お知らせ
エコテックス®国際共同体発表 / 2025年4月発効 エコテックス®の新規制と新規取組み
2025/01/15
エコテックス®(OEKO-TEX®)国際共同体はこのたび、2025年4月1日発効の有害化学物質等に対する新規制値及び、強化する新規取組み等について発表しました。
繊維・皮革産業における信頼関係の確立が、エコテックス®国際共同体(以下、エコテックス®)の使命であることに変わりはありません。信頼は一貫して高い基準に基づいて築かれるとの考えから、私たちは最新の科学的研究や法規制の進展に基づき、毎年認証に適用する試験基準、規制値、ガイドラインの更新を行っています。
日本の関連産業の各社におかれましても、ぜひエコテックス®が展開する活動に引き続きご注目をいただき、有害物質管理等のご参考としてください。
1.規制に関する主な変更点(総括)
(1)エコテックス®スタンダード 100について
BPA(ビスフェノールA)の規制値をより厳しく設定します。肌に直接着用する繊維製品の試験でたびたびBPA が検出されているため、内分泌学者とWHOは、これを内分泌かく乱物質(少量でも体内に入るとホルモン系を変化させる物質)に分類しています。
(2)エコテックス®レザースタンダードについて
皮革サプライチェーンにおいて、透明性に関する厳格な要求事項を課すこととします。
(3)エコテックス®エコパスポートについて
汎用化学物質と生分解性の検証を含めることとします(予定)。
(4)エコテックス®オーガニックコットンについて
エコテックス®オーガニックコットンによるオーガニックコットン認証の強化を図ります。
(エコテックス®メイドイングリーンへの適合を含む)
【参考情報】
エコテックス®国際共同体では、今回の規制に関する変更点等について解説する無料ウェビナーを2025年1月20日に開催します (英語のみ)。視聴を希望される方は、こちらから参加登録をしてください。
2.認証ごとの具体的な取り組み
(1)【エコテックス®スタンダード 100】オーガニックコットンの新規則とBPAの安全性
エコテックス®にとって、明確な情報発信と透明性は極めて重要です。2025年4月1日以降、エコテックス®スタンダード 100認証では、 認証範囲に「GMOフリー」または「オーガニック」コットンを謳うことは出来ません。
コットンが「オーガニック」であることを証明したい場合は、エコテックス®オーガニックコットン認証を取得いただくことになります。
これは、安全性とコンプライアンスを最高水準に維持することを追求した結果であり、不正行為が横行しているオーガニックコットン認証の監視を強化するための決断です。
エコテックス®は、真に信頼できるオーガニックコットンだけを認証することを目指しています。今回の変更は特に綿素材に関連するもので、麻、リネン、ウールなど、その他のオーガニック素材については、従来どおり影響を受けません。
また、社内外の毒物学者と協議した結果、BPA の限度値を 100mg/kg から 10mg/kg に引き下げました。BPAは肌に直接着用する繊維製品の試験でたびたび検出されますが、内分泌学者と WHO は、これを内分泌かく乱物質(少量でも体内に入るとホルモン系を変化させる物質)に分類しています。
(2)【エコテックス®レザースタンダード】欧州森林伐採規制(EUDR)に先駆けて
欧州グリーン・ディールと 2030 年 EU 生物多様性戦略の一環として、欧州委員会は 2024 年 5 月に新たな規制を採択しました。欧州森林減少規制(EUDR)がもたらす最も重要な課題のひとつは、皮革サプライチェーンの透明性の要求です。企業は革製品の原産地を追跡し、森林破壊に加担していないことを確認しなければなりません。EUDR は 2024 年末に発効する予定でしたが、欧州委員会は 2024 年 10 月 3 日、1 年間の適用延期を提案し、同年 12 月に合意された結果、同規則は 2025 年 12 月 30 日から適用されることが決定しました。
ただし、牛・仔牛の皮革及び皮革製品については、エコテックス®レザースタンダード認証を取得するには、原産地証明(屠畜場からの出荷明細書など)が必要です。
(3)【エコテックス®メイドイングリーン】オーガニックコットンの認証オプションの追加
