2018/12/30
No. 127 「災害避難の時にも目立つ服を着ましょう…」
思いつきラボ
2013/11/15
繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。
※2013年11月15日時点の内容です。
「デニム素材の同じ生地で、スキニータイプとゆったりめのストレートのジーンズが売られているけど、夏に穿(は)くならどっちが涼しいのでしょうか?」という質問を受けました。
たしかにジーンズショップでは年間通しての定番商品を扱っているところも多く、シーズンに関わりなく同じ品番が並べられています。
中近東の砂漠地帯では日中の気温が 40℃ を超えることが日常なので、白の長袖の衣装をまとっていることはよく知られています。日本人の感覚では、夏に長袖というのは余計に暑いというイメージになってしまいますが、現地ではこちらの方が暑さを和らげているのです。これは体温と外気温の比較で、体温の方が温度が低いので、体感温度として外気温を遮断したほうが暑くないということによります。
体温と外気温を比較して外気温が高ければ全身を覆うものが、体温の方が高い気候のときは体温を逃がす半袖などの通気性のよい服が適していることになります。 ただ、温度だけを比較しての話なので、実際は湿度も影響してくるので単純なものにはなりません。ともあれ、着用して衣服内の温度と湿度を測って比較してみましょう。
予備テストのつもりで近くに居た仲間にお願いをしたのですが、ピタピタの部分は足の付け根あたりで、肌とデニムが密着しているところに温湿度計を入れて、15分後の数値で、ダボダボの部分は肌とデニムの間にゆとりがある部分で同じく15分後の数値で比較してみました。傾向がみられるかどうかだけだったのですが。結果に差がみられたので推測考察をします。
被験者のN数が少なすぎますが、平均ではダボダボの方がピタピタより衣服内の温度は低く、湿度は高くなっています。となるとダボダボの方が体感温度も低いのでは・・・と推測します。室温28℃と室内で行ったので真夏感がなく、本来は30℃を超える炎天下にやりたかったのですが、予備テストが9月後半でもたもたしているうちに、涼しくなってしまい本テストの時期を逸してしまいました。
また冬にでもどちらが暖かいというテーマでトライしてみたいと思います。こんな気まぐれ実験も、思いつきラボでは取り上げていきたいと思います。
折角なので発汗に関した雑学を紹介しておきます。人間は肌の色によって発汗のタイプが違うという研究報告があります。
白色系人種:上肢希汗型(上半身よりも下半身の汗量が多い)
黄色系人種:下肢希汗型(下半身よりも上半身の汗量が多い)
黒色系人種:全身希汗型(全身の汗量が少ない)
人間の汗腺の数は環境によって生後1~ 2年くらいで決まってくるとのことですが、現代社会では空調設備が整っているので、そのデータにも変化がみられるという報告もあるようですが、基本的には記載したタイプに分けられるということです。
日本人は黄色系になりますので、下肢希汗型(かしきかんがた)に該当します。下半身は汗が希(まれ)という漢字が使われているように、上半身に比べて下半身は汗を掻きにくい人種とのことです。下半身がしっかりとしているのは、発汗タイプの影響もあるかもしれません。
一方、白色系で上半身の割には下半身が細いという印象を受けることがあります。外国人の相撲取りにそのタイプが多いことでイメージできるかもしれません。汗腺の数は熱帯地域に住む人のほうが多いという報告もありますが、発汗部位と発汗量となると、人種によって違いがあるというお話です。快適衣服を作るときの参考にしてください。
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竹中 直(チョク)
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