思いつきラボ

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No. 99 「避難誘導標識システムガイドブック発行…」

2017/10/30

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2017年10月30日時点の内容です。

「防災・減災 避難誘導標識システムガイドブック」が2017年10月に発行されました。何のために・・・というと平成 28年(2016年) 3月 23日付で総務省消防庁国民保護・防災部防災課から各都道府県防災局に「災害種別図記号による、避難場所表示の標準化の取組について」という事務連絡文書が送られました。

内容を抜粋しますと

追補6「災害種別一般図記号」及び図記号を使った表示方法に係る「災害種別避難誘導標識システム(JIS Z9098)」が平成28年3月22日付で制定・改正され、公示されました。

ついては、都道府県等におかれましては、
① 本通知について、市区町村や関係機関への周知を図ること。
② 避難場所等の案内板等の整備及び更新の際は、災害種別記号を使い、標識システムの表示方法に倣い、表示すること。
③ 表示の整備にあたり、以下のⅡ.の点に留意の上、整備すること。
④ 避難場所等の標準表示方法の周知・普及を図ること。

に努めていただくようお願いします。・・・
※③の“以下のⅡ”の内容については省略

という文章になっています。

要は、災害種別の図記号が決まっているのと表示するときは、標識システムの表示方法を参考にして整備してくださいという事務連絡になっています。2020年東京オリンピック・パラリンピックも開催されるので、全国的に標準化しておきたいということになっています。都道府県・市区町村それぞれ地形や建造物も異なりますが、図記号と表示方法については揃えておきましょうということなのです。

防災・減災 避難誘導烏標識 システムガイドブック(表紙)

といったところで、JISの規格書だけでは自治体の防災担当者も理解しにくい部分もあるので、分かりやすいガイドブックを作成したということなのです。

ガイドブックの基になっているのが

JIS Z 9097 津波避難誘導標識システム
JIS Z 9098 災害種別避難誘導標識システム

になっています。

災害の種別としては

・水害関係
1 洪水   ・・・ 河川の氾濫による浸水災害。
2 内水氾濫 ・・・ 主に下水の処理能力を上回る降雨によって発生する提内地の浸水災害。
3 高潮   ・・・ 低気圧の接近に伴う気圧低下によって生じる海水の吸い上げ効果と強風による吹寄せ効果によって海面が異常に上昇する災害。
4 津波   ・・・ 地震の発生によって海水の変化が回りに波として広がっていく災害。

・土砂災害
5 土石流  ・・・ 大雨などによって山から石及び土砂が一気に下流へ押し流される災害。
6 崖崩れ・地滑り・・・ 大雨 地震などによって斜面が崩れたり 滑ったりする災害。
 
・火災関係
7 大規模な火事 ・・・ 大規模で起こる火災。

となっています。 台風や地震などの災害場所が特定できないものは対象になっていません。

また標識システムの種類は

ガイドブックp5 表1、災害種別避難誘導標識システムに用いる図記号

1 注意警告標識・・・ 災害が発生する危険のある地域を示すことを目的とする標識
2 避難情報標識・・・避難に関連した情報を示すことを目的とする標識
3 避難誘導標識・・・ 災害が発生した時に人々を避難場所へ避難誘導することを目的とする標識
4 避難場所標識・・・ 避難場所を示すことを目的とする標識

このガイドブックを作成したのは( 公社) 日本保安用品協会と( 一社) 日本標識工業会の2団体によるものです。言葉の説明よりも図記号や標識を見て覚えてもらったほうが馴染みやすいと思います。

災害はいつ来るかわかりません・・・

ガイドブックの中に標識の暗闇対策という項目があるのですが、災害はいつ来るかわかりません。明るいうちであれば標識もはっきり見えますが、夜間にしかも月明かりのない新月の日にさらに最悪の場合は通電が止まってしまう停電状態・・・こんな条件の時に災害が起きる可能性もあるということで、暗闇でも視認できるように対策がかんがえられています。

記載されている材料を紹介しておきますと

1 蓄光材料・・・昼間 太陽からの紫外線を蓄積し暗くなると光って見えるという特性をもつ材料。

2 反射材料・・・比較的強い光源( 自動車のヘッドライト LED 光源の懐中電灯) を照射することにより反射する材料。

3 ソーラー電源式材料・・・ソーラーパネルと充電電池から発光する材料。

蓄光性能や反射性能の基準値や試験方法も掲載されています。蓄光性能は 720 分( 12 時間) 後も光っていなければならないと定められています。蓄光材料が屋外でも高い性能が要求されています。最後に宣伝させてもらいますが、これらの標識材料の試験に関しては検査機関が指定されています。

ガイドブック p.22 8.2.2より

災害を望むことはありませんが、災害ごとに避難場所や避難対応が異なってきます。避難誘導標識システムの概要は知っておいてください。

PDF版はこちらから

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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp

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