2016/07/30
No. 69 「花火の色はどうやって造り出されて いるのだろうか …」
思いつきラボ
2015/07/30
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2015年7月30日時点の内容です。
思いつきラボの冊子が発刊されてから感想や質問など多くいただいており、また読んでいただけていることを嬉しく思っております。その中で原稿の不備を指摘されたものがありましたので、取り上げておきたいと思います。
第26回の「無機物繊維について…」の後半・金属繊維の説明のところなのですが、「…ラメ糸はほとんどが アルミ箔を使った…」という文章のところ、実際には“アルミ蒸着フィルム”の方が生産量が多いとのことです。アルミ箔を使ったラメ糸もあるのですが、指摘を受けて軽率な原稿を書いてしまったと反省しております。
ラメ糸に使うラメは“アルミ箔”ではなく、“アルミ蒸着シート”のスリット糸のほうが主流になっています。当センターにもラメ糸フィルムの組成を調べる依頼もあるのに迂闊(うかつ)なことをしてしまいました。弁解がましいですが、物造りをするときに製品プリントに“箔プリント”と呼ばれる加工がありますが、“箔”とはいいながらこちらも“アルミ蒸着フィルム”を使っています。
プリントシートの場合はポリエステルフィルムに剥離剤(はくりざい)を施したシートを使用した転写プリントですが、仕上がりは“箔プリント”と呼んでいます。ファッション業界・繊維業界のありがちな現象でちょっとした業界の違いで本来の意味とは違った使われ方をしてしまいます。思いつきラボではそんな話をよく取り上げているのですが、今回はミスってしまいました。ホームページの方は“アルミ箔”⇒“アルミ”に訂正させてもらいます。冊子の方もこのコラムを読まれた方は直しておいてください。折角なので“アルミ箔”と“アルミ蒸着”の違いを整理しておきます。
“アルミ箔”というのは、アルミニウムの塊をロールで挟んで延伸して薄くしたもののことです。料理などで使うアルミホイルをイメージしてもらえば分かりやすいと思います。“箔”というのは本来、金や銀などの金属を叩き延ばしたもののことでつなぎ目のない一枚ものですので、遮光・遮湿・防水などが可能になります。熱伝導性も高いのでうどん鍋や簡易コンロなどにも使われています。
“アルミ蒸着フィルム”はアルミニウムを真空状態で加熱蒸発させた微粒子をフィルム面に付着させたもので、表面を全て覆ったようにはなりますが粒子と粒子の間には隙間があります。とはいえ、アルミ箔ほどの精度はありませんが、遮光・遮湿・耐水機能などに優れています。軽くて折り曲げにも対応がとれるので、お菓子の包装材や乾燥食品用によく使われています。アルミ箔もアルミ蒸着も身近にあるので一度比較して見てください。
今回の原稿は訂正連絡を冒頭に掲載して別のテーマを書くつもりだったのですが、いつものように思いつくまま進めていたら長くなってしまいました。
実は先日セミナーで筆者が講話をしたのですが、その時“ラメ糸”の講話もセットになっていたので、いい機会なので聴講してきました。ということで、覚えたてのラメ糸(蒸着フィルム)の生産工程を紹介しておきます。とはいえ俄(にわ)か仕込みなのでおおまかなものではありますが・・・
といった流れで、ラメ糸は作られているとのことです。
今回の思いつきラボは冊子の原稿にご指摘をいただいたことで一話終わってしまいました。他にも気付いた点がありましたらまた連絡願います。ご意見・ご感想お待ちしております。
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竹中 直(チョク)
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