2014/10/30
No. 27 「“ジャージ”って体操服のことじゃないの?…」
思いつきラボ
2013/12/15
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2013年12月15日時点の内容です。
繊維業界での紫外線の波長域は、400nmまでとするのが通例となっています。JISの試験ではないのですが、紫外線遮蔽率(しがいせんしゃへいりつ)測定では一般的に 280nm~400nm の波長域を紫外線と考えて測定を行います。また、オーストラリア/ニュージーランド規格であるUPF( UV Protection Factor )評価では、290nm~400nm と測定波長域が定められています。
一方で、照明光学業界では可視光線を 380nm~780nm としており、380nm~400nm の間が紫外線なのか可視光線なのか不明瞭なことになっています。ではどちらが正しいのかというと、どちらも間違えてはいないのです。業界ごとに波長域の考え方が違うことが混乱を招く要因となっているのですが、それはどういうことなのといいますと、人間の見える波長範囲に個人差があるためなのです。
日本工業規格の中で、 JIS Z 8120 光学用語に可視光線の定義が記載されていて「一般的に可視放射の波長範囲の短波長の限界は360nm~400nm、長波長限界は 760nm~830nm にあると考えてよい。」となっています。つまりのところ、可視光線は 360nm 以上からでも400nm以上からでもいいですよということで考えられているのです。先ほどにも書きましたが個人差があり、360nm でも見える人と400nm以上でなければ見えない人がいると考えられているのです。
日本人のほとんどは目の色は黒いので、これでも個人差は少ない方と考えられますが、欧米人のように瞳の色がブルー系やブラウン系などと異なれば、その差ももっと大きなものになるのかもしれません。いずれにせよ、可視光線の波長域に許容範囲をもたせているのです。
ということで、繊維の業界としては波長範囲の上限の方を限度として400nm までを紫外線域と考えて、紫外線波長域を280nm~400nm と定めています。照明光学業界の方では管理しやすいように 短波長平均の 380nmからとして、長波長を780nm までとして可視光線域を決めているのです。したがって、照明光学業界では380nm 以下を紫外線域として考えているのです。
他の業界でも、それぞれで可視光線域・紫外線域・赤外線域の範囲を決めているので、別の数値で文章として掲載されることもあります。可視光線の波長域の範囲であれば、それは間違いではなく業界の取り決めごとと解釈してください。照明光学業界の影響が大きいので、一般的な認識としては 380nm~780nm を可視光線と考えるということでいいと思います。光波長400nm は紫外線でも可視光線でもあるのです。赤外線についても同様の考え方をしてください。
紫外線の中でも波長分類をしています。最近目にすることも増えましたが、UV-A UVーB UVーC と呼ばれるものです。可視光線が 380nm ~ 780nm とした時の数値で表わすと、UV-A 315nm ~ 380nm、UV-B 280nm ~ 315nm、UV-C 200nm ~ 280nm となります。
以前は地球に到達する紫外線は 99% がUV-A と言われていたのですが、オゾン層の破壊が確認されるようになってから、UV-B の到達量が増えたことが確認されています。
とくに南半球のオゾン層の破壊が進んでいて、UV-B が増えたことで皮膚癌(がん)発症率も高くなっています。紫外線遮蔽 UPF の試験はオーストラリア/ニュージーランドの規格と書きましたが、重要な問題になっているのです。地域によっては通学の折は長袖・長ズボン・帽子・サングラス着用が条例で義務づけられているところもあるのです。水泳の時間も、ウェットスーツのような長袖水着を着用しています。子供たちのために環境保全は大事なことなのです。
最後に、人間の目は個人差があると言いましたが、色の見え方にも地域によって違うことがあるようです。虹は日本では 7色 ですが、ドイツ地域では 5色 、スウェーデン地域では 6色と、場所によって表現の仕方が異なる所もあるようです。光の分光は6色とすることも多いので、個人差・地域差があるのは不思議ではありません。余談ですが、虹は、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫で区分しますが、6色分光では藍と紫が同一のグループに区分されています。たしかに藍色と紫色は区別しにくいかもしれません。
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