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エコテックス®の目標はPFASの意図的使用防止 / 環境・人体に対する悪影響の懸念深まるなか 国際共同体が公式見解を発表

2023/09/29

業界NEWS

 
一般財団法人ニッセンケン品質評価センターが加盟する【エコテックス®国際共同体】(本部・スイス)はこのたび、世界中で規制が進むPFASについて、エコテックス®における対応方法等の公式見解を発表しました。日本ではPFASによる自然環境汚染、さらには人体への悪影響が懸念される中、環境省や厚生労働省が対応を急いでおり、ニッセンケン エコテックス®事業部は現在、繊維製品・皮革製品におけるPFASの非含有を証明する分析試験を強化しています。以下にエコテックス®国際共同体の公式見解をご紹介します。


【PFAS及びPFOA、PFOSとは何か】

 ペルフルオロアルキル化合物(PFAS)は、PFOA及びPFOSなど炭素とフッ素の結合を持つ有機化合物の総称です。PFASは、その撥水・撥油・防汚特性により、レインジャケット、消防服、スポーツ衣料などの繊維製品のほか、さまざまな業界で長年使用されてきました。

 また、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)は、繊維や皮革の加工などの工業用薬剤や、さまざまな生産プロセスの原料として使用される特定のPFAS化合物です。ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)はフッ素系界面活性剤であり、以前はさまざまな生地を保護する用途で使用されてきました。 EUではPFOSは2009年から、またPFOAは2020年から規制されており、現在使用することができません。


【PFASに対するエコテックス®の対応】

 エコテックス®は今年1月、繊維・皮革・アパレル・履物におけるPFASの全面使用禁止を発表しました。これを受け、4月に製品クラスⅠに適用するとともに、その他の製品クラス(クラスⅡ~Ⅳ)への規制も順次開始します。すべてのPFASには有機フッ素が含まれており、エコテックス®国際共同体加盟の世界16か所のラボで分析試験が可能です。エコテックス®の目標は、PFASの意図的な使用を防止することです。あらゆる種類のエコテックス®認証において、最新の有機フッ素の国際規制に準拠した分析試験が行われています。

製品の用途によって求められる安全性のレベルは異なるため、一番厳しい「Ⅰ」から4段階のレベルを設定。乳幼児のような敏感肌であったり、肌との接触が大きい製品ほど規制値を厳しくしている。


【PFASの危険性と各国の規制】

 PFASは生分解性が低いため環境中に残留します。これにより、食物連鎖や飲料水中にPFASが蓄積する可能性があり、人間の健康に直接影響を与える可能性があります。 具体的にはホルモン系への影響、欠損やがんの原因など、動植物や人間の生活における悪影響と関連付けられることから、PFASはEU、米国、カナダ、日本を含む多くの国ですでに規制されています。


【エコテックス®におけるPFASの分析試験】

 エコテックス®では、PFASを2つのアプローチで確認します。まず、法的に規制されている全てのPFASは個別に測定され、エコテックス®認証製品がEU/米国をはじめ各国の法律に準拠していることを確認します。 もう一つは抽出可能な有機フッ素の総量を測定する方法です。これには、PFASからのフッ素だけでなく、人間の健康や環境への脅威とはみなされないフッ素ベースの染料など、他の有機分子からのフッ素も含まれます。この規制の目的は、すべてのフッ素の使用を禁止することではなく、PFASの意図的な使用の禁止にあります。


本件に関するお問い合わせ先

一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 エコテックス事業部
E-mail : oeko-tex@nissenken.or.jp

お問い合わせフォーム:https://nissenken.or.jp/contact/

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