2022/06/01
繊維製品の安全性を証明する国際規格「OEKO-TEX®」 MADE IN GREEN by OEKO-TEX®を知ろう
おさえておきたい基礎知識
2024/06/04
世界の化学物質の使用状況において、実に25%を占めている繊維関連製品の生産。昨年9月より開始した本コラム・《化学物質のいろは》では、SDGsの目標の1つでもある「12 つくる責任、つかう責任」を担う繊維産業・関連産業に携わるすべての方に、少しでもお役に立てるよう、化学物質に関する基礎知識と最新情報をお届けします。
図1 繊維産業チェーン概念図
今回はいつもと少し趣向を変え、弊センターで試験を実施した中で検出頻度が高い化学物質の中から「塩素化ベンゼン/塩素化トルエン」をピックアップしてご紹介いたします。
塩素化ベンゼン/塩素化トルエンは、一部の水素が塩素に置換された塩素化芳香族炭化水素類です。
この化学物質は、分散染料によるポリエステルやポリエステル混等の染色を行う際の染色助剤 (キャリア剤)として使用されます。
度々、キャリア剤を使用して加工された生地等からエコテックス®の規制値を超えて検出される場合があります。また、染料そのものにも含有している可能性があり、最終製品での確認も必要となってきます。特に塩素化ベンゼンの方が塩素化トルエンよりも検出頻度が高く、その中でも特にジクロロベンゼンの検出頻度が高くなっています。
キャリア剤以外にも、染料の溶剤や化学薬剤の中間体としても使用されます。
また、農薬、殺虫剤、除草剤、防腐剤や染色工程の副生成物として検出される恐れがあります。
主な試験方法の流れは、サンプルを有機溶剤で超音波抽出し、GC-MS等の分析装置にて定量します。
図2 構造式 (1,2-ジクロロベンゼン)
発がん性、生殖毒性、生物蓄積性、皮膚感作性等の毒性を有する恐れがあります。
長期曝露により臓器に影響を与える可能性も懸念されています。
▶エコテックス®
スタンダード100:1.0 mg/kg(全ての製品クラス)
レザースタンダード:1.0 mg/kg (全ての製品クラス)
エコパスポート
希釈薬剤:10 mg/kg 、非希釈薬剤:1 mg/kg
※規制物質の合計の規制値。また、個別の規制あり。詳細はニッセンケンのHPをご覧ください。
▶欧州:POPs規則 付属書Ⅰ(ヘキサクロロベンゼン)
▶日本:化審法 第一種特定化学物質 (ヘキサクロロベンゼン)
塩素化ベンゼン/塩素化トルエンは多くの規格や法律において規制対象となっています。また、規制物質の種類も多く、規制値も他の規制物質に比べて厳格なため、注意が必要な物質です。
エコテックス®認証を取得することで様々な規格や法律にも対応が可能となります。
これからもエコテックス®の規制物質にご注目ください!
【有害化学物質に関するお問い合わせ先】
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 化学試験事業部
E-mail : oeko-tex@nissenken.or.jp
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