思いつきラボ

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No. 90 「物の見え方は男女で異なるらしい…」

2017/06/15

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2017年6月15日時点の内容です。

安全色や高視認性などの実証実験などを行っていると、年齢・性別・視力など個人差があるので 被験者を揃えることも簡単な話ではないのです。“女性は色の違いを見分けることに優れ、男性はすばやく動く物体を目で追ったり、遠くの細かいものを見分けたりすることが得意だ”という研究発表が 2012年に科学誌に掲載されたことがありました。ちょっと興味深い話なので今回の思いつきラボで紹介したいと思います。
研究発表したのはニューヨーク市立大学ブルックリン校の心理学教授 イズリエル・エイブラモフ(Israel Abramov)氏が率いる研究チームとのことです。

男女の役割に応じて

女性は色彩識別が細やかで、男性は動体視力・遠方視力に優れているという結論の理由付けに「このような進化的適応は人類が狩猟採集生活を送っていた過去と関係している可能性がある」と考察しています。
その昔人類が狩猟採集で生命を継承していた時代に、男女の役割に応じて視覚能力が進化し物の見え方に差が生じることとなったと結論付けています。興味深い報告が他にもあり、色に関するテストでは「可視スペクトルのほぼ全域にわたって同じ色相を知覚するのに男性は女性よりやや長い波長を必要とする」とあります。
可視光線で波長が長いのは赤系で波長が短いのが紫系ですので、具体的な例として“果物のオレンジは男性には女性より少し赤く見えている可能性がある。同様に緑の草は、ほぼ常に女性の方が緑色に見え、男性には少し黄色がかって見えている可能性がある。”と記述しています。

可視スペクトル(380nm~780nm)の図

また“色のスペクトルの中央にある青色・緑色・黄色の識別において、男性は女性に劣ることも明らかになった。一方で男性が優れていたのは、細部の素早い変化を遠くからとらえる能力だ。”ともあります。この能力に長けている理由として 脳の視覚野(しかくや)の神経発達が男性ホルモンによって促進されるためで、男性は特に男性ホルモンの一種であるテストステロンが豊富で、脳の視覚野の神経細胞が生まれつき女性よりも 25%多いと解説しています。

我々の祖先の狩猟者であった男性が獲物を遠くから見つけなければならなかったため、動体視力や遠方視力が進化していき、採集者であった女性の視覚は果物や木の実の食べごろを見極める微妙な色彩の違いを見分ける能力が発達したという解説には納得がいきました。
髪型のちょっとした違いに反応して気がつく女性とそのことを言われても気がつかない男性との違いは、視覚能力に違いがあったからということになります。ということなので女性のみなさま、男性諸氏が容姿の変化に鈍感なのは、もともとの知覚能力に違いがあるからということでご理解いただきたいと思います。

今回の原稿は筆者の鈍さの弁解原稿みたいになってきていますが、男女間で物の見え方が違うというのは、なにか感覚的には理解できるものだと思います。
例えば、化粧品の口紅は毎年のように新色のコマーシャルが流れますが、基本的にはレッドとピンクでその狭い色度座標の中で展開しています。並べて比較しないと男性陣にはなかなか分からないものです。女性陣も色差は判ってないかもしれませんが、そのシーズンでの新鮮さを直感的に感じているのかもしれません。
髪の色やネイルの色・服の違い・髪型や化粧の違いまですべて感覚的に見分けているような気がします。その意味では本能といえるかもしれません。いずれにせよ興味深い報告で、しかも納得のできるものに感じました。

可視光線の定義

日本工業規格の中で JIS Z 8120 光学用語に可視光線の定義が記載されているのですが、「一般的に可視放射の波長範囲の短波長の限界は 360nm~400nm、長波長限界は 760nm~830nmにあると考えてよい。」となっています。
つまりのところ可視光線は 360nm以上からでも、400nm以上からでもいいですよということで考えられているのです。個人差があり 360nmでも見える人と 400nm以上でなければ見えない人がいると考えられているのです。可視光線域に許容範囲があることで管理しにくい面もあるので、業界によって範囲を特定していることもあります。
繊維業界では紫外線遮蔽率の測定を400nmまでを測定していますので、可視光線は 400nm以上ということになっています。照明光学業界では 380nm ~ 780nmを可視光線波長域とすることが通例になっています。照明光学業界の影響が大きいので、一般的な可視光線は 380nm ~780nmという認識で構いませんが、波長域には許容範囲があるということも知っておいてほしいと思います。

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防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
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