おさえておきたい基礎知識

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〖試験担当者のひとり言〗~ お役立ちな独白25 ちゃんと手洗いできてますか? ― 微生物の増減チェックをしてみました

2026/08/20

みなさん、“何となく手洗い”になっていませんか?

 「手洗いは大切」。多くの皆さんは、そう思っているはずです。ただ、毎日の習慣になっていると、ついつい「何となく」の手洗いになりがちではないでしょうか?

 外出先から戻ったとき、食事の前など、手を洗う機会はたくさんあっても、「ちゃんと洗えたかな?」と考えることは、意外と少ないのでは? 見た目はきれいになっていても、目に見えない微生物たち(いわゆる“菌”など)の状態が、どのように変化しているかまでは、普段の生活で知ることはないですよね。そういう日常の疑問に対して、試験担当者としては、ついつい答えを探したくなってしまうのですよね…。

 そこで今回はっ!ニッセンケンで働く仲間に協力してもらい、普段通りの手洗いの前後で手に付着する微生物の増減がどうなるか、検証をしました。方法としては、手のひらと指先の2か所にスタンプ培地を押し付け、培養後に微生物の付着状況を見比べます。さらに、モニターになってくれた社員3名には、普段どのような手洗いをしているのかを聞き取り、手洗い方法と検証結果にどのような違いが見られるのかも確認しました。

 いざ、検証へ!

検証は以下の手順で実施しました。

1.手洗い前に【手のひら】【指先】をスタンプ培地に押し付ける

2.普段通りに手洗いを実施してもらう

3.手洗い後に再度【手のひら】【指先】をスタンプ培地へ押し付ける

4.スタンプ培地を培養後、手洗い前後の菌の付着状況を見比べる

また、モニターの皆さんには、それぞれの手洗い方法について、以下の4項目の確認を行いました。

●ハンドソープの使用有無

●洗い時間

●洗い後の流水時間

●手拭き方法 ― ペーパータオル、ハンカチなど

検証結果 ― 手洗い後も微生物のコロニーを少なからず確認!

 協力してもらったモニターの3名には、できるだけ「普段通り」の感じで洗ってもらうようにお願いしました。そして結果は下表の通りとなりました。

モニター 手洗い方法 部位 手洗い前 手洗い後
A

■ハンドソープ:有

■洗い時間:
 水で予洗 3秒+本洗い 4秒

■流水時間:5秒

■手拭き方法:ペーパータオル

指先 モニターA 指先 手洗い前 モニターA 指先 手洗い後
手のひら モニターA 手のひら 手洗い前 モニターA 手のひら 手洗い後
B

■ハンドソープ:有

■洗い時間:10秒

■流水時間:5秒

■手拭き方法:タオル

指先 モニターB 指先 手洗い前 モニターB 指先 手洗い後
手のひら モニターB 手のひら 手洗い前 モニターB 手のひら 手洗い後
C

■ハンドソープ:無

■洗い時間:無

■流水時間:5秒

■手拭き方法:ペーパータオル

指先 モニターC 指先 手洗い前 モニターC 指先 手洗い後
手のひら モニターC 手のひら 手洗い前 モニターC 手のひら 手洗い後

 手洗いの方法は各人さまざまでしたが、いずれも手洗い後のスタンプ培地にコロニーが確認されました。モニターになってくれた皆さんは、手洗い後に菌が減っていないことや、逆に増えていることに少なからず驚いていました。

「えっ~~~、洗ってる意味ないじゃん?・・・」 

と。 汗・汗・汗・・・

イメージ通りにきれいに洗うのは難しい?~これを機に、洗い方を見直してみませんか(*^^)

 さて、試験担当者は、この結果について考察してみました。

 手にはもともと常在菌と呼ばれる微生物が存在しているため、完全にいなくなるとは思っていませんでしたが、手洗い後に増えた理由を考えてみました。一つ目は十分に洗い切れていないことに加え、指の隙間などにいた微生物を塗り広げてしまった可能性です。これは、手全体を洗えていない、または洗いが不十分だと言えます。もう一つは、手洗い後に蛇口へ触れたり、共用タオルや十分に清潔でないタオルで手を拭いたりすることで、微生物が再び付着した可能性が考えられます。

 なお、今回使用したペーパータオルについては、事前に微生物がほとんど付着していないことを確認していました。一方で、Bさんはご自分のタオルを使用したため、それを介して微生物が再付着した可能性も考えられそうです。

 いずれにしても、普段当たり前のように行っている手洗いですが、イメージ通りに洗えていないことがはっきりしてしまったため、認識を改める必要があるのかもしれません。

 手の微生物をゼロにすることは難しいですが、汚れや一時的に付着した病原性微生物が食中毒や感染症の原因となることがあります。そのため、手洗いでは微生物を完全に無くすことを目指すのではなく、できるだけ数を減らし、清潔な状態を保つことが大切です。

 毎日何気なく行っている手洗いですが、少し意識するだけで洗い方は変わります。読者の皆さんも、今回の検証結果をきっかけに、普段の手洗いを見直してみてはいかがでしょうか。試験担当者としては、ぜひお勧めします。

試験担当者は、これからもさらなるチャレンジをしていきます!

 今回は手に付着している微生物をターゲットに手洗いの前後でどう変化するかを確認しましたが、スマホやPCのキーボード、オフィスの床やドアノブ、掃除をさぼった状態、除菌製品を使った後など、今後も気になるシチュエーションで菌数測定をしてみたいと思います。どうぞご期待ください!

※上図「正しい手の洗い方」は、洗い方の一例です

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コラム執筆担当
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 バイオケミカルグループ

本コラム「試験担当者のひとり言」は、毎月2回(5日・20日)更新しています。

次回もお楽しみに!

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