テクニカルマテリアル
テクニカルマテリアル(産業資材/機能素材)の試験では、素材の用途に応じた様々な試験を行います。
防災・安全評価関連
ニッセンケンでは、防災・安全評価に関連する素材の試験を行っています。
高視認性安全服に関する試験
高視認性安全服とは蛍光生地と再帰性反射材を使用して視認性を高めた衣服のことを言います。高視認性安全服を着用することにより、自動車等のドライバーの注意を引き付け、路上作業者の交通事故を軽減することができると期待されています。
代表的な試験規格
- ISO 20471 高視認性衣服
- JATRAS 001 児童向け高視認性安全服
- JIS T 8127 高視認性安全服
- JSAA 2001 一般利用者向け高視認性安全服
各規格に則って制作されたアイテム。
おもな試験内容
高視認性安全服規格に対応する試験は、大きく3つのカテゴリーに分かれます。
①デザイン
面積測定(クラス判定) | デザイン | 表示 |
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製品に使用されている、蛍光生地や再帰性反射材の面積を測定します。 | 製品の意匠(デザイン)が規格の要求を満たしているか検査します。 例)・反射材の幅が50㎜以上あるか ・蛍光生地は胴部を一周しているか |
表示記号やサイズ表記、製造者情報に誤りがないかを検査します。 |
測定した面積の結果から規格に定められているどのクラスに相当するか判定 |
JIS T 8127に規定されるデザインの例 |
表示記号の例 |
②蛍光生地
測色 | 生地 | 生理学的性能 |
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生地の色の測定をします。 (xy色度座標、及び輝度率) ・原布 ・耐光後 ・経年変化後(洗濯、ドライ) |
染色堅牢度や物理性能など、生地に関する諸試験を行います。 | 水蒸気透過抵抗試験を行い、 身生地の水蒸気の透過のしやすさ(しにくさ)を測定します。製品としての快適性を評価します。 |
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③再帰性反射材
反射輝度測定
耐久試験後測定 | 経年変化後測定 |
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・摩耗試験 Abrasion test ・温度変化試験 Temp. change test ・屈曲試験 Bend test ・低温曲げ試験 Cold bend test ・降雨試験 Rain test 上記の耐久性試験後に反射輝度を測定します。 |
・水洗い洗濯試験 Washing test *温度条件や処理回数、溶剤の種類は依頼者指定、若しくは製品の表示記号による。 |
降雨試験(機械の中で、雨を降らした状態で反射輝度を測定) |
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測色試験
規格で定められている色の要求を満たすかどうか、蛍光色分光色彩計を使って色度座標および色の輝度を測定します。
また、高視認性安全服の規格以外でも条件が揃えば、繊維生地にとどまらず様々な素材の表面の色を測定することができます。
代表的な試験規格
- ISO 20471 高視認性安全服
- JIS Z 9103 安全色及び安全標識
- JIS T 8127 高視認性安全服
- JIS Z 9107 安全標識(蓄光材料に関する規定)
- JIS Z 9097 津波避難誘導標識システム(蓄光材料に関する規定)
おもな試験内容
・XY色度座標XY
・輝度率
・マンセル値
等が測定できます。
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蛍光色分光色彩計 (45°/0°方式) |
JIS T 8127色度図 |
JSAA 2001色度図 |
反射性能試験
再帰性反射材
主に素材表面に当たった光(入射光)が跳ね返る際、その光の経路にほぼ沿う方向に、より強く反射光が戻る事が出来る素材を指します。
種類がいくつかあり、主にビーズタイプとプリズムタイプの2通りが存在し、その用途や設置場所等、条件や環境によって用いられています。
主な用途
ビーズタイプ色 | プリズムタイプ |
---|---|
高視認性安全服、安全帯(ハーネス)、スポーツウェア、靴 など | 高視認性安全服、安全帯(ハーネス)、道路標識類、自動車や自転車の反射板 など |
ガラスビーズタイプ
プリズムタイプ
代表的な試験規格
- ISO 20471 高視認性衣服
- JIS T 8127 高視認性安全服
- JIS Z 9117 再帰性反射材
おもな試験内容
視感再帰反射性能測定法(ニッセンケン法)では、JIS Z 9117の測定方法を用いて定めたNA~NC級の再帰性反射材と試験試料の比較を通じて、再帰反射性能の測定・判定を行います。
ブランドロゴやパイピングなど小さな面積のサンプルにも対応致します。
またJIS T 8127 高視認性安全服に定められた試験についても提携機関で実施することができます。
すべての再帰性反射材に対して、耐久性試験後の反射性能試験は必要ですか?
高視認性安全服の規格(ISO 20471、JIS T 8127)では必要となります。その他の場合は、用途や目的によって試験内容をご提案いたします。
蓄光試験
蓄光の仕組み
蓄光素材に一定の光を照射すると、主に光に含まれる紫外線領域の波長に反応し、電子のエネルギー運動が活発になります。この時、電子が低い状態(=基底状態)と高い状態(=励起状態)を極めて速い速度で繰り返します。高い状態の時にこの運動で生じたエネルギーを放出し低い状態に戻ろうとしますが、この放出されるエネルギーを光エネルギーとして放つため、その際に素材が発光している様に見えます。また低い状態に戻る際は高い状態に至る時よりも緩慢な動きをするため、比較的緩やかに光が減衰していく性質を持っています。
代表的な試験規格
- JIS Z 9107 安全標識
- JIS Z 9097 津波避難誘導標識システム
- E 010-08 (一般財団法人日本消防設備安全センター規格)
- NSA 自管第7-1号(一般社団法人日本標識工業会規格)
おもな試験内容
りん光輝度測 | 耐久性試験 |
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試料が発光していない状態(基底状態)にするため、一定時間暗所で静置させた後、規定された蛍光灯(D65)やキセノンアーク灯等で一定時間光を当て続けます。一定時間到達したら光源を遮断(消灯)させて蓄光性能を持つ試料のりん光輝度を測定します。 | その試料の性質によって、摩擦や耐候、耐薬品、温度変化などの試験を行った後、再度りん光輝度測定試験を行います。 ※画像 : 耐候性試験装置 |
蓄光素材の試験をお願いするにあたって、試験の内容も細かく相談できますか?
蓄光素材の試験は、避難誘導標識や雑貨などの用途や目的によって光源の種類、照射時間、測定時間などが変わります。
ご要望に応じた試験をご提案いたしますので、ご相談ください。
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