2025/05/01
アパレル散歩道 第76回 : 「衣料品の品質トラブルの原因絞り込み④」
アパレル散歩道
2021/09/15


2021.9.15
PDF版をご希望の方はダウンロードフォームへお進みください > ニッセンケンウェブサイト ダウンロードサービス【アパレル散歩道No.26】
今回の第26回アパレル散歩道から、サブテーマを「なぜ品質事故はなくならないのか」から「魅力ある商品を開発するために」に模様替えして、これまでの品質テーマを踏まえた具体的なモノつくりのステージに進んでいきたいと考えます。
今回は、そのはじめとして、モノつくりの基本であるアパレル製品のマーケティングを考えます。このテーマは、繊維やアパレル製品だけでなく、他分野の製品やサービスにも基本的にあてはまる内容です。また、その中でアパレル製品の品質もどうあるべきか、このマーケティングの段階でぜひ考えていただきたいと思います。

図1. 第一次世界大戦前後の衣料1)
| 区分 | 年代 | 備考 | |
|---|---|---|---|
| ① | 導入期 | 60年代 | 既製服の少品種大量生産の開始 |
| ② | 成長期 | 70年代 | ファッションビジネスの本格化 |
| ③ | 成熟期 | 80年代 | 日本人デザイナーブランドの登場 |
| ④ | 展開期 | 90年代 | 海外縫製の始まり |
| ⑤ | 安定期 | 2000年代〜 | SPA企業の進展 |
| 西暦年 | アパレル業界の動向 |
|---|---|
| 1946 | 三陽商会レインコート発売 和江商事(後のワコール)設立 |
| 1948 | 樫山商事が樫山に社名変更 |
| 1949 | 三永(現サンエー・インターナショナル)設立 東京縫製(現東京スタイル)設立 |
| 1951 | 石津商店(後のVANジャケット)設立 |
| 1952 | ゴールドウイン スポーツウェアに転業 |
| 1953 | 石本商店(現デサント)が野球ユニフォーム販売 島村呉服店(現シマムラ)創業 |
| 1955 | 佐々木営業部からレナウン商事設立 赤ちゃんの西松屋創業 |
| 1957 | 和江商事からワコールへ社名変更 |
| 1958 | 糸金商事からイトキン社名変更 ジュン創業 洋服の青木創業 |
| 1959 | ワールド設立 |
| 1962 | レナウン商事がレナウンルック(現ルック)設立 |
| 1961 | シマムラ創業 |
| 1965 | 三陽商会 バーバリー販売開始 |
| 1971 | レナウンニシキがダーバンに社名変更 三起商行創業(商標ミキハウス) |
| 1981 | 無印良品 衣料品開始 |
| 1991 | 小郡商事からファーストリテイリングズへ 青山商事 業界1位へ |
| 2001 | ファーストリテイリングズ 海外進出 |
◎例:ABCアパレル(株)・・多ブランド制
・一つのブランドマーケティング部の中に、以下の部門がある。図2. アパレルメーカーのブランド制と社内体制の一例
表3. アパレルメーカーの業務と役割分担
職種 仕事の種類 | MD | D | P | 生産 |
| 前年の結果や問題点の確認・反省 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| ターゲットの設定 | ◎ | ○ | ||
| 情報収集・分析 | ◎ | ○ | ||
| 商品企画立案 (コンセプト・数値計画) | ◎ | ○ | ||
| 商品イメージの設定 (シルエット・素材・色・価格) | ◎ | ○ | ||
| デザイン画作成 | ◎ | |||
| テキスタイル仕入れ先と技術者打ち合わせ | ◎ | ○ | ||
| 基本サンプル仕様・副資材検討 | ◎ | ○ | ○ | |
| 素材物性試験(ボタンなど付属品も) | ◎ | ○ | ○ | |
| サンプル検討会 | ◎ | ○ | ○ | |
| 展示会・内見会(商品説明) | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| 生産・販売会議 (受注予測・生産数量・日程計画・生産体制) | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| 工場決定(技術水準・工場適正・納期設定) | ○ | ◎ | ||
| 資金計画作成・決裁 | ◎ | ○ | ||
| 設計技術打ち合わせ (品質条件・加工難易度・副資材) | ○ | ○ | ◎ | |
| 工賃設定 (生産数・加工時間・難易度・適正利潤) | ○ | ○ | ◎ | |
| 加工発注書作成(原価の決定) | ◎ | |||
| 材料類の納期確認 (ボタンなど付属品の発注) | ◎ | |||
| 工場稼働条件打ち合わせ (材料投入日・数量・納期・仕様) | ◎ | |||
| 生産指図(材料・パターン・縫製加工仕様書・生産指図書送付) | ◎ | |||
| 入荷製品品質確認 | ○ | ◎ |

