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No. 123  「11月5日は「世界津波の日」なのです…」

2018/10/30

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2018年10月30日時点の内容です。

9月28日インドネシアのスラウェシ島でマグニチュード7.5の地震があり、津波も発生し大きな被害をもたらしています。今回の津波の解析はこれからではありますが、映像から見ても 10m以上の高さで押し寄せてきたものもあり、入り江という地形がさらに大きな威力になったと考えられます。津波は世界各国で起きている現象ですが、日本で大きな津波が過去にあったことなどから、津波はそのまま“Tsunami”として国際用語になっています。2015年(平成 27年)12月に国連総会本会議で「世界津波の日」を定める決議が採決されました。津波の脅威に関心を持ってもらい、その対策を国際的に考えていこうというものです。

正式に制定されたのは翌年の 2016年(平成 28年)3月10日ですが、内容は

・11月5日を「世界津波の日」とする
・早期警報、伝統的知識の活用、「より良い復興」を通じた
災害への備えと迅速な情報共有の重要性を認識すること
・すべての加盟国、組織、個人に対して、津波に関する意識を向上するために、適切な方法で世界津波の日を遵守することを要請すること

などとなっています。

実はこの11月5日という日は、日本の「津波防災の日」から定められています。「津波防災の日」も定められたのは、あの2011年3月11日の東日本大震災のあとに大津波による大きな被害が発生したことを受け、同年 6月に津波被害から国民の生命・身体・財産を保護することを目的に「津波対策の推進に関する法律」なるものが制定され、併せて毎年 11月 5日を「津波防災の日」とすることが定められたのです。


ということなので国内でも2011年の制定なので、まだ認知度も低いのですが、関係団体中心に行動訓練が行われることが増えてきています。“行動訓練”とは「緊急地震速報を見聞きしたときに、あわてずに自分の身を守れるか、訓練で確かめましょう!!」というもので、「周囲の状況に応じて、あわてずに、まず身の安全を確保する」ことを基本にしています。
単に避難場所が決まっていてそこまでの避難訓練よりかは、災害内容によってどう対応すべきかを判断する訓練になっています。普段からいろいろな災害を想定して、危険に対する備えをしておきましょうというものなのです。

津波防災の日の由来

津波防災の日が 11月 5日となったのは、“稲むらの火(いなむらのひ)”の逸話になっている1854年11月5日に発生した安政南海地震(あんせいなんかいじしん)に因んだとあります。津波災害から難を逃れた話として、災害講話などではたびたび取り上げられることがあります。紀州広村の話で現在の和歌山県有田郡広川町にあたるところで“濱口 梧陵(はまぐちごりょう)”という人物が機転を利かせて村民を救ったというお話しなのです。
あらすじをざっと紹介しておきます。

この話の前日 11月4日にも大きな地震(安政東海地震 あんせいとうかいじしん)があり、この時も村民たちは高台に避難して津波の到来に備えたのですが、黒い高波が現れたものの大きな被害はなく、海が穏やかになったことを見極めて村民は家に戻りました。その翌日村人が井戸が枯れていることに気づき、何か起こるのではと恐れていたところに、夕方に昨日よりも大きな地震(安政南海地震)が起きてしまいました。しばらく様子を見ていたものの、いきなり大津波が押し寄せ、民家を襲い、さらに広川を遡って人家を呑み込んでいくさまが見えたのです。


濱口 梧陵本人も潮の流れに巻き込まれながらも、辛うじて丘に漂着すると、すでに逃げ遅れた人たちの悲惨な光景が広がっていたというのでした。

日が暮れて、逃げ惑う人たちがどこへ行けばいいのか判らないであろうと、収穫を終えた十数個の稲むらに火を放ち、こうこうと燃え盛る火の方角が避難する人の目印となり村民を救ったとあります。


“稲むら”とは稲を刈ったあとに乾燥のため束ねて幾重にも竿に掛けた状態のもののことで、いくつかがまとまって点在しているものなのです。みんなに知らしめるために瞬間的な判断で火をつけたということで、その後津波も収まったとはいうものの、変わり果てた土地はどうすることもできず、みんな落胆し土地を離れるしかないという状況で、濱口 梧陵はこの村を守るために大きな堤防を造ることをきめ、村民たちに仕事を与えることで土地に留まるよう説得したのです。

村民たちも濱口の熱意と仕事を与えてもらった好意に感謝して、本来の農業や漁業の復興・復旧に努めながら堤防の建設に取り組んだのです。その結果、村はさびれることもなく以前のように平穏な暮らしが戻ったというお話なのです。その後の地震による津波からも村を守り、広村堤防(ひろむらていぼう)と呼ばれ今では国の史跡に指定されています。国家事業ではなく、個人の私財を投じて造られたことも素晴らしい行為として称えられています。

このときの教訓もさることながら、2日続けて大地震が起きていることが南海トラフで短期間に続けて大地震が発生することも確認できるのです。災害が起きた時にどう対応するかはその状況ごとに判断は異なるものなので、さまざまなケースを想定して常日頃から対応を考えておくことが大切なことになります。

11月5日は津波防災の日で「世界津波の日」でもあるのです。行動訓練を行うことは意義のあることなので、避難訓練と同様に行動訓練も必要なことなのです。11月5日は津波のことを考える日と捉えるのも意味深いかも知れません。

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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp

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