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繰り返される男児用水着着用による傷害事故

独立行政法人国民生活センターは7月15日、《男児用水着のインナー生地を確認しましょう-陰茎部の皮膚が挟まり、とれなくなることも-》を報道発表しました。「水着のインナーのメッシュ生地に、陰茎部の皮膚が挟まり取れなくなり病院へ搬送された」といった事例に関する注意喚起です。

（写真と本文は関係ありません）

■男児用水着のインナー生地を確認しましょう-陰茎部の皮膚が挟まり、とれなくなることも-

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210715_1.html

この男児用水着による陰茎部の挟まり事故に対して、同センターや独立行政法人製品評価技術基盤機構（NITE）では2006年に情報提供を行ったほか、2014年には消費者庁、2016年には日本小児科学会が、それぞれ注意喚起を行っていました。しかし、その後も市場には事故を引き起こす恐れのある商品が依然として出回っていることから、今回の注意喚起となりました。

■製品安全マガジン №74 2006.12.13 / 独立行政法人 製品評価技術基盤機構

https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2006fy/psm_sp14_121302.html

■傷害速報 №58 2016.3.1 男児用水着のメッシュ生地による陰茎包皮の絞扼 / 日本小児科学会子 どもの生活環境改善委員会

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0058.pdf

インターネットショッピングモールの実態も調査

同センターでは今回の記者発表に先駆け、インターネットショッピングモールでの販売実態を調査しています。過去に事故を起こしたメッシュの穴の大きさを参考にした調査で、「2ｍｍ前後のサイズの、穴が空いているとすぐにわかるメッシュ生地が使われているものが販売されていました」との結果を示しています。そのため、アマゾンジャパン合同会社、ヤフー株式会社、楽天グループ株式会社の3社に注意喚起の協力要請を行いました。

また、公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会《標準化を考える会》の田近秀子代表は「CtoCで中古品を売買するサイトには、危険性を知らずに出品されているであろう“危ない水着”が多数あり、過去に回収措置が取られた商品までも売りに出されているケースがありました。単に売る側・買う側の責任だけではなく、サイト運営者の社会的責任も非常に重要だと感じています」と指摘しています。

子どもを事故から守るため社会全体での取り組みを

当財団 品質保証本部 コンサルティンググループでは今回の発表を受け、男児用水着を生産・販売する各事業者への注意喚起情報提供等に努めています。また、売る側だけではなく、社会全体での取り組みが不可欠として、以下の点を改めて強調しています。

①メーカーは、危険な男児用水着を作らないこと

②店頭では、危険な男児用水着を売らないこと

③消費者は、危険な男児用水着を買わないこと

④消費者は、危険な男児用水着をすでに持っていても子供に着用させないこと（お兄さんのおさがり等）

⑤消費者は、本来の着用用途以外の着用方法を避けること

⑥われわれ第三者評価機関は、売る側・買う側への情報提供及び製品の安全性に関する第三者評価に努めること

乳幼児では、購入時の商品選択の主体は一般的にその親にあり、そのような意味で衣生活においても社会的弱者となる子どもを守るため、様々な要素があります。

①男児用水着のメッシュ生地のインナーによる陰茎部の皮膚の挟まり

②JIS L 4129 子ども用衣料の安全性―子ども用衣料に附属するひもの要求事項

③有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律（アゾ化合物、ホルムアルデヒド等）

④縫製仕様、生地、素材、付属品等が原因でチクチク感やかぶれなどを引き起こすケース

など

ニッセンケン コンサルティンググループでは、子ども服の企画段階での安全確保に関する各種のご相談をお受けしています。お気軽にお問い合わせください。

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