図3. マーケティングから商品企画までの流れ

図4. アパレルメーカーの年間企画スケジュール(例)
表4. 商品化の流れ (清涼感に優れた春夏婦人衣料を例に挙げる)
| 調査検討事項 | 具体的な内容 | ||
|---|---|---|---|
| ① | 市場調査 | いつ頃 | スケジュールを明確化する。 7月展示会 11月生産開始 翌年1月市場に投入する |
| ② | 商品政策 | どのような商品を | 30代女性を対象としたファッション性も考慮した商品とする。 吸汗速乾、熱放散性に優れたニット素材を採用する。 特殊な繊維や編み構造、生地仕上げ加工を検討する。 通気性に優れた製品のデザインやカッティングを検討する。 |
| ③ | 価格政策 | 価格、生産数は | 従来同等品比、上代価格10%アップを検討する。直接原価は25%以下に抑える。生産は6型で計10万点とする。 |
| ④ | 流通政策 | どの流通で | 専門店・直営店で40%、ECで60%とする。 卸売りはしない。 |
| ⑤ | 販売促進 | 宣伝・広報の方法は | 媒体として雑誌、インターネット、店頭POPを検討する。 特にモバイルマーケティングに集中する。 |
| 原価の種類 | 原価の構成 |
|---|---|
| ①直接原価 (変動費中心) | 材料費+縫製工賃+二次加工賃 など |
| ②間接原価 (変動費+固定費) | ①+輸送費+人件費+倉庫代+水道高熱・通信費 +消耗品+設備費 など |
1)改訂2版「ファッション商品論」P.3 図1-1 (一社)日本衣料管理協会
次回「アパレル散歩道」では、今回の続きとして、「マーケティング政策に影響を与える要素」について考えていきます。
引き続きよろしくお願いします。
コラム : アパレル散歩道27
~魅力ある商品を開発しよう~
テーマ : アパレル製品のマーケティング その2
◎お詫びと修正のお願い
発行元
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター 事業推進室 マーケティンググループ
E-mail: pr-contact@nissenken.or.jp URL:https://nissenken.or.jp
※当コラムの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
Profile : 清嶋 展弘 (きよしま のぶひろ)
43年間株式会社デサントに勤務し、各種スポーツウェアの企画開発、機能性評価、品質基準作成、品質管理などを担当。退職後は、技術士(繊維)事務所を開業。趣味は27年間続けているマラソンで、これまで296回の大会に参加。
社外経歴
(一財)日本繊維製品消費科学会 元副会長
日本繊維技術士センター理事 技術士(繊維)
文部科学省大学間連携共同教育事業評価委員
日本衣料管理協会理事 TES会西日本支部代表幹事
アパレル散歩道
各種お問い合わせCONTACT
サービス全般についてのお問い合わせ
![]()
各種試験・検査に関するお問い合わせ、ご依頼はこちらから承ります。
エコテックス®に対するお問い合わせ
![]()
エコテックス®認証に関するお問い合わせ、ご依頼はこちらから承ります。
技術資料ダウンロード
![]()
各種試験・検査に関する技術資料が、こちらからダウンロードいただけます。
よくあるご質問
![]()
試験・検査などで、皆さまからよくいただく質問と回答をまとめています。
お電話からのお問い合わせはこちら