図5 セルロース系繊維の化学構造
(赤印:水酸基を示す)
水酸基(-OH)がない
図6 ポリエステル繊維の化学構造
図7 プリーツの外観例
繊維の種類 | 説明 |
---|---|
合成繊維 | 繊維の熱可塑を利用する。ポリエステル、ナイロン、アセテート、アクリルなど |
天然繊維 (綿、麻など) | 繊維の側鎖基(OH基)同士を反応性樹脂で架橋結合する。 |
天然繊維 (ウール) | 繊維自身の側鎖のシスチンS-S結合を活用する 。 |
天然繊維 (絹) | 繊維自身が持つ側鎖基を2官能性のある化学物質で架橋結合させる。 |
図8 反応性樹脂によるセルロース繊維の架橋結合化
加工の種類 | 説明 |
---|---|
頭髪のパーマネント | 還元剤でシスチン結合(-S-S-)を切り、整髪後に 酸化剤(2液)で再結合させる |
ウール繊維のプリーツ加工 | 還元剤でシスチン結合(-S-S-)を切り、折り目やプリーツ形態保持後に酸化剤は使わずに、空気酸化と熱処理で再結合させる なお、プリーツの保持性がより求められる学生服などでは、特殊な還元剤(シロセット液)を使用したシロセット加工注1がおこなわれる |
図9 ウール繊維のプリーツ加工(架橋結合)のメカニズム
種類 | 説明 | プリーツの種類 |
---|---|---|
①マシンプリーツ | 長さ方向に原反加工も、裁断後パーツ加工(着分加工)も可能 | サイド系プリーツ ウェイブプリーツ クリスタルプリーツ マジョリカプリーツ アコーディオンプリーツ |
②ハンドプリーツ | 型紙に入れるため、裁断後、パーツでの加工が基本となる |
図10 主なマシンプリーツの例3)
図11 マシンプリーツ機の構造と流れ3)
図12 ハンドプリーツ工程3)
(アコーディオンプリーツ)
工程順 | 工程の内容 |
---|---|
1 | 反応性樹脂付け→低温乾燥 |
2 | 裁断→プリーツ形状付け(湿熱処理)→縫製 |
3 | 熱処理 (高温乾熱処理) 図13参照 |
図13 棚にプリーツ予定生地を並べ、熱処理する(ボックスタイプ) 3)
図14 ピリングの例
(C/E紡績生地 ニットパンツ)
図15 ピリングとスナッグの発生メカニズム
図16 各種繊維のピリング生成曲線4)
図17 ニットのスナッグ現象
※当コラムの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
著者Profile : 清嶋 展弘 (きよしま のぶひろ)
43年間株式会社デサントに勤務し、各種スポーツウェアの企画開発、機能性評価、品質基準作成、品質管理などを担当。退職後は、技術士(繊維)事務所を開業。
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