思いつきラボ

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No. 103 「北海道沖でも巨大地震や大津波の可能性が…」

2017/12/30

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2017年12月30日時点の内容です。

12月19日に政府の地震調査委員会から「北海道東部の十勝沖から択捉島沖(えとろふとうおき)の太平洋に横たわる千島海溝(ちしまかいこう)で、マグニチュード 9クラスの超巨大地震が今後 30年以内に 7~ 40% の確率で起きる」との予測が示されました。しかも「切迫している可能性が高い」とも見解が添えられています。
この地域の発生間隔は 100~ 800年とばらついてはいるものの、前回の発生が 1611年 12月の 慶長三陸地震(けいちょうさん りくじしん)だったことから、400年以上の時間も経過していることで予測確率も高まってきていると考えられています。

慶長三陸地震は“慶長三陸津波”と呼ばれる別名もあり、調査委員会や北海道大学の研究で およそ400年前に沿岸から 4kmの内陸まで大津波が押し寄せたことが、堆積物の調査から推定できると報告されています。この時の津波は海抜 20m超えと推測されています。

地震は同じ地域でくり返し発生する確率が高いことは認知されていますので、北海道東部でも東日本大震災規模の大地震や大津波が起る可能性があるということになります。

巨大地震の発生確率

今回の発表では、マグニチュード 9クラスの他にマグニチュード 8前後の地震・・・これも巨大地震ですが・・・ 30年以内の発生確率についての説明もされていました。それによりますと、十勝沖では M 8.0 ~ M 8.6程度が 7% 根室沖では M 7.8 ~ M 8.5程度が 70% 色丹島(しこたんとう)および択捉島沖では M 7.7 ~ M 8.5程度が 60%となっています。

現在最も高い発生率の予測では、南海トラフ地震の予測がM 8 ~ M 9クラスが 30年以内に 60 ~ 70% の確率で起こるとされているので、ほぼおなじくらいの発生の可能性があるということになります。確かに“切迫性が高い”というのもうなずけます。

政府の地震調査委員会が M 9 クラスの発生確率を示したのは初めてのことで、北海道東部の防災対策を見直すことも検討されることになります。この地域は 1952年の十勝沖地震や 1960年のチリ沖地震など繰り返し津波被害を受けてきたので、防災意識も高いとのことですが、今回の発表を受けてさらに避難場所の標高については検討することになるようです。

ともあれ、いつどこで自然災害に出くわすかもしれませんが、まずは身の安全を確保できるところに避難することが最優先になります。自宅や勤め先などで災害が発生した時の避難場所と避難経路はあらかじめ確認しておきましょう。

世界中でおこる自然災害

今年も世界的に自然災害の多い年になってしまいました。

フィリピンではこの時期に台風 26号・27号と続けて大きな台風に見舞われて被害も大きくなってしまいました。フィリピンでは 12月の台風は珍しいことではないとのことですが、2号続けて大きな台風が上陸するのはあまりないことだそうです。
アメリカ南東部やキューバでは 8月後半に大きなハリケーンに、大雨もインド・バングラデシュ・中国はじめ多くの国で大きな被害が出てしまいました。

12月 21日、気象庁から世界の年平均気温についての報道発表があったのですが、「2017年の世界の年平均気温偏差(速報値)は、1891年の統計開始以来、第 3位の値となる見込みです。」とアナウンスがありました。

気象庁は地球温暖化の実態把握のために気温の経年変化を監視しているのですが 、2017年の世界平均気温偏差は +0.39℃で統計開始以来 3番目に高い値となるとのことでした。

ちなみに 1位は 昨年 2016年の +0.45℃で、2位は 2015年の +0.42℃、4位が 2014年の +0.27℃と、この4年で上位4位を占めています。“年平均気温偏差”というのは1981年 ~ 2010年の 30年間の平均値からの偏差のことです。直接の上昇温度差ではありませんので間違えないようにしてください。長期の 100年あたりでいえば 0.73℃の割合で上昇しているとのことです。

2015年と 2016年にはエルニーニョ現象が発生していましたが、2017年はエルニーニョ現象が発生していないため、地球温暖化が進行しているからだと分析しています。これといった地球温暖化防止の策がない状況は今後も続きますので、さらに異常気象の可能性は高くなってきます。

日本国内でも 50年に一度と言われる悪天候が頻繁に起こっていることを考えれば、経験のない想像を超える災害に襲われる可能性はあります。とにかく災害に遭遇したときは まず個人の安全のために避難することを心掛けてください。

2017年最後の思いつきラボとなりました。この 1年コラムを読んでいただきありがとうございました。よいお年をお迎えください。

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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
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