2025/03/04
《化学物質のいろは》第17弾 ペンタクロロベンゼン
おさえておきたい基礎知識
2026/06/20

だんだん気温も高くなり、冷たい飲み物がおいしい季節になってきました。外出先やオフィス、学校などで、ペットボトル飲料を持ち歩く機会が増える時期ですね。ところで皆さん、「また、あとで飲もう」と思って、飲みかけのままのペットボトルを放置してしまった経験などありませんか?
あるあるで、
●デスクの上に置きっぱなし(もしや、一晩放置とかも!?)
●暑い中、長時間の持ち歩き
●冷蔵庫に戻し忘れ
・・・など、ついついやってしまいがちですよね。
ペットボトルに直接口を付けて飲むと、口の中の微生物が飲料に入り込みます。「早く飲み切ったほうがよさそう」とは思っていても、ついつい放置してしまいますよね。実際、置きっぱなしにしたら、飲料の中で、どのくらい菌が増えるのか、試験担当者としてはとても気になるところです。
そこで今回は、飲みかけのペットボトル飲料を一定時間放置し、生菌数がどのように変化するのかを調べてみました。

4種類の飲み物を4℃・20℃・35℃の温度条件で放置
4種類のペットボトル飲料(カフェオレ・スポーツドリンク・麦茶・緑茶)を、数回に分けて口を付けて半分程度飲んでもらいました。
その後・・・、
●冷蔵庫内を想定した「4℃」
●涼しい室内を想定した「20℃」
●真夏に長時間持ち歩き、温かくなった状態を想定した「35℃」
という、3種類の温度条件で24時間放置し、放置前後の生菌数を測定しました。

細菌は、甘いカフェオレが好きで、酸性のスポーツドリンクは嫌い?
飲料の種類や保存温度によって、生菌数に大きな差がみられました。一覧表に結果をまとめます。
※放置時間は、各温度共通で24時間
| 飲料 | 条件 | 生菌数 (CFU/mL) |
試験担当者からワンコメント |
|---|---|---|---|
| カフェオレ | 放置前 | 530 | 35℃放置で、生菌数はなんと約1万6,000倍に増加しました。カフェオレには糖分や乳成分など、微生物が利用しやすい栄養が豊富に含まれており、さらにこの35℃条件は細菌が増えやすい温度のため、一気に増殖したと考えられます。 |
| 4℃ | 120 | ||
| 20℃ | 2,510 | ||
| 35℃ | 8,800,000 | ||
| スポーツドリンク | 放置前 | <1 |
すべての条件でほぼ検出されませんでした。放置前の時点でほとんど検出されなかったことから、もしかしたら飲用時に混入した菌数自体が少なかった可能性も考えられます。 もう1つの可能性としては、一般的に、スポーツドリンクは酸性であるため細菌が増殖・生存しにくい環境にあると言えます。そのため、他のサンプル同様に菌が一定数混入していたとしても、口を付けてから測定までのわずかの間に菌が減少したということも考えられます。いずれにしろ、今回の結果だけではどちらの影響が大きかったのかは分からないため、興味津々の試験担当者としては、今後さらに検証してみたいと思います(!)。 |
| 4℃ | <1 | ||
| 20℃ | <1 | ||
| 35℃ | <1 | ||
| 麦茶 | 放置前 | 290 | 35℃では、生菌数が約1,400倍に増加しました。「お茶だから安心」と思われがちですが、原料である“大麦由来の炭水化物”などが菌の栄養源になったと考えられます。 |
| 4℃ | 330 | ||
| 20℃ | 790 | ||
| 35℃ | 410,000 | ||
| 緑茶 | 放置前 | 132 | 麦茶と同じ「お茶」でも、緑茶では菌数の増加は見られませんでした。緑茶に含まれるカテキンには抗菌作用があるため、菌が増殖しなかった可能性があります。 |
| 4℃ | 33 | ||
| 20℃ | 4 | ||
| 35℃ | 46 |
スポーツドリンクと緑茶の各温度条件、及び、4種の飲料共通で4℃と20℃の温度条件では、大きな菌数増加は見られませんでしたが、これはあくまで今回の試験条件での結果です。口の中の状態や直前に食べたもの、混入する微生物の種類・量などによっては、菌数が大きく増える可能性もありますので、その点をお含みください。
3つのポイント「早く飲み切る」「涼しいところで保管」「コップに移す」
今回の結果から、飲みかけのペットボトル飲料は、種類や温度条件によって菌数が大きく増加する可能性があることが分かりました。安全に飲むためには・・・、
●飲みかけのものは、できるだけ早く飲み切る
●短時間でも高温での放置を避ける
●直接口を付けず、コップに注いで飲む
・・・といった対策が有効と考えられます。
特に夏場は、温度上昇によって微生物が増えやすい環境になります。飲料の種類に
よって増え方も異なるため、どうか飲みかけ飲料の取り扱いにはご注意ください。

また、ご家族やご友人、学校や職場、サークル等のお仲間の皆さんにも本コラムの内容を情報共有していただきまして、食中毒等の予防にお役立てください。以上、試験担当者からのお願いでした!(^^)!
バイオケミカルグループでは、さまざまな製品の抗菌・抗ウイルス試験や、消臭・防臭試験などを行っています。「該当する試験規格がなく、評価の進め方が分からない」「どう評価すればいいか分からない」など、評価方法のご相談から対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
【コラム執筆担当】
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 バイオケミカルグループ
本コラム「試験担当者のひとり言」は、毎月2回(5日・20日)更新しています。
次回もお楽しみに!
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