思いつきラボ

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No. 1 「防風と透湿の矛盾について考えてみましょう…」

2013/10/18

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2013年10月18日時点の内容です。

「ニッセンケン分室思いつきラボ」というコーナーができました。
お客様からの問い合わせや職員達のふとした疑問などを取り上げてコラムにしておこうというものです。
もちろん簡単な実験や体験してみることなどもおりまぜてと考えていますがどうなるかは分かりません。なにせ思いつきなものなので・・・

第一回目のテーマは防風防水透湿の機能についてのお話です。

機能性商品の中に防風防水防水透湿防風透湿などと同時に複数の機能を謳(うた)っているものがあります。「どうも仕組みが分からない」という問合わせがありますので整理しておきたいと思います。

防水防風

 “風を防ぎ雨を防ぐ”これは単純に空気も通さず水も通さないということから、ビニールフイルムやガラス板を思い描いてもらえれば、外部要因をすべて遮断できるとイメージすることができます。その特性をもった樹脂で生地にコーティングすれば防風防水の機能性を備えた商品が出来上がります。

防水透湿

 “水は通さず湿気は透します”という機能になりますが、言い換えれば“液体の水は通さないけれど気体の水は透しますよ”ということになります。
となればここの違いは液体の水分子と気体の水分子の大きさの違いとなります。液体でも気体でも水はH2Oの分子構造ですが、気体の分子間の結びつきは液体の分子間の結びつきに比べてよわいので、結果気体の水の方が液体の水より小さくなります。という理由で透湿性はあって防水性もあるということになります。

防風透湿

“風は通さないけど湿気は透します”という機能になります。ここでは空気も湿気も気体ということになりますので、分子の大きさでは説明できません。

さて困ったということなので“湿度”ということで考えたいと思います。
温度差があるとき例えば25°C と20°C の環境を作ってその境を外すと、温度の低い気体は下層へ温度の高い気体は上層へと流れが生じ、拡散し均一化していきます。では湿度差がある場合はといいますと、湿度は高い方から低い方へ移動をします。濡れたものが乾くことをイメージしてもらえれば、理解しやすいかもしれません。着用時に人間が汗をかくという前提ですので、衣服内の湿度の方が高くなります。したがって内から外へ空気が流れることになるので、空気は通さず湿気は透すということになります。あくまで人間が汗をかいて蒸れるという条件での考え方になります。

ということで、複数の機能を持つ素材の理由付けができました。
これが唯一の理論という訳ではありませんがこんな考え方をしています。

液相水分子より小さく気相水分子より大きい孔( あな) が空いていれば、防水透湿の素材となります。天然素材でも、ウールのように公定水分率が15.0% と綿の8.5% やレーヨンの11.0% よりも大きいのに水をはじきやすい素材もあります。吸湿性は高いけれど吸水性は低いということになります。動物が生きてく上では必要な機能なのです。

防風透湿についてはウインドブレーカーなどに求められる機能ですが、環境条件が整わないと体感しにくい機能であることは認識しておく必要があるかもしれません。
防風機能はほとんどが寒風防御を意味するので、寒冷状態で透湿を要求されるのは本格的な登山者や厳寒地の作業者くらいに限られます。
一般的には防風保温という機能の方が需要が高いような気がします。

こんな感じのコラムになりますが、ご意見ご質問がありましたら是非お寄せください。
できるだけ取り上げていきたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。
ということで、たまにはこのコーナーも覗いてやってください。

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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp

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