雑貨・インテリア
雑貨およびインテリア製品の試験では、堅牢度等の生地試験のほか、物性試験も行います。
雑貨
靴試験
ヒールの取り付け強度
ヒール先端(トップピースを除く)より1㎝の位置を治具で固定し、ヒールを後方へ引っ張ることで、取り付け強さを測定します。
参考情報
同様の試験としてISO 22650がありますが、試験方法が異なります。ニッセンケンではこちらも試験可能です。
ISO 22650 -試験概要
靴底の接地点に印(基準点)を付けます。取り付け方は一般的な試験方法と同様に爪先を引張試験機の治具に固定し、ヒール側を専用治具に取り付け上部に引張るのですが、まず200Nの負荷をかけたときの変形量を見ます。次に400Nの負荷をかけた後、その負荷を取り除いたときの変形量を確認。最後にヒールが取れるまで引張るというものになります。
ヒールの衝撃強さ
ヒール先端(トップピースを除く)より1㎝の位置を振り子で1回打撃(22J)し、衝撃強さを測定します。
参考情報
同じ名称の試験でISO 19953がありますが、ISOはヒールパーツそのものの強度を測る試験です(パーツは3つ必要)。対して上記で紹介の試験は製品靴(片足)をお預かりして試験を行う“取り付け強度試験”です。
ヒールの疲労耐久性(ISO 19956)
ヒール先端(トップピースを除く)より6mmの位置を振り子で打撃(0.68J/回)し、20000回打撃後の状態を観察します。
参考情報
この試験はヒールそのものの耐久性であり、製品から外したヒールは対象外です。試験体については3点必要です。
バンドの引き抜き強さ
試験体を各種治具に取り付け、100mm/minの速さで、着用時に力のかかる方向に引っ張ります。
表底はく離強さ(JIS T 8101準用)
アッパー部分と表底を剥がした際のはく離強さ(N)を測定します。先端から2cm間隔で数値を測定し、平均値、最低値を求めます。
参考情報
セメント式製法で作られた靴に適用します。
※写真は見やすいよう取り付けています。
つま先はく離強さ(JIS S 5050革靴)
つま先はく離試験は、表底のつま先部の接着の程度を測定する試験であり、セメント式製法や射出成形式製法など、接着剤で表底と靴本体を貼り合せる製法で作られた靴が対象となります。
参考情報
かかと部の測定も可能です。(BS 5131 5.1)
JISに求められる数値
〈男子用〉150N/25mm以上(59N/cm以上)
〈女子及び子供用〉100N/25mm以上(39N/cm以上)
靴の耐滑試験(ISO 13287、JIS T 8101、JIS T 8106※)
表底の滑りにくさ(動摩擦係数 : CoF)を測定します。
ISOは3カ所(つま先、踵、フラット)を測定し、JIS T 8101はフラットのみを測定します。(※ JIS T 8106≒ISO 13287)
参考情報
氷上の測定も可能です。(ISO 13287)
靴底の屈曲性 ROSS式屈曲試験機(ASTM D 1052準用)
靴のソールをセットし、所定の部分(ボールポイント)を90°屈曲させ、亀裂発生性や亀裂成長性を観察します。
参考情報
試験機はISO 5423には対応していません。ISO 5423は試験環境として-5℃とされているため、ニッセンケンでは試験できません。
※写真は見やすいように、押さえのプレートを取り外しています。
完成靴の屈曲試験(SATRA)
靴のつま先を固定し、踵をせり上げることで屈曲させるものであり、完成品の靴のまま試験が可能です。また、試験機槽内に水を張ることができるため、屈曲による亀裂や漏水といった防水性も同時に見ることができます。
屈曲回数の目安としては5万回~50万回となります。
適用規格
SATRA TM375 屈曲試験-ウェリントンブーツ用屈曲・耐水試験
SATRA TM77 屈曲試験-完成靴の透水試験
SATRA TM92 屈曲試験-完成靴屈曲試験
靴の甲革の屈曲性試験JIS K 6557-8(旧規格JIS K 6545 )
靴の甲部分に起こるような屈曲を再現し、革の損傷する程度を評価する試験です。
参考情報
JIS K 6557-8では常温での試験以外に、湿潤や低温環境での試験についても規定しています。本規格は革について規定したものですが、塩化ビニルを使用した合皮などは低温環境での試験を行うことが有用と考えられます。
靴底の摩耗試験(JIS K 6264 ウイリアムス式 B法)
加硫ゴムや熱可塑性ゴムの耐摩耗性を評価する試験です。垂直に立てた回転する研磨紙の平面に、2個の平板状試験片を一定荷重で押し付けて摩耗し、摩耗体積を求めます。
参考情報
靴底からの採取も可能です。
試験結果は【mm3/MJ】、【g/cm3】で算出されます。
オゾン暴露試験(JIS L 0890)
オゾンにより暴露し、変退色やゴムのクラックなどを判定します。
参考情報
ゴム素材の暴露試験について、伸長治具などを使用する場合は試料とは別にご用意していただく必要があります。
【安全靴】9.1耐衝撃性(JIS T 8101)
参考情報
質量 20kgのくさび形の鋼製ストライカを、作業区分毎に決められた高さから落下させ、所定の衝撃エネルギーを安全靴の先芯部に与え、規定以上の隙間を確保できるかを調べます。
作業区分の記号 | 衝撃エネルギー(J) | 落下高さ(cm) |
