思いつきラボ

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No. 59 「カンデラという単位はロウソクの灯りから…」

2016/02/29

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2016年2月29日時点の内容です。

思いつきラボの原稿で“蓄光素材”や“再帰性反射素材”を取りあげると、cd/㎡(カンデラ パー 平方  メートル)や cd/lux・㎡(カンデラ パー ルクス 平方メートル)という単位が出てきます。光の強さを表す単位なのですが、cd(カンデラ)というものに馴染みがありません。聞きなれていないので光の強さをイメージしにくいものになってしまっています。
光に関する単位には 輝度(cd/㎡)・光度(cd)・ 光束(lm) ・照度(lx) などがありますが、照度のルクスくらいしかあまり耳にすることもありません。ということで今回のテーマは“カンデラ”という単位についてのお話しとなります。

カンデラとは?

そもそも国際的に使われる単位系は「 国際度量衡(どりょうこう)委員会 」という機関で定められています。日本国内では、その国際度量衡委員会に従って経済産業省の計量法で規定されています。単位も法律で決められているのですが、“カンデラ”の計量法の記述を紹介しますと

「カンデラは、圧力101.325ニュートン毎平方メートルの下における白金の凝固点にある黒体の 60 万分の1平方メートルの平らな表面の垂直方向の光度とする 」

となっています。

まったくもって明るさがイメージできません。そこで一般的にカンデラの説明をするときには

「 ロウソク1本の灯りが 1 カンデラ 」

という言い方をします。

計量法の記述では何のことやらと思っていたのが、これならある程度のイメージができます。

カンデラという単位が使われるようになったのは 1948年(昭和23年)の国際度量衡委員会の決定からとあり、それまでは燭(しょく)という単位が使われていました。この燭という単位がどこから来たのかというと、1860年イギリスで特定のロウソク 1本の灯りを 1キャンドルと定めたことに始まります。イギリスがキャンドルという単位を定めることになったのは、この 1860年に街路のガス灯整備に都市ガス条例 を作成するために規格化されたとあります。日本はまだ  江戸時代・・・どれだけ遅れていたのでしょうか。

テキスト ボックス: 1燭 = 1.0067カンデラ(cd)

その後、単位系も国際的に規格化されていくようになり、このキャンドルという単位をベースにカンデラという単位に定められたとあります。キャンドルはロウソクという意味のほかに光の単位でもあったのです。
カンデラ(candela)もキャンドル(candle)も元は同じ語源からできているのです。ちょうど明治維新(1868年)をきっかけに西洋文化が入り込んできたときに、このキャンドルという単位を燭 又は 燭光(しょっこう)と訳して、光の強さの単位として用いていたのです。

カンデラが規定されたときに 燭との換算式は

1燭 = 1.0067カンデラ(cd)

となりました。

1カンデラは1本のロウソクの灯りの明るさ、と言われる根拠はここにあるのです。輝度や再帰反射係数の数値を見るときには、ロウソクの灯りをイメージして光の強さを想像してください。マニアックな原稿になったついでにさらにマニアックな話をしておきますと、イギリスで定めた“特定のロウソク”がどのようなものだったかという説明をしておきます。

1860年 当時の 1キャンドル (1燭光)については「 1時間に120グレーンの割合で燃焼する 6分の1ポンドの鯨油蝋燭の光度にほぼ等しい光度 」とあります。単位がイギリスのヤードポンド法なので、現在の質量になおしますと、1グレーンは 0.06479891グラムと定められていますので、120グレーンはほぼ 7.775g となり 6分の1ポンドは  1ポンド = 0,4535kg で、換算すると 0.075583kg = 75.583g となります。

つまりのところ

「1時間に 7.775g 燃える 75.583g のくじら油のロウソクの炎の灯りが 1キャンドル」

ということになります。
馴染みの少ない単位で記載されるとイメージできるまでに手間のかかるものです。
筆者は伝統を重んじて日本は尺貫法でもいいと考えていましたが、国際度量衡委員会の必要性が理解できました。(遅い!!)

光の単位はややこしい…

光に関する単位というのはやはり理解しにくいものになっています。冒頭に記載した、光度と輝度はどう違うかというと、どちらも光源の強さを表す単位で光源の面積を考えるか、考えないかの違いとすると解釈しやすいと思っています。面積を考えたものが“輝度”、考えないものが“光度”です。・・・やはり解りにくい。

光度(カンデラ)と光束(ルーメン)の違いはというと、1方向の光源の強さが“光度”で全方向の光源の強さが“光束”と、おおざっぱに覚えておけばややこしくはならないと思っています・・・やっぱりややこしい。

“照度”は光源の強さではなく場所の明るさになりますので、光源は同じでも光源との距離で数字が変わってきます。おおざっぱすぎるとお叱りを受けるかも分かりませんが、この覚え方でも文章を読むときの理解度は違うと思います。
また話がそれてしまいましたが、今回の原稿は“カンデラ”のお話がメインです。

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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp

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