思いつきラボ

思いつきラボ

No. 87 「熊本地震から1年が過ぎました…」

2017/04/30

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2017年4月30日時点の内容です。

4月20日に小笠原諸島の西之島が1年数ヶ月ぶりの噴火を確認したというニュースが流れてきました。4月28日には海上保安庁の報道で噴出した溶岩流が西側の海まで到達し水蒸気があがっていると発表されました。また西之島が拡大する可能性がでてきたのですが。同時に西之島の北 600kmほどの位置にある海底火山「ベヨネース列岩」付近で、火山ガスと思われる気泡も連続して噴出しているのが確認されたことも報告されていました。新たな地殻活動が活発化している可能性も指摘されていました。

2013年 11月20日に噴火が確認され島の面積が 12倍にもなった2015年 12月頃より活動が弱まり、2016年 8月には上陸調査ができるようになりました。2017年となった今年の 2月14日には気象庁の噴火警戒レベルの火口周辺警報が解除されたところでした。いわゆるもとの状態まで戻ったということだったのですが、2ヵ月後に再噴火となってしまいました。
火山噴火だけは 2014年 9月27日に起きた長野の御嶽山もそうだったように、静穏状態であっても火山噴火はいきなり起こることがあるものなのです。ともあれ、西之島の動向もしばらくは様子を見守るしかありません。

地震の名称

火山噴火があると地震の心配にもつながるのですが、2016年 4月14日と16日に続けて震度 7を記録した「平成 28年(2016年)熊本地震」から 1年の月日が経ちました。
テレビニュースの映像からは、熊本城はじめ復興・復旧作業が進んでいないことがわかります。熊本地震はとにかく大きな余震が長期間にわたって発生していることが作業の進行の遅れにつながっています。まだ現時点でも予断を許さない状況にあります。余震の心配が解消されないと手がつけられないのも当然のことだと思います。東日本大震災の復興の遅れもそうですが、早く以前の生活ができるように願うしかありません。

「平成 28年(2016年)熊本地震」と書きましたが、これが気象庁が正式に命名した名称となります。大きな地震があると地震に名称がつけられるのですが、気象庁では「地震の命名基準」を設けていて基準に基づいて名称を付けているのです。

気象庁の命名基準を紹介しておきますと

気象庁では、顕著な大地震や豪雨などが発生した場合、名称を統一することにより応急対策活動等に資するとともに、将来に記録しておくべき資料として記憶に残すよう、災害を引き起こした地震等の「現象」について命名しています。
地震については、以下のような複数のおよその目安をもって、わかり易いように、「元号(西暦年)」と「震央地名」を用いるなどにより命名しています。

1.地震の規模が大きい場合
陸域: M 7.0 以上(深さ100km 以浅)、かつ最大震度5 弱以上
海域: M 7.5 以上(深さ100km 以浅)、かつ最大震度 5 弱以上または津波 2m 以上

2.顕著な被害(全壊 100 棟以上など)が起きた場合

3.群発地震で被害が大きかった場合

           気象庁サイトより引用

とあります。

どのような基準で地震の名称が決められているのかが分かります。元号のあとに(西暦年)とありますので、「平成 28年(2016年)熊本地震」と記載するのが正式名称になります。

1995年の阪神・淡路大震災以降の命名されたものは

  • 平成7年(1995年)兵庫県南部地震 平成7年 1月17日  M 7.3
  • 平成 12年(2000年)鳥取県西部地震 平成 12年 10月6日  M 7.3
  • 平成 13年(2001年)芸予地震 平成 13年 3月24日  M 6.7
  • 平成 15年(2003年)三陸南地震 平成 15年 5月26日  M 7.0
  • 平成 15年(2003年)宮城県北部地震 平成 15年 7月26日 M 6.4
  • 平成 15年(2003年)十勝沖地震 平成 15年 9月26日 M 8.0
  • 平成 16年(2004年)新潟県中越地震 平成 16年 10月23日 M 6.8
  • 平成 19年(2007年)能登半島地震 平成 19年 3月25日  M 6.9
  • 平成 19年(2007年)新潟県中越沖地震 平成 19年 7月16日  M6.8
  • 平成 20年(2008年)岩手・宮城内陸地震  平成 20年 6月14日  M 7.2
  • 平成 23年(2011年)東北地方太平洋沖地震 平成 23年 3月11日  M 9.0
  • 平成 28年(2016年)熊本地震 平成 28年 4月14日  M 7.3

となります。

やはり日本は地震大国というのが分かります。「阪神・淡路大震災」や「東日本大震災」と使ってますが、これは政府が被害の名称として付けたもので地震の名称としては「兵庫県南部地震」と「東北地方太平洋沖地震」となります。地震名と被害名とは別のものということなのです。熊本地震で被災された地域の復興・復旧が早く進むことを願っています。

PDF版はこちらから

お問い合わせ
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp

思いつきラボ

各種お問い合わせCONTACT

サービス全般についてのお問い合わせ

icon

各種試験・検査に関するお問い合わせ、ご依頼はこちらから承ります。

お問い合わせする

エコテックス®に対するお問い合わせ

icon

エコテックス®認証に関するお問い合わせ、ご依頼はこちらから承ります。

お問い合わせする

技術資料ダウンロード

icon

各種試験・検査に関する技術資料が、こちらからダウンロードいただけます。

ダウンロード一覧へ

よくあるご質問

icon

試験・検査などで、皆さまからよくいただく質問と回答をまとめています。

詳細ページへ進む

お電話からのお問い合わせはこちら

各種試験・関係法令等について

総務・管理部門 icon 03-3861-2341

受付時間 9:00~17:00(土日・祝日除く)

TO TOP