2020/04/15
No. 158 「JIS T 8127:2020 高視認性安全服 主な改正点は…」
思いつきラボ
2016/09/15
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2016年9月15日時点の内容です。
9月1日が防災の日と定められているので、9月度をまるまる防災月間としているところが多く、この時期には避難訓練や行動訓練がよく実施されます。
熊本地震が 4月 14日と16日に震度7を記録して5か月が経過したにもかかわらず、8月 31日に震度 5弱を記録してしまいました。6月 12日にも震度5弱を記録しているのですが、このときは過去の事例から推測して 2か月ほどの地震活動期間が続く可能性もあると報道されていたので、今回も過去の地震と似たような経過と思っていたのですが、5ヶ月経ってもまだ終息の気配が感じられないのはちょっと気になります。
9月 12日に韓国でマグニチュード 5.1と 5.8の地震が発生したとニュースが流れてきました。ほとんど地震のない国なのですが、マグニチュード 5.8は 韓国観測史上最大規模とのことでしたが、それでも最大となるとこちらも気になります。
地震の話題となると“南海トラフ地震”との関連性が取り上げられることが多いのですが、防災月間ということで今一度“南海トラフ地震”について整理しておきたいと思います。
まず“トラフ”とは海底深くにある溝の地形のことで、学術的には 6,000m 以下のものをトラフ 6,000m 以上のものをトレンチ(海溝)と区分されているとのことです。南海トラフは四国の南側に位置する深さ 4,000m ほどの溝地形の場所のことで、東側は駿河湾くらいまでつながっているとのことです。この地域の活動が活発で大規模な地震発生帯となっています。東から“東海地震” “東南海地震” “南海地震”の 3つの地震が連動して発生する確率が高く、その周期は 100年から 200年の間で過去に繰り返されていることが分かっています。その確立が高くなっていることで災害意識も強くなり、南海トラフ地震との関連性が取り上げられることが多くなっています。
ちょっと話が逸れますが、“地震予知”と“地震予測”には違いがあります。
2011年 3月 11日の東日本大震災の翌年に“地震予知”と“地震予測”の定義が地震学会から発表されました。
それによると地震予測は「地震の発生時間」「地震の発生場所」「地震の大きさ」を地震発生前に推定することであり、地震予知とは地震予測の中でも特に確度が高く警報につながるものとなっています。
予測や予知や予報、それに根拠のない予言まで地震に関してはいろいろな情報が流れていてほとんどの情報に信頼性を感じなくなってしまっていたので、大震災以降に的確な情報が提供できるようにと区分するようになりました。要は確率から推測できるものは“予測”でその中でも短期的な確率が高いと予測できるもののみ“予知”と呼ぶことになっているのです
地震予測
「地震の発生時間」「地震の発生場所」「地震の大きさ」を 地震発生前に推定すること
地震予知
地震予測の中でも特に確度が高く警報につながるもの
あらためて区分すると、現在国内で短期予知が可能なのは「東海地震」のみとなっています。東海地震が起きると“東南海地震”“南海地震”と連動する確率も高いので、南海トラフ地震が近いうちに起こっても不思議ではないという状況になっているのです。それゆえにどこかで地震が発生すると、南海トラフ地震との関連性が取りざたされてしまうのです。
東海地震の確率が高いと言われるのは、前回の発生が 1854年 12月 23日 安政東海地震(マグニチュード 8.4)と 150年以上を経過していることにあります。ちなみに東南海地震の前回は 1944年 12月 7日 昭和東南海地震(マグニチュード 7.9)で、南海地震の前回が 1946年 12月 21日 昭和南海地震(マグニチュード 8.0)となっています。過去にこの 3つの地震が連動して同時に発生している記録が残されていて、いずれもマグニチュード 8.0 前後と推測されています。
これらの数字をみると南海トラフ地震が巨大地震と呼ばれるのも理解できます。国や自治体が防災対策をどれだけ講じたとしても発生を防ぐことはできないので、発生時にどう避難するかだけを考えておかなければならないということです。準備しすぎということはありませんので心しておきましょう。
ついでに地震が起きたときに気象庁が発表する緊急地震速報の“予報と警報”についても説明しておきます。
気象庁の説明では
緊急地震速報とは地震の揺れの警報・予報です。緊急地震速報は地震の発生直後に、震源に近い地震計でとらえた観測データを素早く解析して、震源や地震の規模(マグニチュード)を推定し、これに基づいて各地での主要動の到達時刻や震度を予想し、可能な限り素早く知らせるものです。
となっています。
文章にでてくる“主要動”とは大きな揺れのことです。予報は震度の目安として震度3以上のもので、警報は震度 5弱以上のもので、さらに震度 6弱以上のものに対して特別警報と取り決めされています。発生時間や震央地名やマグニチュードなどの情報を加えて、テレビやラジオの放送に流されます。
特別警報も 2013年 8月 30日から運用が始まったもので、緊急時の避難につなげるものとして取り入れられました。警報だけだと非常性が伝わりにくくなったからとの判断からで、とにかく特別警報が発表されたらとにかく避難をすべきという状況になっている、ということを頭にいれておいてください。
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