2014/09/15
No. 24 「資材繊維としての合成繊維も知っておきましょう…」
思いつきラボ
2014/01/15
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2014年1月15日時点の内容です。
新年あけまして・・・というには小正月(正月15日)では遅すぎますが、本年もよろしくお願い致します。正月を過ぎるとやっと正月気分になって(遅い!!)昔ながらの伝統のありがたみを感じます。2014年最初のコラムですので、ちょっと和風的なものにしてみました。しかも製品染めの体験報告となります。
日本の染め技法に絞(しぼ)り染めという手法があります。京鹿の子(きょうかのこ)という柄が有名ですが、昔からどこの地域でも使われてた技法なのです。生地の一部を紐などで縛って、その部分は染まらないようにするもので、絞ることによって圧をかけて染料液が入り込まないようにしているのです。
京鹿の子みたいな難易度の高いことができるようになるには修練が必要となりますが、簡単なものであれば誰にでも絞り染めで商品をつくることはできるのです。ということで、興味を持ってくれた仲間でオリジナルT-シャツを作ってみることにしました。
なぜオリジナルで作るかといいますと、市販されている白いT-シャツは蛍光晒(けいこうざらし)をしているものが多く、製品染めには適さないものが多いのです。蛍光剤は撥水系のものが多く、先に蛍光剤が使われると染料が馴染みにくいのです。
製品染め用の生地もテキスタイル段階では用意されているのですが、製品段階で後染め用のものはなかなか一般の販売ではありません。P下晒(ぴーしたざらし)と呼ばれるプリント用の生地も同様で、プリントをする時に蛍光剤は邪魔になるので、無蛍光晒の生地を使います。話が逸(そ)れてしまって染の説明がなぜか生地の話になってしまいました。
という理由でTーシャツを作ることになったのですが、ニッセンケンには型紙を引くパタンナーが居て、なぜかパターンCAD(キャド)もあるので、オリジナルを作ることにしました。Vネック・ロングスリーブのシャツにして、製品染めは染色後かなり収縮するのでゆったりめのサイズで作ってみました。本来は縫い糸も綿糸にすれば縫い糸部分も染まるのですが、ミシン調子を合わせるのが面倒なので縫い糸はウーリー糸を使用することにしました。また話が逸れて縫製の話になってしまいました。
話がどんどん染めの話から別の方へ行ってしまいますので、とにかく作ってみることにします。今回はボーダー柄の絞り染めにトライしてもらいます。
用意するもの
・染料(市販されている綿用の染料を使います)
・ボール(染料を溶かすのに使用します)
・バケツ(熱湯に染料をいれて製品を浸します)
・たこ紐(初心者は太めのたこ紐が使いやすい)
・食塩(染色の固着剤として使います)
・Tシャツ(綿染めにしますので綿100%を使います)
・割り箸(バケツの商品を混ぜるためのもの)
・ゴム手袋(染料が手につくととれにくいので)
・その他(やる気と注意力と人の話をよく聞くこと)
などなど
絞り染めの手順は以下の通りです。
自分でつくってみることで確かに絞ったところは染まらないことが確認できました。ついでに生地を染めるという過程を知ることができたうえに、自分だけのオリジナル一点ものを作ることができました。今回は1色染ではなく2色染に挑(いど)んでもらったので、レベルの高い物づくりの楽しさも経験できて、なかなか実のある自由研究になりました。
ちなみに 写真1 写真2 写真3 の作品は誰のものか分かりますか?
正解は 1月30日掲載の思いつきラボ第九回でご紹介します。
みんな良いセンスをしているうえに個性も出てて、素晴らしい出来栄えになりました。それほど大袈裟な準備も必要ありませんので手軽にできますし、作っているうちに別の配色やデザインも浮かんできたりします。ここまでくれば“目指せ染職人”といった感じになります。
後日感想を聞いたところ、「終わったあとに連れて行ってもらった店の料理がとても美味しかったです」だと・・・えっ そこ~!!
原稿担当:竹中 直(チョク)
自由研究協力者:立石ラボ 住山 久明、大阪事業所 志田 恵子・松田 道恵、 難波支所 桑田 祐子
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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp
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