思いつきラボ

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No. 63 「熊本地震2週間経ったいまでも…」

2016/04/30

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2016年4月30日時点の内容です。

とにかくすごい地震が起きてしまいました。2016 年4 月14 日と16 日に震度 7 の揺れを観測したのですが、震度7というのは現在の震度階級ではもっとも大きな震度ということになります。
1948 年( 昭和 23 年)に震度階級を震度1 ~ 震度7という区分に決められたのですが、これまで震度7は3回しか観測されていないのです。1995年(平成7年)1 月 17 日の阪神淡路大震災で淡路島北部が、そして2004年(平成 16 年)10 月 23 日の 新潟中越地震で新潟県川口町と 2011 年( 平成 23 年)3月11日の東日本大震災で宮城県栗原市が記録しただけなのです。

現在の震度階級が制定されて68年間で3 回しか発生していないのに、わずか3日間の間に震度7を2回も記録することは考えられないことだったのです。さらにその後の 2 週間の間に震度 5 弱以上の地震が18 回( 4/2 9 現在)も起きているのです。震度 7 が 2 回、震度 6 強が 2 回、震度 6 弱が 3 回、震度 5 強が 4 回、震度 5 弱が 7 回の計 18 回となっています。ちなみに昨年の 2015 年年間で震度 5 強が 5 回と震度 5 弱が 5 回の計 10 回が発生しているのですが、この数字からみても今回の「熊本地震」がいかにすごい規模で発生しているのが分かります。これだけの期間で連続して強い地震が起こることも想像しにくいものだったのです。

報道で身体に感じる揺れの震度 1 以上が 1000 回を超えたというのもよく耳にしますが、2015年 1 年間の震度1 以上の地震合計は気象庁の記録で 1841 回と発表されています。この数字は日本国内での合計ですので、今回の頻度の多さも想像を超えてしまっています。すべてにおいて予想できないものになっています。
一般的には、大きな地震があると最大マグニチュードを本震としてその後の余震は本震を超える数字はでないことが多いので、余震のマグニチュードの方が大きかったことがさらに被害を大きくしてしまいました。

余震は本震より小さいというのはやはり思い込みで、油断してはいけないということを再認識させられることとなりました。群発地震と呼ばれるタイプの地震は本震と余震のマグニチュードの差が小さいものが続けて数回おきるのですが、今回の地震の14 日のものが日奈久(ひなぐ) 断層帯でマグニチュード 6.5 で、16日が隣接する布田川( ふたがわ) 断層帯でマグニチュード 7 .3 を記録したので、群発地震ではなく前震・本震型と報道されていました。
地震のタイプはともかくとして、2 週間後の 29 日に 震度 5 強を観測していることから、まだ地震はおさまってはいないと判断するしかありません。

過去の記録

大きな地震があると、その土地ゆかりの古文書に過去にも似たような地震記録が残されているという話がでてくるのですが、今回もやはり過去に同じような地震があったという記述が紹介されていました。ちょっと気になった地震があったのですが、“慶長豊後地震” と呼ばれる1596 年に起きた大地震でも、豊後地域、今の大分地域中心に長い期間にわたって大きな地震が続いたという記述があるそうです。前震が 1 ヶ月ほど前から発生して本震があり、その後さらに 1 ヶ月ほど大きな地震が繰り返されたと解説されていました。

ほぼ 2 ヶ月にわたって連続して大きな地震が続いたとのことです。似たような事例が確かにあったので今回の熊本地震も長期にわたることもあり得るのです。とはいえ、過去にあったからといって同じ規模なのかどうかは結果からしか分かりませんが、過去の事例を参考にして避難の対応は考えられると思います。今回
の熊本地震は活断層沿いに震源地が移動しており、あらためて活断層の存在を意識することが大切なことが解りました。

南海トラフ地震の前兆とか阿蘇山噴火の前触れとかの憶測もありますが、今回の地震があってもなくても南海トラフ地震や阿蘇山噴火がいつ起きても不思議ではないので、情報に振り回されずに災害時の対応を考えておくべきなのです。熊本地方・大分地方の皆様が落ち着いた生活に早く戻れることを願っていますが、とにかく想定ができないほどの大地震なので、これからも注意が必要となります。

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竹中 直(チョク)
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