2022/08/26
化粧品の基礎知識 / 第3回:元売りのメリット・デメリット
おさえておきたい基礎知識
2024/09/02
世界の化学物質の使用状況において、実に25%を占めている繊維関連製品の生産。昨年9月より開始した本コラム・《化学物質のいろは》では、SDGsの目標の1つでもある「12 つくる責任、つかう責任」を担う繊維産業・関連産業に携わるすべての方に、少しでもお役に立てるよう、化学物質に関する基礎知識と最新情報をお届けします。
図1 繊維産業チェーン概念図
重金属類には有害性を有する物質が多く、第11弾ではその中でもカドミウム・鉛・ニッケルをご紹介いたします。第10弾でご紹介したアリールアミンと同様に、インターネットで販売されている食器などから韓国の基準を超過するカドミウム・鉛・ニッケルが検出され、注目を集めています。
カドミウム、鉛は亜鉛とともに鉱山から多く産出されています。ニッケルは、様々なニッケル化合物として採掘され日本も産出国の一つです。カドミウムは染料/顔料用原料、電池、合金、メッキとして使用されています。鉛は、染料/顔料、重り、バッテリー電池やはんだの原料として広く用いられています。昨今は水道管、はんだ、塗料の鉛フリー化が進んでおり蓄電池以外の用途としては放射線の遮蔽材として使用されています。ニッケルは合金などニッケル化合物として生活に欠かせない物質であり、染料/顔料用原料、金属製付属品、ニッケルメッキなど使用されています。また使用済みのニッケルを回収してリサイクルする動きも見られます。
鉛:遺伝性疾患、発がん、生殖能力または胎児への悪影響、腎臓、中枢神経系、末梢神経系等
カドミウム:遺伝性疾患、発がん、生殖能力または胎児への悪影響、肺・呼吸器への障害等
ニッケル:発がんのおそれの疑い、アレルギー性皮膚炎を引き起こす可能性
<エコテックス®の規制※>※規制物質・基準値の詳細はニッセンケンのHPをご覧ください。
重金属分析は主に「溶出試験」と「含有試験」があり、スタンダード100、レザースタンダード、エコパスポートで規制しています。
(例)
スタンダード100 溶出試験
鉛※1 :Annex 4:0.2 mg/㎏(クラスⅠ)、 1.0mg/kg(クラスⅡ~Ⅳ)
Annex 6:0.2 mg/㎏(クラスⅠ~Ⅳ)
※1:ガラス素材:1,000mg/㎏(クラスⅡ~Ⅳ)
カドミウム :0.1mg/㎏(クラスⅠ~Ⅳ)
ニッケル※2 :Annex 4:1.0 mg/㎏(クラスⅠ)、 4.0mg/kg(クラスⅡ~Ⅳ)
Annex 6:1.0 mg/㎏(クラスⅠ~Ⅳ)
※2:金属素材0.5 mg/㎏(クラスⅠ)
スタンダード100 含有試験
鉛※1 :Annex 4:90 mg/㎏(クラスⅠ~Ⅳ)
Annex 6:90 mg/㎏(金属製品、クラスⅠ~Ⅳ)
75 mg/㎏(樹脂製品、クラスⅠ~Ⅳ)
※1:ガラス素材:1,000mg/㎏(クラスⅡ~Ⅳ)
カドミウム※3 :Annex 4:40 mg/㎏(クラスⅠ~Ⅳ)
Annex 6:40 mg/㎏(クラスⅠ~Ⅳ)
※3:ガラス素材:1,000mg/㎏(クラスⅡ~Ⅳ)
重金属類は欧州REACH規則をはじめ、国内でも多くの法律や規格(食品衛生法、玩具安全基準 等)において規制対象となっています。
またエコテックス®では銅や水銀・ヒ素などその他の重金属元素についても規制を行っており、エコテックス®認証を取得することで様々な規格や法律にも対応が可能となります。
これからもエコテックス®の規制物質にご注目ください!
【有害化学物質に関するお問い合わせ先】
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 化学試験事業部
E-mail : oeko-tex@nissenken.or.jp
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