思いつきラボ

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No. 127 「災害避難の時にも目立つ服を着ましょう…」

2018/12/30

繊維業界は歴史が長く、また、川上から川下までサプライチェーンが長いため、立場が異なるだけで言葉づかいや慣習が異なります。 「思いつきラボ」では、繊維に関するちょっとした疑問や面白話などをご紹介します 。

※2018年12月30日時点の内容です。

2018年の最後の思いつきラボとなりました。
本当に1年を経過する速度が年々速くなっている気がします。「時間(とき)の経つのは早いもので・・・」というのが年末の挨拶言葉になってしまっています。今年の印象としてはやはり災害の多い年だったというのが実感です。「観測史上はじめての・・・」とか「想定を超える被害が・・・」などのアナウンスも稀(まれ)にではなく、頻繁に聞かれるようになってしまいました。毎年“異常気象”という言葉を何度も耳にするようになっては「今年も例年どおりの異常気象です・・・」といった感じになってしまいます。やはりなにか地球が悲鳴をあげているようです。

今年の大きな災害を整理しておきますと

・2月 5日~8日               福井豪雪
・4月 9日            島根県西部地震 震度5強
・6月18日            大阪府北部地震  震度6弱
・6月28日~7月8日     西日本豪雨
・6月~8月                猛暑
・9月 4日 上陸               台風 21号
・9月 6日            北海道胆振東部地震 震度7
・9月30日 上陸              台風 24号

などが思い出されます。


地震は震度 5強以上が 3回発生していて、北海道胆振東部地震は震度 7 を記録しました。2016年の熊本地震から 2年ほどで発生してしまいました。豪雪・豪雨も大きな被害をもたらしました。とくに 7月の西日本を中心とした豪雨は大きな被害を出してしまいました。
さらに異常なほど暑かった猛暑で暑さによる「特定非常災害」の指定を受けたのははじめてのことでした。7月23日には埼玉県熊谷市で41.1℃の観測史上では最高数値を記録しました。そして台風も多い年で、7月の豪雨の時は台風 7号の影響だったのですが 、9月 4日に大きな被害を出した台風は 21号で台風の号数を見ても多かったことがわかります。

災害避難の時には…

“災害と繊維”というテーマで取り組みをしている大学の研究室や繊維の研究会も増えてきているのですが、災害避難の時にはできるだけ目立つ服を着るようにという呼びかけを耳にするようになりました。


とくに7月の西日本豪雨の際に行方不明者が多く出てしまったときに、強い雨で視界が悪くなったり、夜間や薄暮時に見えにくい状況の時に避難している人間を見失ったり、はぐれた人を探しにいくときに、黒系や濃色の紺色や茶色の服では見つけにくいという報告がなされています。
当然のことながら、雨天時は視界も悪くなりますし、昼間の明るいときだけ避難移動するわけではありませんので、目立つ服を着るということは災害時には大事なことになります。

また、避難誘導する人も避難者から見えやすいように、目立つ服を着用して誘導する必要があります。声だけ聞こえても視認性が悪いと方向がよく分からないことになります。避難が遅れた人や迷ってしまった人たちを探しに行く場合も、対象者が声に気づいて振り返ったときに見えやすい服装であれば、気付きも早くなり安心感を与えることができます。今年は災害が多かったこともあり「災害避難時には目立つ服をきてください」というアナウンスも多くなりました。

・災害時には 避難する人も目立つ服
・避難者を誘導する人も目立つ服
・捜索隊や救助隊の人達も目立つ服

ということがここ数ヶ月の間に拡まってきています。
とはいえ、緊急を要する災害時にいちいち着替えている余裕もないという意見もあり、対策も検討され始めています。
ここでいう“目立つ服”は具体的な製品を指しているわけではなく、見つけやすい色やデザインということになります。

これも抽象的ですが、災害時の景色をイメージすると

・濁流の黄土色や焦茶色の水の色
・倒壊による建物や家屋の瓦礫(がれき)の黒褐色
・空の青色と木々の緑色

が主な色として構成されてしまいます。

ここに赤やオレンジ色や明るい黄色などの物があれば、目を引くことになります。

避難時には目立つ服を

筆者が担当している“高視認性安全服”というレベルの話は全く出てこないのですが、目立つ服という意味では高視認性の機能である“蛍光色”や“再帰性反射材”などを取り入れたほうが視認性は高くなりますので、JATRAS規格でつくったサンプルの児童向け高視認性安全服の“犬の足跡のベスト”や“不織布に蛍光プリントベスト”などへの問い合わせがあり、製品の貸出依頼もくるようになっています。災害時の持ち出し袋に災害避難の折に着用できるものがあれば検討したい、という要望もあります。

幼稚園児や小学生が学校にいる時に災害が起こる可能性もありますので、施設に水や非常食などと一緒に備蓄してもらえれば、避難時に目立つ服として役立ちます。ということで早速(一財)日本交通安全教育普及協会と(一財)ニッセンケン品質評価センターで、JATRAS規格の簡易的な製品をつくることにしました。児童の通園・通学時や遠足等にも着用できて災害避難時にも利用できるもので考えてみました。

JIS T 8127 高視認性安全服の規格ができて、作業事故の削減を目指し、高視認性機能に着目してJSAA日本保安用品規格やJATRAS日本交通安全教育普及協会規格で一般向けや児童向けの交通事故削減に取り組み、さらに災害避難にも高視認性機能が取り入れられれば、関係者としては災害事故削減のお手伝いもできることになります。

新しい年を迎えますが、これからも高視認性安全服 高視認性機能素材について取り組んでいきたいと考えております。

2018年も 思いつきラボをお読みいただき感謝いたします。ありがとうございました。

PDF版はこちらから

お問い合わせ
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
防災・安全評価グループ グループ長
竹中 直(チョク)
E-mail: bosai_anzen@nissenken.or.jp

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