エコテックス®メイドイングリーンには、 スタンダード 100 とレザースタンダードに加えて、エコテックス®オーガニックコットンが製品認証として追加されました。これにより、コットン製品の認証を取得している企業は、両認証の特長である、農場から製品に至るサプライチェーンのトレーサビリティーと検証、さらに責任ある安全な生産という強みを併せ持つことができます。
(4)【エコテックス®ステップ】ZDHC との連携強化で繊維・皮革の持続可能性が向上
エコテックス®ステップ認証取得企業は、ZDHC サプライヤー・トゥ・ゼロ(ZDHC Supplier to Zero)プログラムに参加いただけます。ZDHC とエコテックス®の連携は、繊維・アパレル・フットウエア・皮革の各産業が共同で取り組み、指針や方策を最適化することで、環境への影響を改善していくことを目的としています。
ステップ認証取得企業は、STEP 認証書と報告書を ZDHC サプライヤー・プラットフォームにアップロードして、「サプライヤー・トゥ・ゼロ」プログラム内で公表することができます。
(5)【エコテックス®エコパスポート】認証範囲の拡大と生分解性の推進
エコテックス®エコパスポートは、2025 年から認証範囲を繊維・皮革用途に特化した化学薬剤だけでなく、汎用化学薬剤やメンテナンス用化学薬剤にも拡大します。汎用化学物質は幅広く供給され、サプライチェーンの起点で使用されるため、繊維・皮革産業全体でより広範なモニタリングが可能になります。
この拡大により、有害化学物質を早期に段階的に廃止し、労働者の安全性を高め、環境保護を優先することを目指します。さらに、二次使用される汎用化学物質は、品質を保証するため、より高い頻度で試験されることになります。
エコパスポート認証を取得している企業は、自社の化学製薬剤の生分解性を認証登録証に明記できるようになります。エコテックス(OEKO-TEX®)では、持続可能な繊維・皮革製品の生産において、生分解性は非常に重要な要素であり、サプライチェーンの早い段階で導入すればするほど、その影響は大きくなると考えています。認証された界面活性剤、柔軟剤または錯化剤には、生分解性についての証明書を添付する必要がありますが、その検証は OEKO-TEX®認証機関、または認められた第三者機関のいずれかが行います。
すでに認証を取得しているこれらのカテゴリーに属する製品については、1 年間の移行期間を設けています。
3.各認証の新規制値について
エコテックス®各認証の 2025 年最新規制値の主な内容については【エコテックス®(OEKO-TEX®)国際共同体2025.1.15 発表リリース№2】をご確認ください。
また、認証別の 2025 年新規制内容については、【エコテックス®(OEKO-TEX®)国際共同体 2025.1.15 発表リリース№3】としてまとめています。下記の認証名またはロゴマークより、各認証資料にリンクしています。
※ご参考:エコテックス®とは
エコテックス®は 30 年以上にわたり、繊維・皮革産業の製造工程を透明かつ持続可能な方法で最適化するため、標準化されたソリューションを提供してきました。ベースとなるのはエコテックス®の科学的原則に基づく思想であり、高品質で安全かつ持続可能な製品を市場に送り出すことに貢献してきました。現在、100 を超える国々のメーカー、ブランド、商社など 35,000 社がエコテックス®を利用しています。同時に、世界中の何百万人もの消費者がエコテックス®ラベルが付与された商品を購入するど、人々の責任ある購買の意思決定を行う際の指針となっています。
エコテックス®の認証を受けた製品及びその企業は、オンラインのエコテックス®バイイングガイド【https://www.oekotex.com/jp/buying-guide】でご覧いただけます。
<お問合せ先>
エコテックス® 認証について
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 エコテックスⓇ事業部
E-mail : oeko-tex@nissenken.or.jp
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一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
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