---|---|---|
H | 100±2 | 51 |
S | 70±1.4 | 36 |
L | 30±0.6 | 15 |
【安全靴】9.2耐圧迫性(JIS T 8101)
鋼板の間に安全靴の先しん部を挟み込み、先しんの上部より5±2mm/minの速度で徐々に加圧し、作業区分毎に決められた圧迫力になるまで圧力を加え、規定以上の隙間を確保できるかを調べます。
参考情報
靴のサイズで、例えば23.0cmの靴であれば12.5mm以上、29cmの靴は15mm以上の隙間があることとされています。これは9.1耐衝撃性に求められる数値と共通です。
【安全靴】9.3表底のはく離抵抗(JIS T 8101)
アッパー部分と表底のはく離強さ(N)を測定します。靴の先端から2cmごとに測定するのではなく、はく離強さの最大、最小のピーク値から結果を求めるものであるため、試験結果は一つの値(N)となります。
参考情報
JIS T 8101では重作業用(記号H)、普通作業用(記号S)の安全靴は300N以上、軽作業用(記号L)は250N以上のはく離強度であることが求められています。
【安全靴】9.4漏れ防止性(JIS T 8101)
総ゴム製の安全長靴において、水が靴の内部に侵入する事が無いよう、水中の長靴に空気で内圧をかけ、本体から気泡の発生がないかを確認します。
参考情報
靴の履口を密閉して水槽に浸した安全長靴に、8kPa以上の内圧を3秒間かけ、 気泡が連続して出てこないかを確認します。
【安全靴】9.5耐踏み抜き性(JIS T 8101)
釘など鋭利なもの踏んだ時、表底を貫通し足裏をケガすることのないよう、一定の強度に耐えられるかどうかを測定します。
参考情報
JIS T8101において、1100N以上の釘の力に耐えることが要求されています。
※写真は見やすいよう中敷きのみで試験しています
【安全靴】9.6かかと部の衝撃エネルギー吸収性(JIS T 8101)
かかと部にかかる衝撃を分散させ、足への負担を軽減させる性能を測定します。
参考情報
治具をかかとの中心部にあてて徐々に圧迫力を加え、かかと部の吸収エネルギーを測定します。JIS T 8101において、吸収エネルギー20J以上の性能が求められています。
【安全靴】9.7耐滑性(JIS T 8101)
滑りによる転倒事故を防ぐための効果として、動摩擦係数を測定します。
潤滑油(90%グリセリン)を塗布したステンレス板の上に靴を置き、男子サイズで500±25Nの荷重(鉛直力)をかけた状態でステンレス板の床を0.22±0.02m/sの滑り速度でスライドさせ、動摩擦係数を測定します。
参考情報
靴底の動摩擦係数(CoF)0.20以上の性能が求められています。
【安全靴】9.8足甲プロテクターの衝撃吸収性(JIS T 8101)
足甲部をプロテクターで覆うことにより、落下物から着用者の足を守る性能を測定します。
参考情報
JIS T 8101では100Jの衝撃エネルギーを与える高さから、質量20kgの鋼棒のストライカを足甲プロテクターの中心部際に25mm以上の空間を確保する性能が求められています。
スーツケース
キャスター走行性
試験体におもりを入れ、ベルト上に50°傾けて固定し5km/hで30分間走行させる。
参考情報
ニッセンケン基準 異常のないこと
おもり重量
20L未満 : 10kg
20~75L : 20kg
75L : 30kg
キャスター耐衝撃性
試験体におもりを入れ、10mmの段差のあるドラム上に50°傾けて固定し100回/minで60分回転させる。
参考情報
CPSA0014
ニッセンケン基準 異常のないこと
おもり重量
20L未満 : 10kg
20~75L : 20kg
75L : 30kg
落下強度
試験体におもりを入れ、側面、底面、縁面を下にして1mの高さから自由落下させる。
参考情報
CPSA 0014
ニッセンケン基準 異常のないこと
おもり重量
20L未満 : 10kg
20~75L : 20kg
75L : 30kg
傘
耐漏水性試験
人工降雨試験装置を降雨量が20±2 mm/hとなるように調整して20分間降雨させた後、試料の内部に伝水の有無を目視によって調べます。また、試料の内部の水滴数を数えます。
参考情報
判定では、かさの内部に伝水がないこと、かさの内部に水滴が20滴以下であることを確認します。
耐漏水性(ゲリラ豪雨※における耐漏水性)
人工降雨試験装置を降雨量が100±5 mm/hとなるように調整して60分間降雨させた後、試料の内部に伝水の有無を目視によって調べます。また、試料の内部の水滴数を数えます。
参考情報
判定については通常の降雨試験と同じです。
※メディア用語であり、気象庁では局地的大雨、集中豪雨といわれています。
回転トルク試験
把手を固定し1分間に40回、180度正方向、逆方向に回転させます。
反転の際傘の上部と下部が捻じれることにより、負荷のかかる部分に亀裂や破断などの異常が起こらないか確認します。
参考情報
はじき部分などが特に亀裂が発生しやすい箇所となります。
耐久性(JIS S 4020 洋かさ)
1分間に6回の速さで500回開閉させ、各部に“がたつき”や“外れ”などがないかを確認します。
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