2026/04/20
〖試験担当者のひとり言〗~ お役立ちな独白17 寒天培地を手作りしてみよう!-イモの種類で「かび」の育成は変わるの?-
おさえておきたい基礎知識
2025/11/20

今月の【試験担当者のひとり言】独白11は、1週間洗っていないファンデーションスポンジの生菌数を計測しました。人によって菌数に大きな差が出る実態と、その背景(使用環境・防腐設計)を、写真とデータで解説します。
バイオケミカルグループでは、さまざまな素材の抗菌・抗ウイルス等の機能性評価を中心に化学系の分析試験を行っています。今回検証したファンデーションスポンジのように、「実使用環境に近い条件で評価したい」「他社製品と比較したい」など、企業様ごとのニーズに応じて、ニッセンケンでは柔軟なカスタマイズ試験をご提案しています。
バイオケミカルグループ 特設サイトは【こちら】をご覧ください!
パフやスポンジ、メイクブラシといったメイク道具。みなさんは定期的にお手入れしていますか?
私、実は・・・・・・全然してません!
メイク道具が汚れていると、化粧ノリや発色が悪化したり、雑菌が繁殖する原因にもなるといわれています。正直私が気になるのは“見た目の仕上がり”ばかりで、“目に見えない菌”はあまり意識していませんでした。
・・・しかし、これでも私、バイオケミカルグループに所属している人間なんです。自分のメイク道具の衛生管理には無頓着だったというオチ。これはもう苦笑いするしかありません。


そんなわけで、洗わずに使い続けたファンデーションスポンジには、実際どれくらい菌が付着しているのか?社内メンバーにも協力してもらい、“目に見えない菌”を可視化して調べてみました。

| 【検証方法】 1. 5名に新品のファンデーションスポンジを配布し、1週間一度も洗わずに使用し続けてもらう。 2. 1週間使用後のファンデーションスポンジを液体培地で揉みこんで付着した菌を洗い出す。 3. 洗い出し液を細菌用の寒天培地にまいて3日間培養する。 4. 寒天培地に発育したコロニーを数え、スポンジ1個あたりの生菌数を測定する。 |
結果は以下の通りです。
コロニーの形や、生菌数が異なり、人によって皮膚常在菌の種類や数が違うことが分かる、面白い結果となりました。
| メンバー | スポンジ1個あたりの 生菌数 | コロニー写真 (見やすい写真をピックアップ) |
| Aさん | 1,385 | ![]() |
| Bさん | 155,500 | ![]() |
| Cさん | 1,695 | ![]() |
| Dさん | 17,300 | ![]() |
| Eさん | 655 | ![]() |
おそらく、ぱっと見で、「BさんとDさんって、いったい!!??」(苦笑)と思った読者の方も多いと思いますが、「菌がいる=悪」ではありません。皮膚にはもともとたくさんの常在菌がいて、健康や美しさを保つために必要な存在ではありますが、自分の顔に付着していた菌を目の当たりにすると、やっぱり少しゾッとしますね・・・(ちなみに私の結果がどれなのかはヒミツです)。
また、菌数が多い人と少ない人では約200倍の差となりました。これは皮脂量や常在菌の数などの個人差も考えられますが、使用したファンデーション類の「防腐力」の違いも影響しているのかもしれません。せっかくなので、化粧品に含まれる防腐力について復習してみます。
化粧品の微生物による汚染には一時汚染と二次汚染があります。


一時汚染は衛生管理を徹底することで防ぐことができますが、二次汚染は実際の使用環境でどうしても起こりうるもののため、ゼロにすることはできません。では、なぜ化粧品がすぐに腐ったり、カビが生えたりしないのか?それを支えているのが、防腐剤による「防腐力」です。
化粧品の中には、保湿やなめらかさを出すために水分や栄養分を多く含むものがあり、環境としては微生物にとってとても居心地のよい場所です。もし防腐剤が入っていなければ、たとえば夏場の湿度や高温の中で、あっという間に菌が増殖してしまいます。防腐剤はその繁殖を抑え、化粧品の品質と安全性を保つための見えないガードマンのような存在です。
また、最近は「低刺激」「防腐剤フリー」といった製品も増えていますが、実はこれらも「防腐剤の種類や量を工夫して安全性を保っている」ケースが多く、単に「無添加=安心」というわけではありません。防腐剤を減らしすぎると、二次汚染による菌の繁殖を抑えられなくなるリスクがあるため、製品の防腐設計は非常に繊細なバランスの上に成り立っています。



化粧品にとって微生物汚染を避けることはとても重要です。今回のコラムでは化粧品そのものではなく、パフの生菌数を測定しましたが、いずれにしても直接肌に使用するものなので衛生的に使用したいところです。メーカー側で防腐設計や品質管理を徹底していても、使用者の使う環境が汚染していると、もったいないですね。
次回はこの「防腐力」に焦点を当てて、手作り化粧水の防腐剤の効果を検証してみたいと思います。
開発や販促の現場では、次のような課題がありませんか?
〇自社製品の効果や安全性を数値で示したい
〇商品が想定する特定の条件・成分・環境で試験を行いたい
〇規格試験だけではなく、実使用に近い条件で評価したい
ニッセンケンでは、目的に合わせて最適な試験設計をご提案します。簡易的なスクリーニングから、実使用条件を再現した評価まで柔軟に対応可能です。
“効果がある”を、試験で可視化して証明する。
その一歩を、ぜひ私たちにご相談ください!
【コラム執筆担当】
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 バイオケミカルグループ
本コラム「試験担当者のひとり言」は、毎月(20日)更新しています。
次回もお楽しみに!
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