一般財団法人ニッセンケン品質評価センターは、2022年4月1日よりリサイクルPET繊維の判別試験業務を開始いたしますので、お知らせいたします。

　SDGsの実践や循環型社会の実現に向けてサステナブル素材が多く使用されるようになってきたことに伴い、リサイクルPET繊維^※１を用いた繊維製品が多く販売されるようなってきました。
　一方、リサイクルPET繊維は通常、サプライチェーンのトレーサビリティによって確認されており、第三者機関による分析機器を用いた判別は実施されておりませんでした。

　弊センターは独自の特許技術を応用し、国立大学法人東京農工大学 連合農学研究科のご指導の下、FT-IRとケモメトリクスによってマテリアルリサイクル^※２PET繊維の判別を高精度で行う技術を開発いたしました。
　この技術は、科学的な根拠に基づく客観的な判別を簡易な方法により可能とし、トレーサビリティを遡るという煩雑な業務からのサプライチェーンの解放、また公正な取引の実現により、リサイクルPET繊維の普及に繋がると確信しております。
　さらに、消費者も第三者機関による客観的な判別によって安心してリサイクルPET繊維を選択することが出来るようになります。

　ニッセンケンは今後もリサイクルPET樹脂、リサイクルナイロンなどの判別技術の開発を行い、循環型社会の実現の一助となれるよう研究開発を進めて参ります。

＜用語解説＞
^※１ リサイクルPET繊維…一般に回収されたペットボトルや衣類などが各種リサイクル方法により商品化されたPET繊維。

^※２ マテリアルリサイクル…回収品を樹脂選別や不純物除去を行った後、粉砕、洗浄したもの（フレーク）や、フレークを溶融し、粒状にしたもの（ペレット）を原料としてリサイクルする方法。ISO 15270（プラスチック‐プラスチック廃棄物の回収とリサイクルのガイドライン）ではメカニカルリサイクル（Mechanical Recycle）ともいう。