機能性試験
機能性試験では、大きく分けて快適さと清潔さに関する項目の試験を行います。
機能性試験
機能性試験では、生地に付加されたさまざまな性能を測定します。機能性の用途によって専用の試験機を用いることが多く、その種類は多岐にわたります。
一般的な基準値が決まっている機能もありますが、ほとんどは未加工布との差を調べることで機能性を確認します。
機能性―快適さ
紫外線遮蔽率/太陽光遮蔽率 | 遮光性 | 吸水性 | 保温性 |
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・JIS L 1925 ・UPF値 AS/NZS-4399 |
・JIS L 1055 | ・JIS L 1907(滴下法、沈降法、バイレック法) | ・JIS L 1096 ・サーモラボⅡ法 ・サーモグラフによる測定 |
透湿性 | 遠赤外線放射特性 | 吸湿発熱性 | 温熱抵抗 |
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・JIS L 1099 ・ISO 11092発汗ホットプレート法 |
・分光放射率測定(FT-IR法) | ・恒温恒湿槽法 | ・水蒸気透過抵抗 ・ISO 11092発汗ホットプレート法 |
接触冷感/熱伝導率 | 通気性 | 防透け性 | 汗染み防止 |
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・JIS L 1927 ・サーモラボⅡ法(qmax値の測定) |
・JIS L 1096 フラジール形法 | ・JIS L 1923 ・防透け性(視感法、計器法) |
・汗染み防止 |
試験機材
機能性―清潔さ
抗菌性 |
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細菌の増殖は、食中毒や病気、アレルギーを引き起こすだけでなく、悪臭などの原因にもなり、衛生的な生活の妨げになります。身近な製品に抗菌加工をすることで、製品上の細菌の増殖を抑え、より衛生的な生活空間を提供することができます。 また、各業界団体がマーク制度を導入しており、衛生機能加工の中で最も認知度の高い機能性です。 |
除菌性(ウエットワイパー類) |
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新型コロナウイルスの世界的な流行やHACCPに準じた衛生管理の義務化など、国内の衛生に関する意識はますます高まってきています。身近な衛生製品であるウエットティッシュや紙おしぼりの中には除菌を標榜するものがあり、一般社団法人日本衛生材料工業連合会および日本清浄紙綿類工業会が定めるウエットワイパー類の除菌性能試験方法により除菌性能を評価します。 |
抗かび性 |
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かびは生活環境のあらゆる場所に存在し、かびの増殖がひどい場合、アレルギーなどの健康面だけでなく、悪臭の発生や素材の変色、脆化につながることもあります。抗かび加工とは製品上のかびの増殖を抑える加工で、ベッドカバーや壁紙などの頻繁に洗浄できない製品のほか、外壁やテントといった屋外で使用する製品などに有効的な機能性加工です。 |
抗ウイルス性 |
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ウイルスは風邪をはじめとする疾病や食中毒の原因となります。また、人口の密集した環境は不特定多数の人との間接的な接触が多く、より衛生面でのリスクが高くなります。抗ウイルス加工は製品に付着したウイルスを減らして清潔に保ち、より衛生的な生活環境を送ることを目的としており、抗菌性、抗かび性とあわせて重要な衛生機能の一つとなっています。(※) ※直接、病気の治療や予防を目的とするものではなく、ウイルスの働きを抑制するものでもありません。 |
消臭性 |
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日常生活の中で感じる臭いには汗臭、加齢臭、排せつ臭、たばこ臭、生ごみ臭など不快なものがあります。また、これらの臭いには多くの臭気成分が含まれています。 消臭加工製品は製品が臭気成分と触れることによって、臭気成分を吸着・中和・分解して不快な臭いを減少させます。また、光が照射されることにより臭気成分を分解し不快臭を軽減させる加工方法(光触媒消臭加工)もあります。 昨今、女性特有の悩みに対応する技術として、フェムテック(Femtech=Female Technology)と呼ばれる分野がクローズアップされ、吸水ショーツなどの開発が盛んに行われています。ニッセンケンでは、経血臭・オリモノ臭に特化した消臭試験にも対応しています。 |
防汚性 |
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日常生活の中で、食事の時の食べこぼしやお子さんが外で遊んだ時の泥など、繊維間のすき間や内部にまで付着した汚れはなかなか落ちません。防汚加工は、こうした汚れを繊維に付きにくくしたり、付いた汚れを洗濯で落ちやすくしたりする加工のことです。 ニッセンケンでは、JIS L 1919の粉体汚れ、親水性汚れ、親油性汚れに対する防汚試験の他に、実際の食品を用いた食品汚れや擬似花粉を用いた花粉汚れに対する試験も行っています。 |
SEKマーク
SEKマークは一般社団法人繊維評価技術協議会が定めるマーク認証です。
機能性加工を施した繊維製品について評価基準や安全性基準、付記用語などが定められており、基準に合格した繊維製品にマークを表示することができます。
ニッセンケンは、指定試験機関として以下のマークに該当する機能性評価の試験を行っています。
SIAAマーク
一般社団法人抗菌製品技術協議会が定める認証制度のマークで、繊維製品以外の日用品・家電製品・住宅建材・ペット用品・家具などを対象としています。
「抗菌性」「安全性」「適切な表示」の3つの基準を満たす製品について申請(登録)を行うことで、マークを表示することが可能です。
ニッセンケンは JNLA(産業標準化法試験事業者登録制度認定)を取得する指定試験機関として、当該製品の機能性を証明するための試験を行っています。
JNLA(産業標準化法試験事業者登録制度)とは
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が進める制度で、日本産業規格(JIS)の試験を実施する試験事業者が品質システム・試験設備・機器が要求事項を満たし、品質システムを正しく運用しながら適切に試験を実施できているかどうかを審査対象としています。
認定により、JIS Z 2801について適切な試験を実施し、JNLA標章・認定章のついた試験証明書を発行できる試験所として認められたことになります。また、ニッセンケンは既に国際 MRA対応事業者としても認定されています。
機能性ー安心・安全
機能性―その他
撥水性 | 撥油性 | 帯電性 |
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・JIS L 1092 スプレー法(家庭用品品質表示法によるはっ水表示) | ・AATCC 118 ・ISO 14419 |
・摩擦帯電圧測定 ・半減期測定 ・摩擦帯電電荷量測定 |
試験機材
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