お知らせ

複合繊維鑑別試験 アップデートのご案内

2024/01/11

業務案内

-DSC(示差走査熱量計)を導入しました-

 

 これまでスポーツ衣料や作業用衣料などに用いられることの多かった複合繊維ですが、近年のライフスタイルの変化や気候変動などにより機能性に対する需要が高まっています。多種多様な複合繊維の研究・開発が進められ、一般的なアパレル製品や寝具などでも使用が増えていますが、複合繊維の表示には、消費者に機能性をわかりやすく正しく伝えることを目的として、「繊維製品品質表示規程」が定められていることもあり、関連したお問合わせが年々増加しています。 一般財団法人ニッセンケン品質評価センターは、こうした需要に対応すべく、新たにDSC(示差走査熱量計)を導入し、より包括的な複合繊維鑑別試験を実施できるようにいたしました。

複合繊維とは? 

 その名の通り、複数のポリマーを合わせて作られる繊維のことです。性質の異なる 2種類以上のポリマーを、紡糸口金から同時に押し出し複合・紡糸することで、複数の特徴を併せ持った繊維を作ることが可能です。
 様々な構造になっていて、それぞれの特徴を併せ持つ場合や複合することで新たな特徴が生まれる場合があるなど、機能面や性能面で、より優れた繊維を生み出すことができます。

DSC(示差走査熱量計)とは? 

 DSC(示差走査熱量計)は、一定の熱を与えながら、基準物質と試料の温度を測定して、試料の熱物性を温度差として捉え、試料の状態変化による吸熱反応や発熱反応を測定する装置です。DSCによる熱物性測定は、溶融のような単純な熱による状態変化の反応だけでなく、構造の相転移、結晶化などを把握することを可能とし、高分子材料、有機材料、金属、セラミックなどの物性評価に広く応用されています。

<試験の詳細について>

対象製品 機能性を持つスポーツ衣料・一般衣料、寝具関連製品等
試  料 20cm×20cm(注:パターンの大きなものや組成によって異なる場合がございます。)

試験方法

①DSC(示差走査熱量計)による熱分析
DSCの導入により、複合繊維(ポリエステル)のような2種類のポリエステルも融点の違いに基づく鑑別が可能となります。


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