2021/07/15
第22回 : 繊維・アパレル製品の用語 その1 (繊維・糸・織編関連)
アパレル散歩道
2022/06/01


2022.6.1
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これまでものつくり原点回帰シリーズとして、繊維、糸、織編、染色仕上げの工程で進められるテキスタイル開発、いわゆる「生地作り」について勉強してきました。
今回と次回の「アパレル散歩道」では、平面の生地を立体の衣料品に作り替える工程を勉強します。
アパレルメーカーの存在価値は、生地や材料がもともと持っている付加価値に、どれだけ製品としての価値がプラスできるかと考えてもよいと思います。
今回は縫製に至る準備工程の商品設計、グレーディング、マーキング、縫製仕様書作成などについて勉強します。そして、次回では「縫製 その2」として、縫製や裁断機などの機器、縫い目の種類と特性などについて説明します。

図1. マーケティングから商品設計までの流れ
図2.アパレル製品の企画設計の流れ
図3.パターンメーキングの流れ
図4.パターン設計の種類
図6.CADシステムによる型入れ(プロッター)の例

自動裁断機の例

図7.グレーディングの例2)
(前身頃)

図8. マーキング画面の一例
| 分野 | 対策案 |
|---|---|
| 生地原価 |
|
| 縫製原価 |
|
| 二次加工原価 |
|
| 分野 | 具体的内容 |
|---|---|
| ①製品特性 |
|
| ②デザイン性 |
|
| ③テーラビリティ |
|

図9.スポーツウエアの一例(水着)

図10.乳幼児衣料の一例
| 記載分野 | 記載内容 |
|---|---|
| 製品 | 品名・品番・原産国・シーズン・工場名 |
| 主素材 (生地など) | 生地品番・生地品名・規格(有効幅など)・混用率・使用部位 ・生地メーカー・仕入れ商社・裏表区分 |
| 副資材 (裏地・芯地・ファスナー・ボタン等) | 副資材品番・副資材品名・規格(有効幅など)・材質・使用部位 ・副資材メーカー・仕入れ商社 |
| 製品配色 | 配色(A色×B色など)・部位・副資材配色・二次加工の配色 |
| 二次加工 | 刺繍・顔料捺染・熱接着プリント・接着縫製などの詳細・部位と位置 |
| 製品仕上がり寸法 | 各部位の仕上がり寸法・サイズピッチ |
| 表示 | 組成表示・取扱い表示・付記表示・機能性表示・その他表示ラベル |
| 梱包 | ポリ袋品番・畳み方・段ボール品番・入り数 |
| 分野 | 裏地使用の目的 |
|---|---|
| ①着心地の改善 |
|
| ②形態の安定 |
|
| ③外観の改善 |
|
| 目的 | 説明 |
|---|---|
| 成形性 | 衣服のシルエットをかたち作る |
| 保形性 | 着用による型崩れを防止する |
| 補強 | 縫い目スリップなど、必要な部分を補強する |
| 風合い | 必要な部分に硬さや張りをもたせる |
| 可縫製 | 縫い易くする。パッカリングを防止する |
| 寸法安定性 | 生地の変形や縮みなど、寸法を安定させる |

図11.アパレルメーカーと縫製工場の役割の例
| OEM/ODM | 説明 |
|---|---|
| OEM (Original Equipment Manufacturing) | アパレルメーカーのブランドで製品を生産すること。 アパレルメーカーが製品の設計パターンから製縫製仕様書まで、工場へ支給し、場合によっては技術指導も行なう。 |
| ODM (Original Design Manufacturing) | アパレルメーカーのブランドで製品を設計・生産すること。 製造する製品の設計から製品開発まで、工場が担当する。 |
| 主な生産工程 | 概要 |
|---|---|
| ①生地在庫 | 本生産に使用する主材料、裏地などを準備する(図12) |
| ②受け入れ検反 | 染色加工場から入荷した原反の品質をチェックする(図13) |
| ③裁断 | 積み重ねた生地をマーカーにしたがって裁断する(図14) |
| ④パーツ検査 | 裁断パーツに汚れや傷などの不良がないかチェックする(図15) |
| ⑤二次加工検査 | パーツに刺繍や顔料捺染したものについて、色や位置などをチェックする |
| ⑥マーキング加工 | パーツにマークやラベルを熱圧着する |
| ⑦縫製ライン投入 | 縫製ラインで縫製を実施する(図16) |
| ⑧中間検査 | 縫製ラインの中間で、検査を実施し不良品の発生を未然に防ぐ(図17) |
| ⑨最終検査 | 完成品を縫製仕様書にしたがって仕上がり寸法寸法や縫製品位をチェックする |
| ⑩仕上げ | 縫製によるしわや汚れを除去する(図18) |
| ⑪梱包 | 納品形式にしたがって、袋詰めなどをおこなう |
| ⑫検針 | 検針機を通して、異物混入をチェックする(図19) |
| ⑬出荷 | 指定の倉庫などに出荷する |








コラム : アパレル散歩道42
~魅力ある商品を開発するために~
テーマ : ものつくり原点回帰シリーズ ~縫製 その2~
発行元
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター 事業推進室 マーケティンググループ
E-mail: pr-contact@nissenken.or.jp URL:https://nissenken.or.jp
※当コラムの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
Profile : 清嶋 展弘 (きよしま のぶひろ)

43年間株式会社デサントに勤務し、各種スポーツウェアの企画開発、機能性評価、品質基準作成、品質管理などを担当。退職後は、技術士(繊維)事務所を開業。趣味は27年間続けているマラソンで、これまで296回の大会に参加。
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