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No. 110「分類用語の”複合繊維”の用語定義は…」

2018/04/15

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2018年4月15日時点の内容です。

4月となり、新年度を迎えることになりました。当センターにも新人さん達が入ってきてこの時期は明るく華やいだ雰囲気になります。新入職員の数は少ないのですが、出身がベトナム・バングラデシュ・中国と日本だけでなく、グローバルな入社式となりました。繊維産業がまだまだ成長産業である国は多いのです。グローバルに働きたいと思っている就職活動中の学生さん繊維の検査機関もちょっと面白いと思いますよ。育った文化の違う人たちと同期になるのは羨(うらや)ましいかも・・・。

”複合繊維”について…

さて今回のテーマですが、前号で取り上げた新しい品質表示のなかで分類用語の“複合繊維”についての問い合わせが思いのほか多かったので、整理をしておきます。

合撚糸やカバーリングヤーンは複合繊維にはならないのですが、そのような情報も流れているようで混乱しているところもあるようです。
まず JIS の用語定義に“複合繊維”の記載がないとのことだったのですが、調べてみると確かに“複合繊維”という用語はないのですが、“コンジュゲートファイバ”の用語記載はあり 文面の中に“複合繊維”は出てきます。

JIS L 0204-3 繊維用語(原料部門)- 第3部:
天然繊維及び化学繊維を除く原料部門
3.2.10 コンジュゲートファイバ(conjugated fiber)
性質の異なる 2種類以上のポリマーを口金で複合した繊維。
複合繊維ともいう。

とあります。

「ポリマーを口金で複合した繊維」となっていますので、糸となったものを合わせた合撚糸や芯糸に別の糸を巻きつけたカバーリングヤーンは対象から外れます。要は、糸として製品になったものをさらに交撚やカバリングの加工を施すものは〝複合繊維”の扱いにはならないということです。

分類用語の用語定義

筆者としても、なかなか JIS の繊維用語規格に目を通すことも少ないので、この機会に他の分類用語の用語定義もおさらいしておきましょう。

3.1.7  植物繊維 (vegetable fiber)
植物から得る天然繊維の総称

3.1.8  動物繊維 (animal fiber)
動物から得る天然繊維の総称

3.1.15 再生繊維 (regenerated fiber)
セルロースやたんぱく質を溶解して再生した繊維

3.1.11 合成繊維 (synthetic fiber)
合成高分子化合物から造った繊維

3.1.10 無機繊維 (inorganic fiber)
無機物から成る繊維の総称

と記載されています。
“半合成繊維”の用語記載はないのですが、“再生繊維と合成繊維”の間の繊維という解釈になります。あとは“羽毛”の定義ですが こちらは「羽毛用語」に記載があります。

JIS L 0216 羽毛用語

101  羽毛 (feathers)
鳥類の体表を覆う上皮構造物で、ふとん医療品
などの充てん物として利用するために採取した
もの。ダウン、フェザー及びファイバーの総称

となっています。やはりこんなときにしか用語定義規格に目を通すことがありません。ちょっと気になったのが、羽毛の対応英語が(feathers)になっているのですが、ダウン、フェザー及びファイバーの総称になっているのですが、個別に用語定義の記載を見ると

106  ダウン (down)
小さな元羽軸とその先端部から派生した 2本以上の羽枝からなる水鳥羽毛で、幹羽軸がないもの及び幹羽軸が明りょうでないもの。

108  フェザー (feather)
元羽軸、幹羽軸及び羽枝をもつ水鳥羽毛又は陸鳥羽毛。

115  ファイバー (fiber)
ダウン、フェザーの羽軸から分離した羽枝で、それぞれ1本の状態のままで完全に分類しているもの。ダウンファイバーとフェザー ファイバーがある。

となっていて、feather ⇒ フェザー feathers ⇒ 羽毛 という定義になっています。
使い分けの注意が必要となります。普段用語規定を見ていないことが分かります。他にも面白い表記を見つけてしまったのですが

水鳥羽毛(みずとりうもう
陸鳥羽毛(りくちょううもう

という部分なのですが、用語内容ではなく読み方ですが、

水鳥は「とり」で 陸鳥は「ちょう」となっています。
水鳥は音読み熟語なのに対して 陸鳥は音読み訓読みでいわゆる湯桶(ゆとう)読みになっています。「みずとり」「りくとり」ではないのです。

それがどうした原稿になりそうなので今回はこの辺で終わりたいと思いますが、メインテーマを忘れてしまいそうなので、今一度書いておきますが、“複合繊維”に合撚糸やカバーリングヤーンは含まれないということです。

PDF版はこちらから

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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp

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