一般財団法人ニッセンケン品質評価センター（本部：東京都台東区蔵前、理事長：駒田展大）は、この度、国立大学法人東京農工大学・高柳正夫教授との共同研究により開発した繊維鑑別方法の特許を取得いたしましたのでお知らせいたします。

従来から、異なる繊維種の鑑別には主にFT-IR（フーリエ変換型赤外分光）が用いられてきました。これはFT-IRで解析できるスペクトルの違いによって繊維の種類を特定することができるからです。ただし、例えば【綿と麻】（セルロース繊維）、【レーヨンとキュプラ】（再生繊維）、さらに【PETとPTT】（ポリエステル系繊維）などのスペクトルが類似しているケースでは特定することができませんでした。今回のニッセンケンと東京農工大学の共同研究では、FT-IRによる測定とケモメトリックスを組み合わせることで、これらの同系異種繊維の鑑別技術を確立し、下記2件が特許として認められました。

①特許番号 第6771576号　発明名称【繊維鑑別方法】 登録日：2020年10月1日
②特許番号 第6798885号　発明名称【繊維鑑別方法】 登録日：2020年11月24日

今回の特許取得技術により、①キュプラと精製セルロースの判別、②リネンとラミーの判別が100％可能となりました。
さらに本特許技術を利用し、③PETとPTT、PBTのポリエステル系繊維の判別ができることを確認しています。

今後もこの技術を利用し、これまで難しいとされていた同系異種繊維の鑑別や混用率の算出をはじめ、サステナビリティへの貢献にもつながる再生PETをはじめとしたリサイクル繊維などの鑑別を可能にする技術確立を目指してまいります。

本件に関するお問合せ先　
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター　東京事業所・蔵前ラボ　繊維鑑別プロジェクトチーム　安藤 健 , 舟橋 みゆき
Tel: 03-5809-1360　E-mail: pr-contact@nissenken.or.jp