ニッセンケンメモ

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▶ニッセンケン機能性試験ファイル◀
「異常気象」にあらがう繊維産業の取組み /【File №1】暑さ対策

2026/09/30

世界的な気候変動が問題になっている昨今、日本でも線状降水帯の発生によって甚大な水害に見舞われる等、いわゆる「異常気象」への対応が社会的課題になっています。
そのような中、繊維産業は自然環境の変化に対応して、人々が快適に過ごすための機能性を持つアイテムの開発・供給に尽力しています。そしてわれわれ一般財団法人ニッセンケン品質評価センター(以下、ニッセンケン)では、その機能性にエビデンスを付与するための各種評価試験サービスを積極的に提供しています。
本コラム【ニッセンケン機能性試験ファイル】では、“「異常気象」にあらがう繊維産業の取組み”をテーマに、消費者からもニーズが特に高い「暑さ対策」「豪雨・暴風対策」「寒さ対策」のための各種機能性評価試験の概要について、3回シリーズでご紹介します。

異常気象とは? … 気象庁が20年前に本格的な対策を開始

 国土交通省・気象庁は、2007年6月に「異常気象分析検討会」を組織し、大学・研究機関等の専門家の協力を得て、異常気象に関する最新の科学的知見に基づく分析検討を行い、発生要因等に関する見解を迅速に公表しています。異常気象に対しては、約20年前から、国の専門機関を立ち上げて対応を進めていたことが分かります。


 気象庁では「異常気象」について、以下の通り定義しています。

◆過去に経験した現象から大きく外れた現象で、人が一生の間にまれにしか経験しない現象

◆大雨や強風等の激しい数時間の現象から数か月も続く干ばつ、極端な冷夏・暖冬なども含まれる 

◆気温や降水量などの異常を判断する場合、「ある場所(地域)・ある時期(週・月・季節)において30 年間に1 回以下の頻度で発生する現象」を異常気象とする


 しかし昨今、大雨等による自然災害の発生で、マスコミは連日のように「異常気象」というワードを発信しており、現在の状況は“30年間に1回”という目安には収まり切れないとも感じます。より深刻な事態にわたしたちは直面しているのではないでしょうか。

【酷暑対策】繊維の各種機能性とニッセンケンの評価メニュー

 「暑さ対策」に対応する機能性と、各機能性のエビデンスを確保するためのニッセンケンの機能性評価方法(試験)を一覧表で紹介します。

機能性の種類 評価方法 一般的な対象製品
(一例)
名 称 効 果 規 格 概 要
遮熱性 日射の熱を遮り温度上昇を抑制 JIS L 1951 試料に人工太陽照明灯を照射し、その背面に設置した熱線受光体の温度を測定 衣類全般、帽子、日傘、カーテン
遮光性 光を遮り、日差しを和らげる JIS L 1055 試料表面に光を照射し、反対側に設置した照度計で照度を測定 カーテン、防草シート等の産業資材
紫外線遮蔽 生地を透過する紫外線を遮蔽 JIS L 1925 分光光度計にセットした試料に紫外線を照射し、紫外線に対する透過率を分光光度計で測定 カジュアルウェア、スポーツウェア、日傘、帽子、日焼け対策グッズ
吸水速乾性 汗や水分を素早く吸収し、すぐに乾かす。吸水性(評価=JIS L 1907)と速乾性(評価=ISO 17617)の組み合わせ JIS L 1907
(滴下法)
試料に水を滴下し鏡面反射がなくなるまでの時間を測定 カジュアルウェア、インナーウェア、スポーツウェア
ISO 17617
(A-1法)
試験片に水を滴下し、重量を測定(残留水分率を測定)
接触冷感性 皮膚と接した瞬間の熱移動を大きくし瞬間的な冷感を得る JIS L 1927 熱板を生地に接触させた際に起こる瞬間的な熱の移動の量を測定 カジュアルウェア、インナーウェア、スポーツウェア、寝装品、タオル
涼感性 キシリトール加工生地等の吸熱反応や、水分が乾く際の気化熱を利用し冷感を得る ニッセンケン法 試験片に水を滴下し、温度を測定 カジュアルウェア、インナーウェア、スポーツウェア、寝装品、マスク
通気性 糸や組織により生地を通して空気が通過する量を調整 JIS L 1096
(フラジール形法)
試験機に取り付けた試料に空気を吸引させ空気流量を測定 衣類全般

オリジナルの暑さ対策評価でより高い製品訴求力実現へ

 代表的な評価方法だけでも7種類ほど挙げられます。いずれも暑さ対策として、皆さんが良く知るところの機能性なのではないでしょうか。概ねJISによって評価方法が定められていますが、暑さに関する一般的表現が“猛暑”から“酷暑”に変わる中、JIS法をベースにしつつも試験条件を厳しくするなどしたカスタム試験をすることで、より高い機能性のエビデンスを確保できることになるかもしれません。
 また、アイデア次第では「一般的な対象製品」にとどまらず、より広い様々なアイテムの訴求力向上に、評価試験の結果が利用できる可能性があります。例えば、サーモカメラによる【サーモグラフィー試験】では、対象製品の表面温度等の可視化が可能であり(下写真)、冷感をうたう衣類はもちろん、雑貨等の関連するあらゆるファッションアイテムに応用できます。


 あらゆる国の酷暑を、できるだけ快適に過ごせるよう、ニッセンケンは製品評価を通じて、繊維産業の取組みをサポートします。各種評価に関するご質問や、試験の見積もり依頼等ございましたら、ぜひお気軽にニッセンケンにお問い合わせください。ご連絡お待ちしています!!


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