お知らせ

山口大学研究推進体 第4回 定例研究会をニッセンケンにて開催/東京事業所・舟橋が登壇しました

2025/12/25

イベント

 2025年12月5日(金)、一般財団法人ニッセンケン品質評価センター(東京事業所)にて、山口大学研究推進体「ライフサイエンスに貢献可能な計測・分析基盤技術の創出」主催の第4回定例研究会が開催されました。

 本研究会は、材料・分析・計測をテーマにした産学連携の意見交換の場として継続的に実施されており、今回も大学・企業より多数の参加者が来場し、活発な議論が行われました。

講演

 ニッセンケンからは東京事業所の舟橋みゆきが登壇し、「服の品質どう測る?-繊維・アパレル産業での品質評価・分析技術-」をテーマに発表しました。

 講演では、動画を交えてニッセンケンが行っている品質評価試験を紹介し、長年取り組んできた獣毛鑑別(特許取得)や赤外分光法による繊維鑑別など、蓄積してきた分析技術を解説しました。

 さらに、近年取り組んでいる研究として、
 ・赤外分光と多変量解析を組み合わせたPETボトル由来リサイクルPET繊維の識別技術
 ・小型近赤外分光器を用いたポリエステル織編物中のポリウレタンを非破壊で検出する技術
 など、リサイクル現場の課題解決に直結する分析技術を紹介し、「どのような現場で役立つのか」をイメージできるよう、用途やメリットをわかりやすく示しました。

 舟橋は、紙業界で問題になった“リサイクル偽装”への危機感を示し、繊維分野でも同様の課題が起き得る可能性を指摘したうえで、まず流通量の多いPETボトルリサイクルから技術開発を進めた経緯を説明しました。
 また、衣料品の回収・選別が追いつかない現状や、日本では素材選別が人手に依存している課題を踏まえ、「繊維 to 繊維リサイクルを支える基盤技術に育てたい」と研究の目的を述べました。

 特に「品質を測ることは、循環型産業を支える社会基盤になる」という視点は、参加者からも強い関心を集めていました。

 本研究会では、中央大学・片山建二教授による「研究段階から使える機械学習と分析化学データを組み合わせた材料最適化」についての講演も行われ、学術領域での先端的なデータ解析の取り組みが紹介されました。
 舟橋の講演と合わせて、産業界・学術界それぞれの視点が示され、研究会全体としての多面的な議論が深まりました。

ポスター発表・研究交流会

 後半の研究交流会では、企業による多数のポスター発表が行われました。
 ニッセンケンもライフ アンド ヘルス事業本部がポスター発表を実施し、エコテックス®認証製品の展示が多くの参加者の関心を集めるなど、研究者・企業担当者間の交流が行われ、計測・分析技術に関する最新動向を共有する貴重な機会となりました。

【関連情報】

 ニッセンケンでは、学術界・産業界と連携しながら、繊維・衣料分野における先端的な分析技術の研究開発を進めています。今回の講演内容に関連する、当財団の取り組みや技術開発に関する記事もぜひご覧ください。
>>リサイクルPET繊維の判別技術の開発
>>獣毛繊維の鑑別試験がJIS規格に採用
>>羽毛の鳥類を鑑別する方法

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